海外出張はとても楽しいしやりがいもあるので私は大好きですが、やはり長時間移動するので大変ですし、どんなに華やかに見えても裏側は楽しいことばかりではありません。
出張が多いと「あー、こういうことってあるよねー」というあるあるはたくさんあるのですが、今回はその中の一部をご紹介したいと思います。海外出張が多い仕事をしたいと考えている方の参考になればと思います。
出張者の中で一人だけ英語ができると他の同行者の世話をさせられる
これは、英語が話せない日本人と一緒に世界を飛び回って仕事をする以上ある程度避けられない宿命です。そういう人と一緒に海外出張に行くと、その人たちのお世話をさせられることが多いのです。お世話というのは、空港での各種手続きのお手伝い、買い物や食事の際の通訳、レストランの予約、車の運転、ホテルまでの引率、出張先のツアーガイドなどなどです。
え、そんなことまでさせられるの?!とお思いかもしれませんが、実際そういう対応を求められている人は私を含め多いのではないかと思います。
私はプロジェクトマネージャーであってツアーコンダクターではないのでバッサリ断るんですが、性格や立場上断れない人は、自分がすべきことではないということをやんわり説明してあげるといいでしょう。
というのも、無邪気にお世話を求めてくる人は、英語ができる人は海外でのことは何でも息をするのと同じように簡単にできると悪気なく思っているので、説明してあげると効果的だったりするんです。
例えば、「英語ができても国際免許証は持っていないのでアメリカでの運転はできません」、「初めて来る場所なので私も道案内はできません」といった具合ですね。
世界を飛び回り過ぎて今自分がいる場所や時間がワケ分からなくなる
これは海外出張は海外出張でも短時間の間に複数のタイムゾーンを行ったり来たりする場合のみですが、1日や2日のうちに世界中のあちこちを移動すると、だんだん自分が今どこにいて今何月何日の何時なのか分からなくなってきます。
例えば、私の場合世界一周出張をしたこともあるのですが(こちらの日記参照)、その時は日本から西向きにヨーロッパに行って、その後さらに西に向かってアメリカ東海岸経由でアメリカ中部に行き、そこから更に西向きに乗り継いで世界一周して日本に帰るというものでした。
滞在したタイムゾーンは4箇所(時差も4通り)、それぞれの場所には数時間〜2日くらいしかいないので、今いる場所の時間に慣れる間も無く次の場所に移動するというハードスケジュールです。
そうやってタイムゾーンがコロコロ変わると、もはや最初の出発地点である日本が今何月何日の何時なのか、今ここがどこで何時なのか、直前までいた場所が今何時なのかワケがわからなくなるんです。
どこかに出張に行って、帰国後すぐに別のタイムゾーンの国に行く時も同じです。冬に南半球のタヒチ(向こうは真夏)から帰ってからすぐカナダに出張ということもありましたが、時差どころか季節まで変わるので気持ちを切り替えるのに苦労しました。
世界一周出張ではこれまでにない経験ができるので1度くらいはやってみるとおもしろいですが、あまり頻繁だと体を壊しそうです。
週末に重ならないように計画するのに、着いたら週末に観光したくなる
これは私の周りの海外出張が多い人はみんな口を揃えて言うあるあるです。
出張って不思議なもので、計画段階では週末に重ならないように全力で調整するのに、いざ現地で平日の仕事が終わって帰る時になると、「ああ、こんなことなら週末まで延長して観光できるプランにすればよかった」と100%の確率で後悔するんです(笑)。
例えば、月曜日本発、火曜〜水曜アメリカで仕事、木曜アメリカ発、金曜日本帰着というプランだったとしましょう。
そうすると、アメリカに着いてから水曜日ごろになって「ああ、これなら土曜日アメリカ発のプランにすれば何も予定がない木曜日と金曜日は遊べたのに!」という感じになるわけですね。
いつも必ず現地に行くと延長して観光したくなるのに、また次回の出張を計画する時には週末を避けてしまうという謎の連鎖(笑)。
時差ボケが辛すぎる
上の話と関連しますが、時差のある国に行くと夜は寝れないのに昼間眠いという時差ボケになることがよくあります。
長期間滞在するならそれもだんだん良くなりますが、これが2~3日しか滞在しない出張だとずっと治らないまま仕事をしなければならないことも・・・。
時差ボケだと、夜は疲れているのになかなか眠れないので結局ほとんど寝ないまま朝になります。起きる時間になってようやく眠気が襲いますが、もう仕事に行く時間・・・。あきらめてそのまま仕事へ。
