英語を勉強している人、これから勉強したい人、誰でも聞いたことがあるのがTOEICだと思います。
このTOEICでいい点数を取っている人は英語がペラペラだと思うでしょうか?答えは必ずしもイエスではありませんよね。
では、何でTOEICの点数だけ高くても英語が話せないのか、英語が話せるようになるには何が必要なのかを私自身が英語を話せるようになった経験から紐解いていきたいと思います。
英語ができる人=TOEICもできる。TOEICができる人≒英語ができる人
まずはっきり言えるのは、ちゃんとした英語ができる人はTOEICでも高い点数が取れるということ。
ちゃんとした英語というのは、英語圏で暮らすのに困らない流暢な英語力を指します。 必ずしもネイティブレベルでなくても構いませんが、ちゃんとした教育を受けたネイティブならTOEIC950点以上、ネイティブでなくても長いこと英語圏に住んでいる人なら800点台後半以上は確実に取れると思います。
一方で、自分で頑張って英語を勉強した人は、頑張ってネイティブと同じくらいの点数が取れたとしても、いざ話すとなると固まってしまって言葉が出ないか、話せたとしても点数とは見合わない片言の英語しか話せないことがほとんどです。 一体何がそんなにネイティブと違うのでしょうか?
答えは簡単。それは「実践経験」と「圧倒的な処理速度の差」です。
TOEICだけで高い点数を取っている人は、実践で英語を使ったことがないので、英語を話すための脳の回路が出来上がっておらず、ネイティブのような処理速度もありません。 この脳の回路と処理速度こそが、ネイティブとTOEICだけ高得点で英語が話せない人の決定的な違いなのです。
何でネイティブにはTOEICが簡単に解けるのか?
当たり前な話ですが、ネイティブは子供の頃から当たり前に英語に接しているので、英語の基礎知識があるのはもちろんのこと、英語を話す脳の回路も聞き取る脳の回路も出来上がっています。
そして、TOEICはこの土台がある人にとっては驚くほど簡単なのです。例えば、TOEICは日本語にするとこんなに簡単なレベルの問題のばかりです。
問題:郵便局はどこですか?
- 日曜日は休みです。
- 机の上です。
- 銀行の隣です。
- 5時までです。
いかがでしょうか?答えが3だということは一瞬で分かりますよね。どうでしょう、日本語にすると驚くくらい簡単ではないですか?
このように、TOEICの問題はネイティブからすると日常生活でごく当たり前に話したり聞いたりしている英語ばかりなので、何も難しいことはないのです。
もちろん、上記のような問題も時間をかければ答えが3であることはネイティブでなくてもわかりますが、TOEICで求められるのはこれを1問10秒〜20秒のペースで解くこと。そうなると処理速度が追いつかなくて解ききれなくなってしまうんですね。
しかし、ネイティブはそれすら難なくこなしてしまいます。普段英語のシャワーを浴びて英語漬けになっているネイティブなら、このレベルの問題は考えなくても瞬時に分かるからです。この圧倒的な処理速度が、先ほど書いた英語が話せないTOEIC高得点者とネイティブの差なのですね。
TOEICの点数だけが高い人は処理速度のなさをテクニックでカバーしている
もうお分かりかと思いますが、TOEICで高得点でも英語が話せない人とネイティブ(もしくは本当に英語ができる非ネイティブ)では実戦経験が圧倒的に違います。
TOEICの問題を解くのに必要なの以下の能力です。右側に、机の上の勉強だけでそれをカバーできるかどうかを書いてみました。
- 英語の基礎知識→カバー可能
- 英語の処理速度→TOEICではカバー可能
- 英語を話すための脳の回路→カバー不可能
まず基礎知識については、机の上での勉強で十分カバー可能です。
次に、英語の処理速度についても、受け身で理解するだけであればカバー可能です。TOEICは英語を聞いたり読んだりして解くテストなので、ひたすら英語を聞いたり読んだりする訓練をすればある程度はカバーできるということですね。
更に、TOEICは各パートごとに問題の出題形式が決まっていますし、選択肢にもある程度パターンがあるので、これを対策して時間配分を意識することで英語力が不足していてもテクニックでカバーすることができるのです。
これが、英語力がなくてもTOEICで高得点を取ることができるカラクリというわけですね。
でも、これだけで英語を話すための脳の回路は作れません。
TOEICの点数だけ高くても話す訓練をしなければ話せるようになんてなるわけない
さて、これも当たり前なのですが、机の上で読み書きしているだけで言葉が話せるようになることはありません。
TOEICだけできても英語が話せない日本人が多い最大の原因は「話す訓練をしていないこと」です。
日本ではほとんどの人が中学・高校の合計6年間英語を勉強しているにも関わらず、話せる人の数は驚くほど少ないですよね。その理由は、先生も話すことができないので授業が読み書き中心の受け身のものになっているということだと思います。
更に、教科書の音読をしようにもみんな恥ずかしがって適当なカタカナ発音しかしませんし、頑張って英語らしい発音を真似しようものなら笑う生徒までいます。
こんな中で英語を話せるようになるのは至難の技。この受け身の授業+羞恥心(恐怖心)により実践経験が積めないことこそ日本人が英語を話せない原因ではないかと私は考えています。
これは、日常生活で当たり前に英語の実践経験を積むことができるネイティブにはない悩みです。
では、どうすれば日本人が英語を話せるようになるのでしょうか?答えはめちゃくちゃシンプルです。
それは、
- 英語を話すことへの羞恥心&恐怖心を捨てること
- 日本人同士でもいいから定期的に英語を話す訓練をすること
この2つを貫けば必ず英語は話せるようになるはず。私は実際話せるようになりました。日本人同士で話すのは恥ずかしいですか?そんなことを言っていては話せるようにはなりませんよ。話すための回路さえできれば、あとはどんどん単語を覚えて上達するだけなので、その前の段階でつまずくのはとてももったいないです。是非頑張って話してみてください!
英語を話せるようになるコツと私が克服した方法については以下の記事でもっと詳しく書いているので、合わせてご覧ください。
■英会話苦手克服方法