このコーナーでは、私の周りのグローバル人材にインタビューしています。
今回は外資系の金融系企業で管理職としてバリバリ働く40代女性のYさん。Yさんは元々私とは趣味の知り合いで、その優しい人柄とは裏腹に驚くほどバイタリティと行動力にに溢れており、仕事もプライベートも全力で楽しむ人です。
私と趣味が同じなので、いつもそのつながりで海外旅行中に会う人なんですが、最近都内で食事に行く機会があり、彼女の仕事についていろいろ聞いてきたのでインタビュー記事にまとめてみました。
外資系金融企業でバリバリ部長として働く女性
英語ジョブ管理人エンドゥー(以下「エンドゥー」):まずは簡単な自己紹介をお願いします。
Yさん:私は外資系の金融関係会社の開発部門で部長をしています。最近までは副部長だったのですが、結婚と同時に昇進してしまいまして…。ただでさて忙しい時期に更に業務が増えててんてこ舞いです。
会社ではシステム開発を担当する部門なので、外注の開発会社や社内のエンジニアを取りまとめる業務を行っています。
エンドゥー:結婚と昇進が重なるなんてダブルでおめでたいですね!Yさんがそんなに頑張れるモチベーションはかどこから来るんですか?
Yさん:実は私、決して仕事に対する意識が高いわけではないんですよ…。ずっと母親と同じような専業主婦になりたいと思っていましたし、自分がやりたいことというのも特にないんです。だから、周りの人がベストな環境で仕事ができるようにサポートしてたらいつの間にかこうなってたっていう…。
エンドゥー:ええ…?!頑張ってもいないのにそのポジションなんですか?!私はこんなに頑張ってもあなたに叶わないので、それはかなりツラい言葉ですね(笑)。でも、仕事に対してそんなに意識が高くないなら、負担が大きかったり難しい仕事が嫌になったりはしませんか?
Yさん:うーん…そうですね、それはないです。与えられた業務は最善を尽くして頑張るのが自分のミッションだと思っているので、最後まで必ずやりとげようと頑張っています。あと、実は私短大出身なので、それに対する引け目があるのかもしれません。仕事であきらめたりして「やっぱり短大卒だから」と思われるのは嫌でしたし、短大卒でも大卒と同じようにできるんだということを証明したかったんだと思います。だから、若い時は本当にがむしゃらに頑張りましたよ。
エンドゥー:なるほど。やっぱり元々優秀なこともありますが人より頑張れるからこそ今のポジションなんですね。少し安心しました(笑)。外資系ですが残業は少ないですか?
残業は普通の日系企業と変わらない多さ
Yさん:それが、欧米の会社にしては信じられないほど残業が多いんですよ。外国人社員は自分の分の仕事が終わったらさっさと帰ってしまうので、結局私がその尻拭いをしたりします。社内には外国人のエンジニアが多いのですが、残業はしないので私にかかる負荷が大きいです。
エンドゥー:そうなんですか?それは意外…。でも、それで納期に遅れることはないんでしょうか?エンジニアの仕事なら他の人もそう簡単に肩代わりできるわけではないので、エンジニアが納期通りにやってくれないなら遅れますよね?
Yさん:はい、そこはエンジニアが定時で仕事をこなせるように私が必要なファイルの土台を作ったり下準備をすることで何とかしのいでいます。そうでなければ遅れるでしょうね。
エンドゥー:うーん、そこは日本の企業とそんなに変わらないんですね。そもそも最初のスケジュールの組み方が厳しすぎたということで、途中で無理なく終わるスケジュールに変更するといったことはないんでしょうか?
Yさん:それは日本人がやりたがらないですね(笑)。外資系だし外国人も多いんですが、やっぱり日本にある現地法人なので気質は日本人っぽいところがあります。日本人は一度与えられたスケジュールは何があっても守るものと考えているので、どんなに無理があっても日本人がカバーしてしまいます。それに、スケジュールに無理があるということも本社側にはいいにくいということもありますね。
エンドゥー:そうですよね。本社と日本側の部下との板挟みになるという話は外資系あるあるですね。
英語はそんなに使わない。海外より国内出張が多い
エンドゥー:外国人が多い職場ということでしたが英語は日常的に使うんでしょうか?