仕事中は当然寝るわけにいかないのでそのまま夕方まで仕事をし、終わった後は取引先と食事に行きます。こうしてほとんど寝ないまま1日フル稼働することになるので、ホテルに帰る頃にはヘトヘト。そうすると今日こそはぐっすり寝れるはず!と思うじゃないですか?ところがまたしても寝れないんですねー。
そして、結局二日目もまともに寝られないまま翌日の仕事をこなすことになります。二日連続で眠っていないのだからさすがに今日こそは本当に寝れるはず!・・・と淡い期待を抱くもののやはり眠れず。結局眠れないままの日が続くなんてことはザラです。
こうなると、もう帰るまでずっと寝不足な状態が続いて疲労はピークに。睡眠導入剤を持って行くこともあるのですが、肝臓が強すぎる私には薬も何も効きません。酸素水なるものを買ってみたこともありますがやっぱり効かないので、今はもう打つ手なしとあきらめています。
日本を出る前から行き先の時間帯に合わせて生活して体を慣らす方法もありますが、私は出張前から疲れを溜めることは絶対に避けたいのでやっていません。こればかりは合う合わないがあるので何とも言えませんね。
飛行機に搭乗する時は楽な服なので税関でご旅行ですか?と聞かれる
出張に行く時、飛行機の中でもスーツをパリっと着ているサラリーマンをよく見かけますが、私は飛行機では必ず楽な服を着るようにしています。スーツを着ている人は到着したらすぐに仕事があるのかもしれませんが、私は到着日や帰国日は仕事を入れないためスーツを着る必要はありません。というか私の職種は仕事中でもスーツは着ません(笑)。
そうすると、ラフな服装のためか税関で「ご旅行ですかー?」と聞かれることがとっても多いんですよね(笑)。特に日本に帰ってきた時に言われることが多いので、出張で疲れて帰ってきた時に遊び扱いされて複雑な気持ちになることが多々あります。私の前に並んでいたスーツのおじさんには「お仕事ですか」って聞いていた場合はなおさら(笑)。
私服なので仕事だとは思われないんだと思いますが、私の周りでは行きや帰りのフライトでは楽な格好をしている人たちばかりです(フライト当日に外部との打ち合わせなどが入っていない限り)。
知らない間に航空会社の上級会員になる
飛行機は、乗っているとマイルが貯まることは皆さんご存知かと思いますが、特定の航空会社のフライトにたくさん乗っていると会員ステータスが上がって上級会員になるということはご存知でしょうか?
かなりの回数乗らないとなれませんが、海外出張に何度も行っていると知らない間に上級会員になって会員カードが家に送られてくるようになります。上級会員になると、食べ物や飲み物がタダでいただき放題のラウンジに入れるようになったり、預けられる手荷物の重量制限が倍になって旅行に行く時体重計で荷物の重さを測らなくてもいいようになります(笑)。
さらに、上級会員ステータスはその航空会社の所属するアライアンスに所属する他の航空会社でも適用されることが多いので、系列会社の飛行機に乗る時にも手荷物制限やラウンジの優遇が受けられます。もちろんプライベートな旅行の時も優遇されるので、海外に行くのが更に楽しくなります。
上級会員ってナニ・・・?!という方は、上級会員になる方法や航空会社情報全般をご紹介している姉妹サイト「進め!グローバリスト」の記事をご覧ください。
最初わびしく感じるホテルも慣れるとくつろげるようになる
出張に慣れない時は、ホテルのひろ〜い部屋に一人きりでいるのがとても寂しく感じるのですが、出張に慣れると不思議とその空間にも慣れてくつろげるようになるんですね。見慣れないホテルの空間も自分の空間の一部と感じるようになるというか。
私の同僚や知り合いの中には、出張中のホテルが寂しいので自分の家にあるちょっとした置物や枕カバーを持っていって少しでも自分の部屋らしくしているという人もいます。
海外のホテル滞在を楽にするアイテムについては、航空会社情報や旅ワザを紹介している姉妹サイト「進め!グローバリスト」でご紹介しています。
最初は辛い長時間フライトも慣れるとくつろげるようになる
ホテルと同じように、回数を重ねると長距離のフライトにも慣れるようになります。最初はエコノミーで10時間以上搭乗するのが苦痛でしたが、今では「最初のX時間は飲みながら読書して、次のX時間はあの映画とこの映画見て、その後地図で現在地をぼーっと見て、その後X時間寝て・・・あれ、全然時間足りないじゃん!」という状態になって毎回時間配分に困るくらいです。
飛行機の中って、慣れると案外やることが多いと感じます。ただ、周りの人がうるさい場合もあるので耳栓やノイズキャンセリングヘッドフォンは必須ですけどね!
