HiNative Trekとは?
HiNative Trekとは、日本の会社 Lang-8(ランゲエト)が運営していて、いつでもどこでもアプリからネイティブに自分の英語を添削してもらえるという夢のようなサービスです。
毎日送られてくる課題を解き、ネイティブに添削してもらえるのですが、問題を監修しているのはアメリカ元副大統領のアル・ゴア氏などの通訳も勤めた関谷英里子さんなので、品質はピカイチ。
サービスには無料版のHiNativeと有料版のHiNative Trekがありますが、今回は有料版をがっつり使ってみたのでレビューしたいと思います。無料版についてはこちらの記事でレビューしているのでご覧ください。
無料版との違い
HiNative Trekが無料版と違う点は、プロのネイティブによるきちんとした添削が受けられること、毎日質の高い課題が送られてくることなどですが、まとめると以下のようになります。
- 無料版は一般人のネイティブが添削するだけなので質はマチマチ。有料版はプロが細かく添削してくれる
- 無料版は好きな時にテンプレート通りに質問をするが、有料版では毎日1問課題が送られてきてそれを解く形式
- 有料版にはサポート(講師の回答に対して質問するなど)があるが無料版は一度質問したら終わり。分からないところは解決できない
ビジネスコースとITコースがある
HiNative TrekにはビジネスコースとITコースの2種類があります。ビジネスは文字通りビジネス全般で使える英語を強化できるコースで、ITコースはIT業界のスタートアップ企業などに特化したコースです。どちらも日常会話というよりはビジネス向けですが、ITコースはITの分野で起業を目指す人やIT業界にいる人により適しています。
HiNative Trekの推奨レベル
HiNative Trekの課題は選択肢ではなく完全自由回答なので、自分の言葉で答えを提出しなければならない分難易度は上がります。また、講師は全員英語ネイティブの外国人(主にアメリカ人)で日本語は話せないためコメントのやり取りも全て英語になります。
このため、HiNative Trekを始めるならある程度英語の読み書きができるようになった初心者〜中級くらいがおすすめです。入門レベルだと難しすぎて途中で挫折してしまうかもしれません。
また、上級者には問題の内容自体は簡単ですが、発音を矯正してもらえるという意味では非常に使えるのではないかと思います。最近私も発音に課題を感じているので使い続けたいなと思いました(詳細な感想は以下で述べます)。
教材(課題)の内容
1日1問送られてくる課題を解く
HiNative Trekに登録すると、1日に1問課題が送られてきます。問題が送られてくるのは月曜から金曜までで(土日は休み)、やる気がやや下がり気味の月曜日は簡単な問題(笑)、曜日が進むにつれて難易度が上がるようになっています。つまり、金曜日は1週間で一番難易度が高いということですね。
1回の問題量はそんなに多くありません。例えば、1問のテキストは以下画像くらいの分量です。
「電話が聞こえたり聞こえなかったりするので入りなおしてもらえますか?」という意味の相手の英語に対して、答えを英語で言いましょうという問題ですね。一番下のオーディオは問題文の英語音声です。
これに対して、回答を入力します。回答はテキストと音声両方で入力しましょう。どちらか片方でも添削してくれますが、両方だとより上達しやすいですよ。
解答欄は、上のボックスにテキストを入力し、マイクボタンでその音声を録音し、終わったら「提出する」ボタンで提出します。
そして待つこと数時間〜1日、ネイティブによる添削が来ました(時差がある割には驚異的な速さです)。内容はこちらです。
上から順に自分の回答、模範回答、ネイティブ講師のコメントの順に並んでいます。一度抜けて電話会議に入り直すことについて “Sorry…” とお詫びを付け加えない状態で送ってしまったので、完璧だとお褒めをいただきつつも「一言謝るとよりいいかもね」というコメントをいただきました。
ネイティブ講師からのコメントで分からないことがあれば、3回まではやり取りをすることが可能です。是非活用しましょう。
1問あたりの所要時間は30分〜1時間
上記のサンプルでお分かりかと思いますが、1問1問はそんなに長くなく、早い人だと1問を解くのにかかる時間は5〜10分、初〜中級者であれば30分〜1時間程度ではないかと思います。
忙しい社会人向けのサービスなので、あんまり長いと挫折してしまうから絶妙な長さにしてあるのでしょうね。よく考えられています。
課題は基本的にビジネスがテーマ
HiNative Trekで出される課題は基本的にはビジネスがテーマです。社会人向けのサービスなので、仕事で使える英語が身につくようになっているのですね。日常会話を学びたいという人よりは、ビジネス英語を学びたいという人向けです。
アプリなのでもちろん予約は不要
HiNative Trekはアプリであり(ウェブブラウザでも使用可能)、駅前留学のような対面の英会話教室ではないので、予約は一切不要です。思い立ったらいつでもどこでもすぐに課題を解いて提出することができます。
当然、24時間いつでも提出は可能です。また、添削にかかる時間は標準で6時間以上となっていますが、これはほとんどのネイティブ講師がアメリカ在住で時差があるためです。
とにかくアウトプットさせることが主目的
私もこのサイトで何度も言っていますが、日本人が英語を話せない最大の原因はアウトプット不足です。HiNative Trekでは、これを克服するためとにかく英語を書いて話すことでひたすらアウトプットさせ、最終的には英語が話せるようになるというのが目的です。
