外資系では英語の履歴書(職務経歴書やレジュメとも呼ぶ、自分の経歴を自由形式でまとめたもの)が必要とされますが、日本語とは書き方が違います。
ここでは一般的な書き方をご説明しますので、実際の転職活動の参考にしてみてください。
英文履歴書のサンプル
まずは簡単なサンプルをお見せしましょう。内容は架空ですが、だいたこんな感じの形式がオーソドックスです。体裁はMicrosoft OfficeのWordなどできれいにしてくださいね。
Career Summary(題名)
Sascha Endo 1-1-1 Toranomon, Minatoku, 111-1111 Tokyo
Birth Date: 1/1/1999
Nationality: Japanese
Qualifications(資格:新しい順または推したい順に)
– STEP Eiken 1st Grade (Oct. 2015)
– MS Excel 1st Grade (Jan. 2015)
– TOEIC 970 (Sep. 2014)
Career History(経歴:新→古の順で)
1. Feb. 2013 – Present, Associate Director at Omega Corp.
– Resource management
– Managed global project with 30 members
– Business management
Key Accmoplishments:(達成した業績:プロジェクトの規模、達成した売り上げ、業界で初めて何かをした、何個プロジェクトを完遂したかなど数字を交えて)
– Elaborated business scheme for the global project and achieved 135% of the forecasted revenue
– Revised development process and cut down the cost by 17% by outsourcing the core development work
2. Jan. 2010 – Feb. 2013, Project Manager at Alpha Corp.
– Progress management
– Global team management
Key Accomplishments:
– Raised software sales by 23%
– Established simultaneous development process for the first time in the industry
– Completed 5 global projects
Advantages(スキルと強み)
– Strong team management skills gained through the experience in organizing multi-cultural teams and leading multiple global projects to success
– Rational thinking skills in addition to proficient English skills to negotiate with native English speakers on an equal basis and accomplish favorable business terms
Career Objective:(キャリアの目的、PR文)
My goal is to be a bridge between the world and Japan. I am confident that I can contribute to establishing good partnerships with overseas partners utilizing my negotiation skills I gained through my vast experiences in expanding businesses to global markets.
ここを読んでいる人は英語を理解する前提で訳は付けていません。すみません。では、次に各要素を因数分解してみたいと思います。
英文履歴書の書き方
住所、氏名など個人を識別する情報を書く
欧米では履歴書の代わりに職務経歴書を書くので、ここに住所、誕生日、国籍などを書きます。日本では履歴書も合わせて出すことが多いので必ずしも職務経歴書に住所を書くのは必要ないですが、私は念のため書くようにしています。
持っている資格と取得年月を箇条書きで
職務経歴書は履歴書と同じなので、TOEIC、英検、その他言語の資格、Microsoft Officeの資格などを忘れずに書きます。できれば、2年以上前の古い資格は書かず、新しい資格を書きましょう。
職務経歴は新→古の順で。数字を交えて業績をアピール
経歴には、日本語だと古→新の順で書くのが一般的ですが、英語では逆です。新→古の順で書きましょう。内容としては、以下の情報を盛り込みましょう。
- 会社名
- 職種名
- 期間
- 職務内容
