世の中には非常に多くの転職エージェントがありますが、外資系や英語を使ったグローバルな仕事を探している人は専門のエージェントを使った方が圧倒的に有利です。
その理由は、グローバル転職専門の転職エージェントの方がグローバル求人をたくさん持っているし、マッチングの精度もより高いから。
グローバル転職をするために一般の転職サービスに登録している人は、この記事を読んで是非専門のエージェントを使ってみてください。
初めに:転職エージェントとは?
まず、ご存知ない方のために簡単に転職エージェントとは何なのかをご説明します。ご存知の方は読み飛ばしていただければと思います。
転職エージェントとは、キャリアコンサルタントが面談であなたの経歴や強みを聞き、あなたに合った求人を紹介してくれるサービスです。
転職サイトは登録したら自分で求人を検索して直接企業に応募しますが、転職エージェントでは企業と応募者の間に人が入るという違いがあります。
転職エージェントは企業から採用を委託されているので、お金は転職希望者ではなく転職希望者を採用する企業から受け取ります(エージェントは、自分が紹介した人材が採用されたら採用先企業から成功報酬を受け取ります)。つまり、転職希望者が利用する分には通常は無料です(一部有料のサービスもあります)。
企業にとっては、直接応募してくる転職希望者よりも、自分自身が採用を委託している転職エージェントからの紹介の方が信頼できるので、転職エージェントを使った方が圧倒的に書類選考率が高いという利点があります。
それでは、転職エージェントが何なのかわかったところでグローバル転職エージェントの特徴を見ていきましょう。
グローバル転職専門のエージェントの強み
何と言ってもグローバル求人の件数が多い
まず、グローバル求人に特化した転職エージェントは、当然ですが一般の転職エージェントよりも外資系や英語を使った仕事の求人を圧倒的に多く取り扱っています。
例えば、エンジニアや医療系に特化した転職エージェントというものもありますが、そういったサービスはその分野の転職に圧倒的に強いですよね。それと同じです。
一般の転職エージェントは、幅広い分野を取り扱っていますが、その代わりにどうしても全ての分野の知見が広く浅くなってしまうので、グローバル案件にはさほど強くないということになってしまうのです。
非グローバル求人を勧められる心配がない
グローバル専門の転職エージェントは、レベルの差はあれ何かしら英語や海外と関わる求人のみを扱っているので、グローバルではない求人を勧められることがありません。
私が一番最初に転職活動した時、グローバル専門の転職エージェントの存在を知らなかったので一般の転職エージェントに登録していたのですが、その時は英語とは無縁の求人ばかり紹介されました。
一般の転職エージェントはグローバル専門の転職エージェントと違って英語を使う仕事の求人の扱いが少ないので、結果としてあまり国際的な求人を紹介してもらえないんですね。
私はIT+英語で転職したかったのですが、ただのITの求人ばかりを紹介されたので結局面接を受けることはありませんでした。
グローバル企業に詳しいのでマッチング精度が高い
外資系やグローバルな求人に特化した転職エージェントは、グローバル企業のことをとてもよく知っています。
「英語を使った仕事」と一口に言っても企業文化や労働環境は様々ですが、グローバル専門転職エージェントは、外国人が多いインターナショナルな職場のワークスタイルや外資系企業の海外本社と日本支社の関係などなど、一般の転職エージェントが知らないグローバル企業の特性を熟知しているのです。
このため、転職希望者ごとにどのような環境が向いているのか、どの会社であればフィット感が高いのかを的確に判断して精度の高いマッチングをしてくれます。
では、次はグローバル企業に限らずそもそも転職エージェントとは何なのか、メリットとデメリットを見てみましょう。
転職エージェントのメリット
転職エージェントを使わない場合と比べて書類選考通過率が圧倒的に高い
冒頭の「転職エージェントとは?」の項目でも書きましたが、一般的に企業は直接応募者に対しては非常に慎重で、面接も受けさせてくれないことが多いです。
これは何故かというと、直接応募するのはホームページから誰でもできるので、全く募集要件に合わない経歴の人が応募してくる可能性もあり、そういう人と毎回面接していたのでは採用担当者の人件費がかさんで仕方ないためです。
一方、転職エージェントは人材を採用する企業自身が成功報酬を払って採用を委託している会社なので、きちんと条件に合った転職希望者しか企業に紹介しません。もし全然スペックの違う人を紹介したら、お金をもらえないばかりか企業の信頼も失ってしまいますからね。
このため、採用する企業側も転職エージェントが紹介する人材のことは信頼しやすく、比較的すんなり面接させてくれるというわけです。
私の肌感覚だと、転職エージェントを使った時の書類選考通過率は3〜5倍程度です(あくまで個人の感覚です)。
実際、私も初めて転職活動をした時に転職エージェントを使わなかった結果、見事に玉砕しました。
直接求人に応募した場合、当時私が勤めていた会社より規模が小さい会社ですら書類選考に通らなかったのです。
