グローバル企業への転職を考えている人は、ゆくゆくは海外で働きたいという人や今すぐにでも海外で働きたいという人もいると思います。
でも、いざ探してみると主にビザの発給のハードルの高さが理由で海外勤務の求人は非常に少ないということに気付くと思います。
今回は、海外現地採用が難しい理由の詳細と打開策を書いてみたいと思います。
海外現地採用の求人が少ない理由
海外で働くには、当然のことですが就労ビザが必要です。そして、そのビザが取得できなければ海外で働くことはできません。
ビザ取得の方法や難易度は国にもよりますし、その種類も多岐に渡りますが、例えばアメリカで就労ビザを取ろうと思うと、通常は採用先があなたを雇うために書類や費用を用意してビザの取得を手伝ってくれるんです。その費用は日本円にして数十万円。
つまり、企業としてはお金とリスクを犯してあなたのスポンサーになり、未来の働きに先行投資するわけですね。企業にとっては当然ハードルの高い決断になります。
このため例えばアメリカの企業なら、同じスキルを持った日本在住の転職希望者とアメリカ在住の転職希望者がいた場合、後者を採用するのです。全く同じスキルなら、わざわざ何十万円もかけてビザを発給しなくていいアメリカ在住の人を雇う方が圧倒的にリスクが少ないからですね。
これが、いきなり海外で働ける求人が少ない一番の理由です。海外での留学や就労の経験がある人には当たり前のことでしたね。
では、これまで日本に住んでいた人がいきなり海外で働くにはどうしたらいいのでしょうか。アルバイト、ワーキングホリデーへの参加、起業のような方法ではなく、あくまで会社員としての方法を考えてみたいと思います。
いきなり海外で働く方法1:日本企業に転職し、海外駐在員として派遣される
私が一番現実的だと思うのが、日本の企業の海外駐在員になる方法です。この場合、まず日本にある日本企業に転職し、そこからその会社の海外拠点に派遣されることになります。最初から海外駐在員になることが前提のポジションに転職できれば、転職してから比較的すぐ駐在できることになると思います。
この方法であれば、そもそも最初から駐在することがわかっているのでビザも発給してくれることになります。
基本的に駐在員は期限付きになりますし、行き先がアメリカの場合そこから別の企業に転職することはできませんが(駐在員専用のビザにそういう制約があります)、数年でも海外で働いてみたいという人にはおすすめです。
うまくいけば、駐在員として働いている間に他の企業に応募して、新しい就労ビザを発給してもらえる可能性もあります。駐在員専用のワークビザのままでは転職はできませんが、ちゃんとしたワークビザを手に入れることができるなら転職できますからね。
私の周りで海外就労を実現した人はほとんどこのパターンです。ものすごくつわもののある同僚なんかは、日本の会社の社長に直談判してアメリカ拠点の駐在員にしてくれるよう頼み込み、見事アメリカに出向したはいいのですが、何とその数か月後にはアメリカの現地企業に転職してしまったのです。
最初から転職が目的で駐在したのですね。恐らく、駐在員としてのビザを発行してもらったのだと思いますが、そこで転職活動をしまくって普通の就労ビザを発給してくれる現地企業を見つけたのではないかと思います。
転職支援サービスであればこういった求人を扱っているところもあるので使ってみるのがおすすめです。
いきなり海外で働く方法2:日本企業の海外拠点に直接採用される
これは、海外に拠点を置いている日本の企業の海外拠点に直接応募しするという方法です。
上の駐在員になる方法ではなく、最初から海外拠点に採用される方法であり海外の企業に転職するのとビザの難易度的には代わりないので、ハードルは上がります。
ただし、ここで有利なのは日本の企業であれば同じ日本人を採用しやすいという点。
アメリカ人にとって日本人は外国人ですが、日本企業の海外拠点で働いている日本人にとっては同じ国民です。日本人なら日本市場のこともよく知っているので、同じ業界に応募するならあなたがこれまで働いていた会社のことは知っている可能性が高いでしょう。
会社にとってビザを発給するリスクはあっても、日本人同士なら仕事もしやすいのでアメリカの企業にいきなり応募するよりは遥かに採用されやすいと思います。
ただし、日本企業の海外拠点を受ける場合、今の会社を一度辞めて応募先の国にある程度長期間観光ビザで滞在するなど、まとまった期間現地に滞在することをおすすめします。
そうでないとその国での生活がわかりませんし、何より長期滞在した実績があると企業も安心しやすいからです。
その国で滞在した経験が全くないなら、企業にも「何で住んだこともない国で働きたいの?ただの憧れ・・・?」と思われかねませんが、ある程度の期間滞在したことがあると言えば、きちんとその国で働けるという証明になりますし(すぐに帰ったりしない実績があるから)、本気度が伝わりやすいと思います。
「海外で働きたい!」という気持ちだけが先行して中途半端なまま受けてしまうと、すぐにバレるので気を付けましょう。
もし受ける時は、以下の質問を聞かれても困らないように回答を用意しておくとおすすめです。
- 何でその国で応募したのか(何で日本ではなく海外なのか)
- 自分ならその企業の海外拠点で何ができるのか(何故日本本社ではダメなのか)
- 日本本社とはどう関わりを持ちたいのか(将来日本への異動になってもいいか)
現地に住んでいないとなかなか難しいですが、海外に行く機会がある場合は試してみてもいいと思います。
いきなり海外で働く方法3:日本の企業に転職して機会を待つ
最後に、日本にある普通のグローバル企業や外資系企業に転職して機会を待つ方法です。
一番最初の例は海外駐在員になることが前提の転職でしたが、これはただグローバルな会社に転職するだけなので、ハードルが低い代わり、いつ実現するのかもわからないという方法です。
正直、何のあてもなく転職してもいつ出向できるかわからないので、日本から社員を派遣している具体的な海外事業などに最初から目星を付けて応募するのがおすすめです。私の会社でも世間的に有名な大規模海外事業がありますが、毎年たくさんの社員が世界各国に派遣されています。
なお、海外拠点の駐在員には若ければ若いほどなりやすいです。35歳を超えると難しくなることが多いので注意しましょう。
外資系・グローバル企業専門おすすめ転職サービス
海外で働きたいという人は、専門の転職サービスを使うのがおすすめです。グローバル企業に特化した転職エージェントはいくつかありますが、海外で働きたい人におすすめなのは「Beyond Border」(ビヨンドボーダー)です。
このエージェントは、海外の求人に特化しているわけではありませんが、バイリンガルや海外経験者向けの転職エージェントで、通常のグローバル転職エージェントより海外案件により強いという特徴があります。
エージェントは全員外国人か留学などの海外経験者なので、海外赴任含むグローバル企業の文化や内情に精通しており、転職希望者と企業のマッチング精度が抜群なのです。
本気でグローバル企業を目指す人は、一度カウンセリングを受けてみませんか?カウンセリングはもちろん無料で、Skypeで受けることも可能です。
海外経験者やバイリンガル専門なので、英語が苦手な人には向いていませんが、自分の海外経験や語学力を生かしたい人は是非使ってみてください。
いかがでしょうか。日本在住の人がいきなり海外で仕事を見つけるのはハードルが高いですが、不可能ではありません。転職支援サービスなどの力を借りて頑張ってください。
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