Yさん:それがそうでもないんです。外国人エンジニアとは英語を話すこともありますが、彼らは日本に住んでいてある程度日本語が分かるので、こちらが日本語で話してあちらが英語で答えるようなコミュニケーションを取ることが多いです。欧米本社との重要な会議はもちろん英語で行われますが、日本人はあまり発言しないです。私も概要が分かるくらいですね。私もある程度英語はできますが、エンドゥーさんほどではないので英語で難なく仕事ができるわけではないです。
エンドゥー:それも外資系あるあるですね。外資系だと英語がペラペラだと思われるけど、実際はそんなことないという人が大多数のような気がします。
Yさん:でも、何年日本に住んでいても絶対日本語を話そうとしないし理解もしない人もいるんですよ。そういう人には仕方ないので英語で話すようにしています。あと、なんというか口の悪い外国人がとても多いです(笑)
エンドゥー:あー、わかる。絶対現地の言葉(日本語)を話そうとしない人って一定数いますよね。私なんてどこに行っても真っ先に現地の言葉を覚えようとするので理解できない心境です。ちなみに、口が悪いというのは・・・?
Yさん:コンプラ的に微妙な辛口すぎるジョークを連発するんですよ。例えば、以前少し体が弱い男性に対してXXXXでXXXXXXみたい(自主規制)って言って爆笑していたり・・・。
エンドゥー:それはキツい・・・。それでも問題にならないんですね(笑)
Yさん:休憩時間とか移動の合間に言っていることですからね。そこまでの問題にはならないです。
エンドゥー:なるほど。ところで、海外出張は多いんですか?
Yさん:いえ、私の部門は日本にある開発会社やエンジニアと連携してシステムを作る場所なので、海外出張はあまりないです。その代わり、そのシステムのサポートもしているので、国内のコールセンターに講習を開催しに出張することはとても多いです。
エンドゥー:そうなんですね。そういえば最近も北陸に出張してその後そのまま休暇を取っていましたね。休暇は取りやすいんでしょうか?
休暇の取りやすさはさすが外資。風邪の時も有給の病欠
Yさん:そうですね。日本の会社のように「取らないとダメだよ」って言いながら消化率の低い感じとは違って本当に取るのが義務になっています。通常の有給に加えてリフレッシュ休暇というのが年に一定の日数設定されていて、消化は必須なんです。この間の休暇はそれを消化していました。
エンドゥー:そこはさすが外資ですよね。私は今はグローバル企業ではあっても日系なので休暇の取得に関しては全く管理されていないです。むしろまた休むの?と言ってくる人すらいるくらいですが、それでも臆することなく堂々と休んで外人キャラを確立しましたけどね(笑)。
Yさん:日本の企業ってそうですよね。うちは病気の時も有給の病欠なんですよ。風邪の時は病欠として休むことができるので、普通の有給休暇を消化する必要はないんです。
エンドゥー:さすが!それが本来あるべき姿ですよね〜。うちは風邪でも有給消化なので体が弱い人は年度末になると有給を使い切って無給休暇になったりします・・・。
Yさんの会社に転職するのはそんなに簡単ではない
エンドゥー:最後に、Yさんの会社の転職事情を聞かせてもらえますか?例えば今からYさんの会社で勤めようと思った場合転職は可能ですか?
Yさん:うーん、うちは別の外資から部門だけ合併されたという日本ではあまりない形態の組織で、部門としては現在採用していないんですよ。うちの会社の別部門に転職してきた人が私の部門に異動してくるといったことならあると思います。どちらにせよ、まだ合併して間もないので今は採用のスタイルが確立されていない感じですね。
エンドゥー:ありがとうございました!やはり外資らしい会社だけど残業については日本人の気質もあって遅くまで仕事をするのが基本だということのようですね。またお話聞かせてください!
■グローバル社員インタビュー記事
英語ジョブ管理人が国際的な仕事をする元同僚や友人に行ったインタビューの記事です。
- グローバル社員インタビュー①外資系金融会社女性部長Yさん
- グローバル社員インタビュー②大手エンタメ会社のスーパーお母さんKさん
- グローバル社員インタビュー③大手自動車メーカーOさん
- グローバル社員インタビュー④カナダ人プロマネ兼エンジニアVさん
- グローバル社員インタビュー⑤アイルランド人スーパーエディターTさん
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