年収が高い人に英語ができる人が多い傾向があるのは事実
ハイクラス転職サイトで有名なビズリーチの調査によると、年収1000万円以上のビジネスパーソンの75%は日常会話以上の英語ができるんだそうです。
ビズリーチ社「年収1000万円のビジネスパーソンに聞いた「グローバル化社会への準備と心構え(後編)」より
しかも、この表を見るとそのうちの大多数はビジネスレベルということなので、年収が高い人はかなりの割合で英語ができるということですね。
更に、英語力別の平均年収を調査したところ、更に顕著な差が出たそうです。以下は、男性の英語力と年代別の年収を比較したものです。紺色がビジネスレベル以上の英語力ですが、緑色の国税庁勤務の人と比べて年収が高いことがわかります。
年収の差は40代以降で更に顕著になり、50代では英語力があるかないかで何と400万円もの差があるという結果になっています。
一方で女性を見てみると、この差は更に顕著になります。男性ではそんなに差がなかった20〜30代ですでに年収格差があり、50代では何と英語ができる人の年収は英語ができない人の約3倍にもなっています。
ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式「会社語学力と年収に関する調査(2014 年版)」より
「ビジネス英語ができる50代女性」の母数は非常に少ないとは思われますが、それでも英語ができない人より年収が高いことは確かです。
では、何故年収が高い人は英語ができる傾向にあるのでしょうか?一つは、やはり昨今グローバル化に伴いハイクラスな人材は英語を使って海外事業を担っていることが多いからなのではないかと思います。元々英語ができて実務能力もそなわっている人は本当に重宝されますし、英語は苦手でも優秀な実務スキルからグローバルプロジェクトに抜擢されて業務を進めるうちに英語ができるようになってくる場合もあると思います。
もう一つは、ハイクラスな人は元々頭が良くていい大学を出ている、つまり学校の英語もできてTOEICなどの点数も高いということも考えられます。この調査でビジネスレベルだと言っている人たちが実際どの程度実務に耐えうる英語を話せるか分かりませんが、試験の点数が高いからビジネスレベルだと言っていることも考えられると思います。
いずれにせよ、ハイクラスな人はいろんな能力が平均より優れているので、英語も平均以上にできることはごく自然に考えられますね。
必ずしも英語ができるようになると年収が上がるわけではない
ただ、注意したいのはこれらの調査はあくまで「すでに英語ができる人」が「すでに高い年収を稼いでいる」というデータであって、必ずしも「英語ができるようになれば年収が上がる」ことを示唆しているわけではありません。
年収が高い人はそもそも実務レベルが突出しているものなので英語だけが高収入の要因ではないかもしれませんし、英語だけができても実務ができなければ高い年収は望めません。
このため、このデータは参考値として記憶にとどめておきましょう。
TOEICは採用や昇進の指標にはなる
とはいえ、TOEICなどの英語の資格で高得点や高い級を持っていると転職や昇進で有利になることは間違いありません。
実際に使える英語力かどうかは別としても、企業の採用や昇進でTOEICの点数が足切りに使われているのは事実です(詳しくは姉妹サイトのこちらの記事で詳しく書いています)。
TOEICを足切りに使う企業が年収の高い大企業に多いことを考えると、あながち「英語ができるようになると(TOEICの点数が上がると)年収が上がる」という考え方も間違いではないのかもしれませんね。
更に、TOEICを採用や昇進の参考や足切りに使う企業は、多くの場合は実際の英語力を試すことはあまりありません(もちろん、私の会社のような本当のグローバル企業はガッツリ英語で面接しますが)。何故なら、評価する側も相手の英語力を判断できないからです。
もし単純に採用や昇進のため、つまり年収のために英語力を上げたいという人は、TOEICの点数アップを目指してみるのは手かもしれませんね。
TOEICの勉強に興味のある人は、姉妹サイトでレビュー記事をたくさん書いているのでご覧ください。
- アルクTOEIC超入門レビュー
- アルクTOEIC500点レビュー
- アルクTOEIC600点レビュー
- アルクTOEIC700点レビュー
- アルクTOEIC800点レビュー
- アルクTOEIC900点レビュー
英語だけできて実務能力がなくてもダメ
英語ができると転職や昇進で有利ではありますが、それはあくまで「実務能力に加えて」更に評価されるということであって、実務能力がないのに英語だけできても意味がありません。
英語だけできるというのは、英語圏出身の人と同じようにただその国の言葉を話せるというだけ業務ができるわけではないからです。例えば、その辺に歩いている社会人とは全く無関係の立場の人に業務をお願いしてもできませんよね。それと同じです。
結局大事なのは実務能力と英語力の両方だということはしっかり頭に入れておきましょう。私も英語がネイティブレベルの帰国子女の面接を何回もしたことがありますが、業務の内容を理解していなかったり自分で考えて行動することができない人は残念ながら採用を見送っていました。
まとめ:英語力と年収にはある程度相関関係がある。でも、英語だけできて実務ができないのはダメ
いかがでしょうか?年収と英語力にはある程度相関性があることが分かりましたが、同時に英語だけできても実務ができないとダメだということもご説明しました。
英語を使って年収を上げたい場合、うわべだけであればTOEICの点数を上げるだけでも評価を得られる企業もありますが、どちらにせよ実務ができないと高い年収は望めないということを念頭に置いてキャリアプランを練っていただければと思います。
キャリアプランを練るには、まずは自分の市場価値(転職市場における想定年収)を知ることも重要です。
自動で簡単に計算できるサイトがあるので是非活用してみてください。
- 市場価値自動計算ツールMIIDAS(ミイダス)公式サイト(当サイトレビューはこちら)
また、当サイトでは、他にも英語と転職に関連する記事を数多く取り上げておりますので合わせてご覧ください。