英語初心者のみなさんも上級者の皆さんも、定冠詞、不定冠詞、単数形、複数形の使い分けはしっかりできているでしょうか?
上級者の皆さんは、そんな基本的なこと当然できてるとお思いかもしれません。ですが冠詞類は数年留学した程度でマスターできるほど単純なものではなく、自信を持って大丈夫だと言っている人こそ一度立ち返ってみた方がいいほど複雑なものです。
実際私の周りにもTOEIC900点以上の人はたくさんいますが、少なくとも彼らの中で a、the、複数形を完璧に使い分けている人はほとんど見たことがありません(帰国子女や英語圏育ちの人は除く)。もちろん、私自身もものすごく意識はしていますがネイティブではないので間違えます。
冠詞や複数形の概念が薄い日本語圏で育った私達には、英語の冠詞を完璧に使いこなすのは本当に難しいことです。ここでは私が経験から学んだ使い分け方を紹介しますので、私と同じように留学せずに英語を勉強してきた人は、ぜひもう一度立ち返ってみてください。ネイティブではない立場で上から目線なようで恐縮ですが、とても大事なことなのでご一読ください。
で、ぶっちゃけ a と the ってどう違うわけ?
英語には、ご存知の通り a/the/無冠詞の3種類があります。この3種類は様々な場面で使い分けられますし例外もあるので、この時はコレ!とは一概に言えないのですが、私はおおまかに以下のように覚えています。
不定冠詞 “a”:初出のものについて話す時。てにおはで言うと「は」
中学で一番最初に習った知識ではありますが、不定冠詞は「とある何か」、「まだ特定されていない何か」に付ける冠詞です。
- I’m a teacher(私は教師です)
- We are going to propose a plan(ある企画を提案しようと思っています)
定冠詞 “the”:既出のものについて話す時。てにおはで言うと「が」
さて、”the” となるとどうでしょう?これは、「既出の何か」や「特定の何か」に付ける冠詞ですよね。
わかってはいるはずなんですが、日本人にとってはこの辺が非常にトリッキーなようです。例を見てみましょう。
- I’m the teacher(私が(その)教師です)
- We are going to propose the plan(その企画を提案しようと思っています)
こうして不定冠詞の例文の a を the に変えただけで意味は全く違ってきます。そして、初めて出る何かに対して “the” を付けてしまうのは日本人の非常にありがちな間違いです(本当に、本当によく見ます!!)。
TOEIC900点代でもこれらを使い分けられず、初めての相手に出すメールの中で “I was wondering if you could provide the cost estimate”(その費用見積りをいただけないかと思っているのですが)のように、あたかも以前すでに費用見積(cost estimate)について話したことがあるかのような文章を書いてしまう人が多いです。
実際TOEIC910点だか920点の同僚が以前そんなメールを出していて、相手から “uh, which cost estimate are you referring to?”(どの費用見積のことでしたっけ?) みたいに聞き返されていたことがありました。
もちろん、それ以前の文脈で見積もりについて話しているならいいのですが、本当に初めて言及する場合は “I was wondering if you could provide a cost estimate” が正しいです。日本語で考えてみれば、初めての相手がいきなり「その費用見積」と言っていたらおかしいことがよく分かりますよね。
見ていると、どうも日本人はとりあえず “the” を使いたがる傾向にあるようなので、使う前に本当にそれであっているか自問自答してみるといいのではないかと思います(私もしています)。
単数系・複数形の使い分け
冠詞の問題にとても近いものとして、単数系・複数形の使い分けがあります。The なのか a なのか冠詞無しの複数形なのか冠詞有りの複数形なのか、上記の冠詞の使い分けと合わせて復習のきっかけになれば幸いです。
単数系と複数形で数だけでなく意味まで変わるもの
これは多分学校でも習ったと思うのですが、動物のことを話す時の単数系・複数形の使い方は要注意です。複数形で「好き」と言えばその動物がかわいくて好きという意味になりますが、単数系にしてしまうとその動物の「肉」が好きだという意味になってしまいます・・・。
