転職をするには、企業への直接応募のほかにも、転職サイトからの応募や人材紹介会社からの紹介など様々な方法があります。
転職をしたことがない人にとっては一体何が何なのか、どうやって転職するのが一番近道なのかわからないと思いますので、今回は転職サイトの仕組みについて詳しくご説明します。
転職サイト=求人に応募したりスカウトを受けられるサイト
転職サイトとは、企業が出している求人情報を自由に閲覧して応募したり、人材紹介会社や企業からのスカウトを待つためのサイトです。
国内向けの転職サイトとしてはマイナビやDODA(デューダ)などが有名ですが、そのグローバル版ですね。グローバル企業への転職を目指す場合のおすすめはDaijob.comとCareercrossで、ここの求人数はかなり多いと思います。
転職サイトの運営会社自体が人材紹介会社である場合もありますが(DODAなど)、Daijo.comとCareercrossは私の知る限りただのポータルであってここ自体は人材紹介会社ではありません。
人材紹介会社が何か分からないという人は、こちらの記事で詳しく書いているのでご覧ください。
転職サイト登録手順
国内向けの転職サイトに登録したことがある人はすでにだいたい分かると思いますが、転職サイトの登録は通常の個人情報の他に過去、現在の職務経歴も記入することになります。サイトに載っている求人への応募はたいていの場合会員登録をしないと応募できません。
経歴はまずは軽めに入力しておいて後から修正することもできるので、とにかく早く登録したいという人は仮入力でも問題はないと思います。ただし、そのままにしておくとスカウトが来る可能性が少なくなるのでご注意ください。
登録後の動きは二種類
職務経歴を記入して晴れて登録が完了したら、次のステップは大きく分けて自分で求人に応募するかスカウトを待つかの二種類があります。もちろん、二種類同時に動くこともありす。
では、それぞれの詳細も説明していきましょう。
自分で求人に応募する
これは自分で求人を閲覧して好きな求人に応募するというごく一般的な方法ですね。
ここで注意していただきたいのは、ここから応募しても必ずしも直接企業に応募できるわけではなく、多くの場合人材紹介会社に連絡が行くことになり、まずは人材紹介会社との面談になることがほとんどです(企業が直接募集を出していることもあります)。
要は、企業が人材紹介会社に採用活動を委託していて、求人情報はその人材紹介会社が管理しているということですね。
人材紹介会社とは、企業とあなたの間に立ってあなたを企業に売り込んでくれる「転職支援サービス」を提供してくれる会社のことです。
応募先が企業ではなく人材紹介会社だった場合、上述の通りまずは人材紹介会社との面談になりますが、ここで本当にあなたがその企業に応募する資質があるかどうか見極められるため、あまり自分の経歴やスペックとかけ離れた求人に応募してしまうと人材紹介会社から応募を断られることもあります(私も転職に不慣れだった時断られたことがあります(笑))。
このため、転職サイトからはどんな求人にも形式上自由に応募できますが、あまり自分のキャリアと関係ない求人に応募しても結局企業には自分の情報すら届かないこともありえるということを頭に入れておきましょう。
なお、人材紹介会社との面談でお目当ての企業への応募を断られても断られなくても、たいていの場合あなたに合った別の求人を紹介してくれます。もちろん、あなたが最初に応募した企業への応募も平行して進めることもあります。
自分で求人に応募する場合のステップは以下の通りです。
- 転職サイトから求人を探して応募する
- 求人を出していたのが人材紹介会社の場合、該当の求人に本当に応募できるかどうか面談で見極める(企業が出していた求人の場合このステップは省略)
- 企業での書類選考に受かった場合、企業と面接をする
- 採用!