例えば私が5000人規模の東証1部上場企業に勤めていたとすると、同じ業界の300人規模の非上場会社の書類選考にすら合格しなかった、ということです。しかも当時まだ20代で若く、経歴も申し分ないのにです。
ところが、転職エージェントを使い始めたところ、私を書類選考で落としたその会社の書類選考にすんなり通り、面接までたどり着いたのです。
履歴書の書き方から面接の受け方まで指導してくれる
転職エージェントの第二の非常に大きなメリットは、転職のノウハウを惜しみなく伝授してくれる点です。
どの程度指導してくれるかは会社にもよりますが、一般的には履歴書の書き方から面接の受け方まで非常に丁寧に指導してくれます。
転職エージェントは応募先企業と密に連携していて、企業がどんな人材を希望しているのか熟知しているので、その企業は面接でどんな質問をするのか、どう答えれば好印象なのかを詳しく教えてくれるのです。
何故そこまで手厚くサポートしてくれるのかというと、先ほども書いたように転職エージェントは採用先の企業から成功報酬をもらっているので、自分が紹介する転職希望者に何としても合格してもらいたいからですね。
このため、転職ノウハウを吸収するという目的だけでも転職エージェントには絶対に登録した方がいいです。
利用料は無料のエージェントが多い
転職エージェントは、自分が紹介した転職希望者が企業に採用されたら、その企業から成功報酬を受け取ります。その額は採用された人材の月収3〜6ヶ月分とも言われています。
言い換えると転職希望者は転職エージェントにとっては客というよりは商品に近く、お金はその商品を買う企業から受け取るということになります。
つまり、商品である転職希望者は、自分を売る仲介者(エージェント)にお金を払う必要はないということになります。
ただ、わざわざ「無料のエージェントが多い」という言い方をしたのには理由があって、ビズリーチのような有料のサービスもあります。
この場合、エージェントにとってのお客様はお金を払ってサービスを使う転職希望者になるので、お金が発生する代わりに転職希望者をより丁寧に扱ってくれるという利点があります。
どちらもそれぞれにメリットとデメリットがあるので、自分に合った方を使うといいでしょう。私は併用をおすすめします。
転職エージェントのデメリット
さて、そんなメリットばかりに見える転職エージェントですが、デメリットもあります。
求人を紹介してもらえないこともある
先ほど「転職エージェントを使わない場合と比べて書類選考通過率が圧倒的に高い」の項目でも書きましたが、転職エージェントが企業の要件に合った人材しか紹介しないということは、裏を返せば企業の要件に合わなければ紹介してもらえないということになります。
転職エージェントは、お客様である企業に対して条件に合わない人材を紹介するわけには行かないので、たとえあなたが特定の求人への応募を希望したとしても、エージェントがマッチしないと判断すれば応募すらさせてくれないということは非常によくあります。
無料の転職エージェントにとってのお客様は、あくまで自分が紹介する人材を採用して成功報酬を支払う企業なので、その客の希望しない人材を紹介するわけにはいかないからですね。
このため、もし特定のエージェントが希望する求人を紹介してくれない場合、書類選考に通らないことを覚悟で直接応募するか、別のエージェント経由で応募してみましょう。私は以前あるエージェントが応募させてくれなかった企業に別のエージェントから応募して受かったことがあります。
転職希望者より応募先企業が優先
これまでにも何度か書いている通り、転職エージェントにとっては、転職希望者が採用された時に成功報酬を支払ってくれる企業がお客様です。
ということは、エージェントにとっての最優先は、あくまで転職希望者ではなくお客様である採用先企業になります。
このため、1人の転職希望者が条件に合っていないなら、エージェントはその希望者のことは置いておいて、他の転職希望者に注力して企業に売り込むことになります。
そうなると、エージェントは条件に合わなかった転職希望者のことをそれ以上サポートしてくれない場合もあるので、その希望者は別のエージェントを探すなどしなければならなくなるわけです。
転職エージェントを使う上で注意しなければならないのは、登録すれば転職が成功するまで必ず面倒を見てくれるわけではないという点です。このため、1社だけでなくなるべく多くの転職エージェントに登録することは必須です。
希望しない転職を勧められることもある
転職エージェントにとって最優先は採用先企業なので、転職希望者が希望しないポジションへの転職を勧められることもあります。
当サイトで紹介している転職エージェントは、私が実際に使ってみてそういうことをしないことは確認済みですが、中には無理にでも希望しないポジションに転職させようとするエージェントもいると聞いたことがあります。
それもこれも、あなたを転職させれば成功報酬がもらえるチャンスを、みすみす逃したくないという考えがあるからです。
エージェントの報酬のために嫌々転職しなければならないということはないので、もし希望しない転職を勧められた場合は断ることをおすすめします(ただし、今後もそのエージェントにお世話になることもあるので穏便に)。