- I like cats(私は猫が好きです)
- I like cat(私は猫(の肉)好きです)
恐ろしいですね。これも案外日本人に多い間違いです。複数形に慣れていないのでつい単数系で言ってしまうようです。ただ、無意識でも食べ物の話をする時は “I like chicken”(鶏肉が好きです)と単数系で言っているはずなので、単数系だとその肉が好きだという意味になると覚えておきましょう。
—–2020年2月追記—–
ちなみに、動物に付ける冠詞については、冠詞ナビブックという冠詞について詳細に説明しているガイドブックにも書かれているので是非取り寄せてみてください。
この記事はもう1年以上前に書いたものですが、冠詞のことを分かりやすく説明した教材がないか探していてたまたま見つけて驚きました。しかも “She ate a chicken” というこの記事とそっくりな例まで使われているという・・・↓
このように、冠詞を間違えると全く違う意味になってしまうというのは嘘ではないことがお分かりかと思います(私が言っていることは決して大げさではないんです)。
冠詞ナビブックはKayo & Brianさんという国際会議の通訳などとして活躍されている先生が作っているものなので、皆さんも名も無き当サイト管理人より信用できるのではないかと思います(笑)。
本来はダウンロード版で3,850円するそうですが、2020年2月現在は印刷版発行記念キャンペーンということで無料(送料・手数料の550円のみ必要)で手に入るそうです!私も頼んでみようと思うので、届いたらまた詳しくレビューします。
不可算名詞は集合体だと複数形になる場合がある
また、英語には可算名詞、不可算名詞という厄介なものがあるのはご存知のことだと思います。不可算名詞というのは、複数形にすることができない単語、例えば “paper” や “text” ですね。いや、厳密に言うとこれらも集合になれば可算名詞になるのですが。
例えば、一枚一枚の紙のことを指す時 paper は不可算名詞なので、複数形は papers ではなく pieces of paper という言い方をしなければならないのは中学でも習ったと思います。ですが、これが紙が束になった状態の書類や文書などになると、その束の複数形は papers になるわけです。このため、論文も複数形は papers でOKということになりますね。
また、text も同じように通常は不可算名詞、集合体になると可算名詞になります。
例えば、仕事で何かの文章のレビューをした時、私の周りのTOEIC高得点者は全員(留学経験者も含め)「文言が数カ所間違ってたよ」と言うつもりで “I found mistakes in some texts” のように “text” を複数形にしていますが、文言や文章という意味の text は単数系で表します。
この場合、”I found mistakes in some words” でいいと思います。Text が複数形になるのは、やはりテキストが集合体になった時、例えば古文書が何冊もある時などで、これなら “ancient texts” のように複数形にしてOKです。ネイティブはこの辺を感覚で覚えていますが、そうでない人が後付けで勉強すると、どうしてもこういった基本的なことの使い分けができなくなりがちなので、意識しながら次第に体で覚えて行くのがいいのではないかと思います。私もネイティブではない身で偉そうですが、これまで意識していなかった方には是非意識していただければと思います。
なお、普段単数だけど集合体だと複数形になる単語は他にもあります。
- revenue vs revenues
- experience vs experiences
- business vs businesses
・・・などですね。冷静に中学・高校の記憶をたどれば確かに習っていた知識ではあるかもしれませんが、語学の熟練度を上げることとはこういう基本的なところの精度を一つ一つ高めることに他ならないと思います。お互い、上級者の名に恥じないきれいな英語を目指しましょう!
先ほど述べた冠詞ナビブックは冠詞を間違えないための最短の道だと思いますので、皆さんも是非使ってみてください。
繰り返しになりますが、冠詞は上級者こそ甘くみることはできない非常に複雑なものです(非ネイティブにとっては)。この機会に是非見直してみてください。私も、迷うことが多いのでガイドブックがあるとより自信が付きそうです。