人材紹介会社や企業からスカウトがくる
これは、上で書いた転職サイトから自分で求人に応募した場合のステップ1がなくなるだけで、それ以降の流れは同じです。
つまり、人材紹介会社があなたの職務経歴を見てあなたに直接連絡(スカウト)し、あなたに合った求人を紹介するということですね。
この場合、企業のニーズをよく知るプロの人材紹介会社があなたの経歴にマッチする求人を紹介してくれることになるので、結局自分で直接企業に応募するより合格率は比較にならないほど上がります(数値的根拠はないですが、私の感覚だと数十倍)。
スカウトは人材紹介会社からがほとんどですが、中には企業から直接オファーが来ることもあります。
いずれの場合も注意してほしいのは、スカウトされるとすごいことのように聞こえますが、この時点では採用どころか面接も確定していません。
スカウトされても落ちることはある
スカウトというと何だかとても特別な響きがありますが、実際には転職希望者に連絡することを「スカウト」と言うだけのため、上述の通り面接にすら行けないこともあるし、面接に行ったとしても落ちることもあります。
企業が直接スカウトしてきた場合はさすがにほとんどの場合面接に進むことはできますが、それでも実際面接してみて企業側がマッチしないと判断した場合採用に至らないということは十分あります。
また、転職サイト経由でスカウトをしてくる企業はほとんどありません。私のこれまでの経験だと、企業の直接スカウトは5%もなく、残りの95%は人材紹介会社からのスカウトでした。
人材紹介会社からのスカウトの場合はもっと採用の確度は低くて、スカウトされた後あなたに紹介しようと思って準備していた求人に応募する資格があるかどうかを面談で判断することになるので、最初に紹介しようと思っていた企業に応募できず別の求人を紹介されるという場合もあります。
つまり、スカウトとは人材紹介会社や企業があなたに興味を持っただけの段階なので、まだ何も確定はしていないということを頭に入れておきましょう。
少しがっかりしたかもしれませんが、これがスカウトの実態です。逆に、面接もせずに即採用!!という企業があった場合、そちらの方が要注意です。入ってからお互い思ったのと違ったということになるのが容易に想像できます。
転職サイトは、結局人材紹介会社に登録するのと同じ
さて、これまでの流れでお分かりかもしれませんが、転職サイトに登録した場合、そこから始まるのは実際に転職希望者を採用する企業ではなく、人材紹介会社とのやり取りがほとんどになります。
ということは、転職サイトに登録するということは結局人材紹介会社に直接登録するのとさほど大きな違いはないということになります。
もう一度、転職サイトに登録したらできることをまとめてみましょう。
求人への応募
- 求人情報自体、ほとんどは人材紹介会社が出しており、企業が直接掲載している案件は少ない
- 応募しても、多くの場合まずは人材紹介会社に連絡が行く
- さらに、企業に直接応募したとしてもどこの誰かも分からない人からの直接応募よりも人材紹介会社からの応募の方が信頼度は抜群に高い
スカウトを待つ
- スカウトしてくれるのはほとんどが人材紹介会社
- 直接企業からスカウトが来るのはスカウト全体の数パーセント程度
以上のことを踏まえると、極端な話「転職サイト≒人材紹介会社とのマッチング」とも言えることになります。
では、転職サイトに登録しなくても人材紹介会社だけ登録すればいいかというとそうではありません。
私は、転職サイトと自分の希望分野に強い人材紹介会社の両方に登録することをおすすめしています。その理由は次の項目で詳しく書きたいと思います。
人材紹介会社と転職サイト両方への登録がおすすめ
転職サイトへの登録は人材紹介会社に登録するのと結果的には同じという書き方をしましたが、だからといって転職サイトに登録しなくていいというわけではありません。
転職サイトに登録すれば複数の人材紹介会社からスカウトがもらえる可能性がありますが、人材紹介会社は1回登録してもその会社とのつながりしかできないので、会社ごとに登録しなければなりません。
図にするとこんな感じです。
転職サイトに登録すると、複数の人材紹介会社だけでなく企業とのつながりができることもあるので、一石三鳥にも四鳥にもなります。
また、人材紹介会社からの求人の紹介は基本的には先方が選んだものに応募したいかどうか意思表示をして話をすすめる形がメインですが、転職サイトに登録しておけば日頃から自分で求人情報を検索して人材紹介会社に「この求人に応募してみたい」と伝えることもできるようになります。
このため、私は転職サイトに登録しつつ、人材紹介会社にも登録するという二段構えの転職活動をおすすめします。
私がこれまでグローバル企業の転職で使った転職サイトは「Daijob.com」と「キャリアクロス」、人材紹介会社はJACリクルートメントの「英語転職.com」なので、是非登録してみてください。
■グローバル系転職サイト
■グローバル系転職に強い転職支援会社(人材紹介会社)
あちこちに登録するに越したことはないので、一箇所だけというよりは全部登録した方が転職の可能性は広がります。転職サイトも、人材紹介会社の転職支援サービスも利用は無料です(採用する企業が人材紹介会社に成功報酬を払うモデルです)。
転職サイトも人材紹介会社もこれ以外にたくさんありますが、グローバル系転職に強いものとしては、上記が提携企業数も案件数も最大級で一番使いやすかったです。
転職への第一歩は登録するところから!まずは始めてみましょう。