- 達成した業績
ここで大事なのは、業績には「売り上げXX%アップに貢献」など、具体的な数字を交えることです。
自分の経歴やスキルのアピールポイントを3〜5個記述
あなたの強みは何ですか?プロジェクトマネジメントスキルでしょうか?文化が違う人と問題なく意思疎通ができるコミュニケーション能力でしょうか?その強みを、具体的な根拠を交えて3つほど書きましょう。
具体的な根拠というのは、あなただからできる理由とそれを実証する経験です。例えば、上の異文化コミュニケーションの例だと、「考え方の違う多国籍チームをまとめ上げ、会社として初めて10人体制による多言語版平行デバッグプロセスを構築した経験から培った強力なチームマネジメントスキル」のような感じまとめることができると思います。日本人のチームでもまとめるのは大変なのに、異なる考え方を持つ複数の国の人から成る多国籍チームをまとめたとなれば、チームマネジメントスキルが高いことを印象付けられるでしょう。
また、ここでは資格欄などすでに別の場所で書いた内容を書いても重複になってしまうので避けましょう。例えば、「留学経験で培った高い英語力」と書いたとしても、上の資格欄でTOEIC970点などと書いてあればただの繰り返しになってしまうので、プラスアルファが必要です。上の異文化コミュニケーションのような例を書けば、単に英語ができるだけではないことが印象付けられておすすめです。
応募先で自分がどう活躍できるかを完結かつ具体的に記述
最後に、実際にあなたが応募先企業に入社した場合どう貢献できるかをなるべく具体的に文章で書きます。いわゆるPR文というやつです。経歴などの部分はある程度どの企業でも共通のものを使いまわして構いませんが、この部分だけは必ず企業ごとに書き変えましょう。
内容は、当然ですが「留学で培った高い英語力をIT業界をリードする貴社で役立てたいです」のようなぼんやりしたものではダメです。英語力に関しては上の資格欄ですでに述べているので不要ですし、具体的にどう役立てられるのかが書かれていません。
その企業の事業内容や業績を調べた上で、自分がそれに対してどう貢献できるかをなるべく具体的に書く必要があります。例えば、あなたがすでにソフトウェア会社で海外営業をやったことがあって、最近海外展開を始めたばかりの別のソフトウェア会社を受ける場合、「ソフトウェア会社での国際営業の経験を通じて、貴社の海外展開をより効率的に進めるお手伝いをさせていただければと思います」のように、自分ならその会社で何ができるのかを相手に想像しやすいように書くことが重要です。
ただし、どんなに企業研究をしても応募者であるあなたはまだ部外者なので、あまり相手よりも分かっているような書き方をするのはやめましょう。
自信がないならプロに聞くことも可能
職務経歴書の形式は自由なので、自分なりにアレンジしてもいいと思いますが、初めてだとどう書いていいのか分からない場合もあると思います。
そんな場合、プロに相談することも可能です。
プロに相談する場合、以下の2通りの方法があります。
- 転職支援サービスでエージェントに相談する(無料)
- 履歴書添削サービスを使う(有料)
それぞれの詳細は以下の通りです。
転職支援サービスを使う場合
転職支援サービスとは、実際にエージェントと対面(または電話)で面談し、あなたに合った求人を紹介してもらったり履歴書の書き方や面接の受け方を教えてもらうことができるサービスのことです。一般的に有名なのはDODAやマイナビなどですが、グローバル企業を目指す場合イチオシなのはグローバル転職に特化した英語転職.comです。
英語転職.comは、他の転職支援サービスと同様利用料は無料で、英語を使った求人を数多く紹介してくれる上に非常に丁寧に履歴書の書き方や面接の受け方を指導してくれます。
私も過去に何度もお世話になっているので、是非登録してみてください。
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履歴書添削サービスを使う場合
直接エージェントに相談するのはまだ勇気がないという場合は、有料になってしまいますが履歴書添削サービスもあります。
英文添削サービスはいろいろありますが、当サイトでおすすめしているのはIDIY(アイディー)ビジネスのスピード英文校正サービスで、このサービスを使えば327円から履歴書を添削してもらえます。
料金には何種類かあって、月額定額制か都度支払いを使うことになりますが、履歴書の場合都度支払いが便利だと思います。この場合1単語につき13.35円なので、上記サンプル程度の分量(約350語)であれば4600円程度で添削可能です。
添削者は英語ネイティブか日本人の専門家から選ぶこともできるので自分に合った添削方法を選んで求人応募に備えましょう!きちんとした英語の履歴書を書く自信がないならプロに添削してもらうのがおすすめですよ。
転職エージェントに書き方を相談することもできますが、日本人のエージェントだと英語の書き方までは指導してくれないこともあるので、正しい英語はやはり専門家に依頼した方がいいと思います。
英文職務経歴書はグローバル転職には必須の重要なもの。書き方をマスターして英語を使う仕事を見つけましょう!