長時間フライトを楽にするアイテムについては、マイルの貯め方や旅ワザを紹介している姉妹サイト「進め!グローバリスト」でご紹介しています。
到着時間が深夜の場合、街の人に変な顔をされることがある
行き先やフライトの組み合わせによっては、到着や帰着が深夜のような変な時間になることが多々あります。
私も、明け方に到着したり深夜に帰って来ることはよくあるので、そんな時一人スーツケースを引いて始発電車に乗っていると、周りの人に「何あの人・・・」という顔をされることがあります。さすがに都心部では誰もそんな目で見ませんが、自宅に向かって近所の住宅街を歩いていると、たまにすれ違う人から怪訝な目で見られます。夜明けに一人でスーツケースを引いている女性ってそんなに怪しいんでしょうかね。
海外に到着した時は治安のこともあるのでタクシーに乗ってしまいますが、日本では普通に街を歩いて帰るので、あの視線は痛いです。しゃーねーじゃん仕事なんだから・・・。
何度も行く出張先のお店で顔を覚えられる
海外出張では、毎回決まった場所に何度も行くこともあります。私も以前は北米の決まった場所に毎月通ったことがあり、そのたびに職場のビルのコンビニでパンやスープを買っていたので、そこのお店の人に覚えられたことがあります(笑)。
あんまりいつも来るから、相手もまさか私が日本から通っているとは思っておらず、その街に住んでいると思っているでしょうね・・・。「あ、こんにちはー!いつもありがと」という感じで普通に挨拶してくれるので、こちらも「どーも、こんにちは!」と何事もなく返しています。こういう出会いも海外出張の醍醐味ですね。
あまり何度も行きすぎて行った先で会う人が一期一会じゃなくなる
これも上のお店の人に顔を覚えられる話に近いものですが、何度も行く場所だとお店や駅などで出会った人と何度も会うことがあります。
普通は、海外の街の人とのちょっとした会話は旅の一期一会としていい思い出になるのですが、何度も行くと同じ場所でいつもその人と会うので、もはや一期一会ではなくなるんですね(笑)。街の人とほんの少し会話した時、普段は一期一会だと思って大切な思い出にしようという気持ちが働くんですが、また行くと同じ場所にその人がいるので、もはや一期一会ではなく日常の顔見知りのようになるんです。
あれ、この駅の人前にもいたな・・・この掃除の係の人前にも会ったな・・・などなど、あたかも自分がその街の住人になったようで、ほんのひとときだけの海外滞在が日常に昇格するような感じがするので、これはこれでまた違った旅の醍醐味になります。
パスポートのスタンプの数が多すぎて入国時に若干怪しまれる
私は仕事でもプライベートでも非常によく海外に行くので、もうパスポートのスタンプの数は大変なことになっています。そうすると、入国管理局で1ページ1ページを念入りに見られて、何の仕事をしているのか、この国(今から入国する国)には年に何回来ているのか、前回はいつ来たのか、何でそんなに世界中を旅しているのかなどなど根掘り葉掘り聞かれることもしばしばあります。
こんな時、正直若干めんどくさいので英語ができなければいいのになーと思うこともありますが、たまに単純に興味本位で聞いているだけの人もいて、そこから話が弾むことがあります(笑)。「えっ、◯×国行ったの?どうだった?僕も行ってみたいんだよね」のような。私の経験だと、特にグアムの入国管理局はフレンドリーな人が多い気がします。
ちょっとやそっとのトラブルには動じないメンタルが培われる
海外に出張していると、飛行機が遅延して乗り継ぎに遅れたり、空港で手違いがあってトラブルに巻き込まれたり、超過料金がかからないはずの場所で料金を請求されたり、知らない土地で来るはずの出迎えが来なくて取り残されたり、預けた荷物が壊れたりといろいろなトラブルに遭遇します。
もちろん、英語ができれば問題ないことがほとんどなのですが、中には時間に追われている時にそういったトラブルに遭遇して時間との戦いの中で対処しなければならなかったり、誰も知っている人がいない海外で困った事態になって途方に暮れることもあります。
でも、そういうトラブルに何度も遭遇しているとトラブル対処能力が身に付きますし、何より海外でちょっとやそっとのことがあっても動じないメンタルの強さが培われます。このメンタルの強さは、海外に行く時だけでなく日常生活でも物事を冷静に考えられるようになるなどメリットがたくさんあるので、旅の経験は宝だとしみじみ感じます。
お陰で、もはや知らない土地で置いてけぼりになることなんてトラブルとすら感じません(笑)。最近、韓国で私しか乗っていないバスが目的地と真逆の山の方に向かった時はだけはさすがに焦りましたけどね。それについてはまた後日。
海外出張の多い男性はモテるらしいが、女性はその逆である
聞くところによると、海外出張が多い男性はバリバリ仕事をしているイメージがあってモテるらしいですが、これが女性だと途端に逆になってしまうようです。日本では、世界を飛び回る女性にはいいイメージがないのかもしれません(笑)。
私は、信念を持って働く人は性別問わずかっこいいという考え方の男性と結婚しているので気になりませんが、たいていの人は私が仕事で世界を飛び回っていることについていい反応をしません(不思議と男性だけでなく女性まで)。
ここではあえて詳しい理由には触れませんが、そんな時彼らがよく口にするキーワードは「家庭」とか「家事」とか「男勝り」です。
いずれにせよ、私は他人に何を言われようが自分の仕事をとても誇りに思っているので気にせず世界を飛び回り続けますけどね。
いかがでしょうか。海外出張は華やかで憧れる人も多いと思いますが、楽しいことばかりでもないということがお分かりいただけたと思います。
もちろん、それでも楽しいこともたくさんあってかけがえのない経験が得られますので、これから目指す人は是非頑張ってください!
当サイトでは、世界を飛び回る仕事にはどんな種類があるかの記事や私の海外出張の様子を綴るブログも公開していますので、合わせてご覧ください。
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