転職エージェントを使わないデメリットに比べれば些細なもの
メリットだけでなくデメリットもある転職エージェントですが、私がこれまで転職活動した経験だと、転職エージェントのデメリットは転職エージェントを使わないデメリットに比べれば些細なものです。
恐らく、これまで転職したことがない人は転職エージェントという何だかよく分からない存在に自分のキャリアを委ねることに不安を感じているのではないかと思いますが、私も最初の転職の時この考えの元転職エージェントを使わずに転職活動したところ見事に玉砕しました。
先ほど上の方でも書いた通りですが、転職エージェントを使わず直接応募したところ、元の勤務先よりも遥かに小さな企業の書類選考すら通らなかったのに、転職エージェント経由で再度応募したところすんなり面接にたどり着いたのです。
転職エージェントを使わずに単独で転職活動をするのは、さながら裸でダース・ベイダーに挑むのと同じです。
普通の転職サイトにも登録して直接求人にも応募しつつ、転職エージェントは併用した方がいいでしょう。
皆さんに登録させたいからではなく、本当のことです。私も最初の転職は直接応募での採用でしたが、それは他の企業に落ちまくって仕方なく相当条件を下げて応募した企業だったからです(笑)。
おすすめのグローバル転職エージェント
では、実際グローバル転職をするのにおすすめな転職エージェントはどこかというと、私が実際に使っておすすめできると感じた会社は3社あります。
グローバル転職に特化したエージェント自体がそんなに多くないのですが、以下の3社はその中でも代表的かつサービスの質もピカイチです。
英語転職.com(JACリクルートメント)
当サイトイチオシなのがJACリクルートメント運営の英語転職.comです。日本でグローバル求人を扱う会社としては日本最大級で、当サイト管理人も何度もお世話になったことがあります。
グローバル求人を扱っている小さめの転職エージェントは日本語を話さない外国人が多いのに対して、英語転職.comは日本の会社なのでエージェントはほとんど日本人です。当然面談も日本語なので、英語がさほどペラペラでない人も安心して登録することができます。
履歴書や面接の受け方のアドバイスも、私がこれまで使ったエージェントの中ではダントツできめ細かいので非常におすすめです。
基本的には都市部在住の人を対象としていますが、後悔はしないので是非使ってみてください。もちろん無料です。
Samurai Job
英語転職.comより更に海外案件に強いのがSamurai Jobです。現在の年収が600万円以上で30代以上であることが条件ですが、その分ハイクラス求人が非常に多く、海外採用案件も多いことを強みとしています(英語転職.comは日本国内でのグローバル求人に特化しており、海外採用の求人は基本的には多くありません)。サムライという名前ですが、特に性別は問いません。
応募できる人ハイクラスに限られますが、条件に合っている人は是非使ってみてはいかがでしょうか?ハイクラス向けのサービスである以上、エージェントの質も非常に高く信頼できます。こちらも無料です。
ビズリーチ
数多い転職エージェントの中でも有料なのがビズリーチです。無料のエージェントは採用先の企業から成功報酬をもらうのでどうしても転職希望者よりも企業優先になりがちですが、ビズリーチは利用者(転職希望者)がサービス料を支払うモデルなので、転職希望者のことを第一に扱ってくれます。
利用料金はあなたの年収によって月額2980円か4980円ですが、その分エージェントの扱いは非常に丁寧です。
エージェントが丁寧だというだけでなく、無料サービスにはない指名サービスもあるので、相性の悪いエージェントに当たってしまう心配もありません。外資系や海外関連の案件に非常に強いハイクラス転職サービスなので、是非使ってみてください。登録に制限はありませんが、基本的には30代以上のハイクラスが対象です。
まとめ:英語を使った転職なら、複数の専門エージェントに登録すべし
以上、エンジニアや医療系の転職に専門のエージェントがあるのと同じで、グローバルな転職にもやはり専門の転職エージェントを使った方がいい理由をご説明しました。
当記事の内容をまとめると以下の通りになります。
- 転職エージェントは転職希望者を企業に売り込んでくれるサービス
- 単独で直接企業に応募するより、エージェントを使った方が断然書類選考通過率は高い
- グローバル転職なら専門のエージェントの方が求人数もノウハウもダンゼン上
- 1つのエージェントだけでは転職が確約されるわけではないので、なるべくたくさん登録した方がいい
- 転職エージェントにはデメリットもあるが、登録しないデメリットと比べれば些細なもの
- おすすめのグローバル転職エージェントは英語転職.com、Samurai Job、ビズリーチ
自分で求人に応募する通常の転職サイトも併用しつつ、転職エージェントは是非使ってみてください。使わずに失敗した私の実体験からも強くおすすめします。
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