英語学校やオンライン英会話教室以外に、対話形式で英語の発音まで矯正してくれるサービスはなかなかありません。カタカナ発音を卒業してネイティブに通じる英語を話したいならイチオシのサービスです。
データが残るので復習も可能
英語を勉強する上で欠かせない要素の一つが復習。後で上達した時、「今よりレベルの低かったあの時間違えたあの表現、何で間違えたんだっけ・・・?」と、昔自分が間違えた問題が今のレベルだとどう見えるのか確認したい時が多々あります(私は経験から実感しました)。
英会話教室や通信講座だと昔の自分の英語を振り返ることはなかなか難しいですが、HiNative Trekはアプリだから自分の解いた問題の履歴はデータとしてずっと残ります。これは復習をするのための強力な味方。是非活用して更なる上達につなげましょう。
先生はビジネスのプロでしかも英語ネイティブ
HiNative Trekの講師は、他のサービスによくある大学生のようなビジネス経験の浅い若者ではなく、きちんとビジネス経験のあるプロのネイティブです。ビジネスのエキスパートなので、「ビジネスではこういう時こういう言い回しをする」といったビジネス知識も踏まえたコメントをしてくれますし、英文法や発音に関するコメントも非常に的確です。
無料版のように一般のネイティブとは違うということですね。日本人でもてにをはを間違える人がいるように、一般の英語ネイティブも必ずしも正しい英語ができるわけではないので、ビジネスのプロによる指導はとても心強いです。
HiNative Trekの注意点
そんな、英語を勉強している人には理想的なサービスですが、注意点もあります。
先ほど推奨レベルの項目でも書きましたが、先生から返ってくるコメントやそれに対するあなたからの返信は全て英語です。先生はほとんどアメリカに住んでいるアメリカ人であり、日本語は分からないからですね。
このため、英語が全く読み書きできない人は課題を提出しても先生のコメントを理解できないのであまりおすすめできません。ある程度の英語ができるようになってから登録するといいでしょう。
いずれにせよ、コメントも含め全て英語で行った方が上達は確実に早いですよ。
実際にやってみた感想
自由形式なのがいい!
HiNative Trekで出される課題は全て自由記述(自由会話)です。選択肢を選ぶような問題は一つもないので、実際に頭を使って自分の英語を書く(話す)ことが必要になります。
TOEICのような選択肢のみのテストもある程度実力を測るには効果的ですが、やはり自由記述のテストは本当の英語が身につくのでその効果は比較になりません。決まった答えを選択したり丸暗記するだけの勉強をしてきた人はいざ実践の場に放り出されると何をどう話していいのか分からず途方に暮れることになりますが、自由記述形式でがっつり読み書きとスピーキングを鍛えれば、本当の英語力が身につくのは火を見るより明らかです。
中級までなら十分なやりごたえあり
課題は中級者(TOEIC800点前後)までなら十分なやりごたえがあります。実際、口コミを見ていると「難しい」とか「難易度半端ない」といったコメントが数多く見られます。これも、アウトプットには慣れていない日本人には英語を書く・話すこと自体が大きな刺激になるからだと思います。
ただし、1問あたりの問題もさほど長くないですし出てくる語彙も多くないので、上級者には少し簡単すぎるかもしれません。実際、TOEIC970点で毎日ビジネスで英語を使っている私には少し物足りない感じがしました。
問題自体を簡単と感じるかどうかはレベルによりますが、私たちのように自力で英語を勉強している人にはどのレベルにも共通して役立つ要素があります。それは「発音の矯正」です。
よくネットで「独学でもネイティブになれた」と言っている人をみかけますが、私はそれには懐疑的です。私もそうですが、どんなに毎日バリバリ英語を使っていても、本当のネイティブ(ネイティブから聞いてもネイティブに聞こえる)になるのは不可能に近いほど難しいと思います。普段ネイティブと遜色ないきれいな英語を話せていても、疲れた時や専門外の英語を話していて内容に集中している時はどうしても発音にボロが出てしまいます。
そんな時、発音を矯正してくれるサービスは救世主とも言えます。もちろん、無料版でも発音は直してくれますが、有料版なら具体的に何がいけないのか、どうすればいいのかをアドバイスしてくれるので非常に助かります。
初中級者はもちろんのこと、上級者も一度自分の発音を見直すためにも使ってみるのがおすすめです。
料金
HiNative Trekは月額サービスになっていて、月額プランの場合はビジネスコース、ITコースいずれも1ヶ月19,600円、1年契約の場合1ヶ月あたりの金額は16,333円(1年196,000円)です(2020年8月現在)。
これを日割りすると約544円、コーヒー1杯分の値段です。
月に2万円近くというと高く感じるかもしれませんが、あなただけのためにプロのネイティブが時間を割いて添削してくれることを考えると決して高くはないと思います。
例えば、語学学校が1時間で数千円することを考えると、1問あたり30分〜1時間のレッスンに対して544円は決して高くないのではないでしょうか?
しかも、自宅でいつでも好きな時にできるというメリットはとても大きいですよ。コロナで家にいることが多い今、とてもおすすめのサービスです。
英会話教室以外で発音を直してくれるサービスはほとんどありませんし、変なクセを付けないためにも是非使ってみましょう!
〜お知らせ〜
当サイトがHiNative Trekのの公式サイトに紹介されました!公式サイト内の「体験記事の紹介」をご覧ください。
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