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転職コラム

グローバル社員インタビュー④カナダ人プロマネ兼エンジニアVさん

投稿日:2018年12月17日 更新日:

本人の写真ではありません。

 

グローバルインタビュー第四弾、今回は初の外国人へのインタビューです。

相手は私の元部下のV君。カナダ人で、5年前に来日しました。私と仕事していた時点ではまだ来日2年だったのに当時から日本語がペラペラで、非常にコミュニケーション能力が高く仕事もできる優秀な人です。

彼に、日本で働いた感想を始め、日本に対して思うことや日本人が外国人と働く時意識してほしいことを聞いてみました。インタビューは日本語と英語のごちゃまぜで行いましたが、日本のみなさんに読みやすいよう普通の日本語で記載しています。

プロジェクトマネージャー兼エンジニア

英語ジョブ管理人エンドゥー(以下「エンドゥー」):まずは簡単に自己紹介をお願いします。

Vさん: はい、僕は元々前の会社でソフトウェアのローカライズプロデューサー兼エンジニアとして働いていて、製品のローカライズとプログラミングの知識があります。

エンドゥー:商品のローカライズとは、言語の翻訳だけでなく文化面でもターゲット市場に合わせて中身を作り替える必要があるのでただ翻訳するのとは全然違って難しい仕事ですが、そのプログラミングまでできるとはすごいですね。

Vさん: そうですね。ソフトウェアのローカライズプログラミングって言語ごとに画面の大きさを変えたり語順の違う言語でも自動で順番を出し分けて不自然にならないようにするためのプログラミングなんですが、そういうのにも対応できます。普通はプログラマーと翻訳者は別の人がやりますが、僕の場合一人でできることになりますね。

エンドゥー:うん、それは私もよく知っています!その能力が求められる職場なら本当に重宝されますよね。  

前職の日本拠点立ち上げ時に日本好きだったことで抜擢

エンドゥー:月並みな質問ですが、日本に来た経緯を教えてもらえますか?

Vさん: 僕は日本のアニメやゲームはそんなに好きではないけど元々日本は好きでした。前職の日本拠点立ち上げ時に、求められるポジションの知見があったのと日本のことも多少知っていたのでマネージャーとして抜擢されて来日しました。

エンドゥー:好きな国で働けることになってよかったですね。もちろんスキルあってのことですが。これも月並みですが、日本に来てショックだったことはありますか?

Vさん: 僕は比較的多文化が入り交じる環境で育ったのであまりカルチャーショックを受けることはないですが、日本人は台風の時でも500円くらいのビニール傘に必死にしがみついているのが笑えます(笑)。もうひっくり返ってるしあんな強風じゃ意味ないのに、お守りみたいな感覚なんでしょうか(笑)。あと、日本にはおもしろい食べ物がたくさんありますね。でも、僕は日本人がアレンジした西洋の料理はあんまり好きではないです。たらこスパゲティとか、何でそんなふうにアレンジするんだろうと思います(笑)

エンドゥー:なるほど(笑)。私はたらこスパは好きですが、欧米の果物の入ったお寿司が日本人に受け入れられないのと同じですね(※欧米にはイチゴ寿司のようなものがあるそうです)。

Vさん: あとは、納豆も嫌いです。

エンドゥー:やっぱり。私の周りの外国人は、どんなに日本が大好きでも納豆が食べられる人は一人もいないんですがそんなにハードルが高いんですかね。

Vさん: そうですね…。なんというか発酵食品だというのとあのネバネバがダメです。あとは、最初は海苔やワカメも苦手でした。あんな真っ黒なものよく食べるなと思って…。今は慣れたのでおにぎりとか大好きですけどね。

エンドゥー:確かに、色が黒いからって海藻類が苦手な外国人は多いですね。キャビアだって黒いのにね(笑)

Vさん:そう言われればそうですね(笑)  

日本のワークスタイルの違いについて

エンドゥー:日本は仕事のしかたもかなり違うのではないかと思いますが、どんな点が特に気になりますか?

Vさん:日本は全てが違いすぎるのでなかなかこれと言うのは難しいですよね。残業が多い、はっきり物を言わないというのはもちろんですが、僕が気になるのは日本人だけが評価されやすいことでしょうか。同じように働いていても、日本人の方が先に昇進していく印象があります。正直、日本は大好きですがそれだけは本当に悔しいですね。

エンドゥー:あー…それはよく分かります。日本って、人と同じように大学を出て人と同じように足並み揃えて行動できる人が重宝されるので、どこか一つだけ突出していたり彼ら日本人の「模範」から外れた人は評価されにくいんですよね…。経営者も頭ではそのことを分かっているんですが、日本にはジェネラリストが圧倒的に多いので、ジェネラリストでしかも彼らにとっても扱いやすい人を評価しがちになってしまうんですよね。

Vさん:本当にその通りだと思います。僕は自分の専門分野においては他の人より優れている自信もあるしアピールだってしているのに、いつまで経っても評価されない。日本人みたいに一つの会社に長くいるのがいいこととは思っていない僕のような外国人は、それではすぐに辞めてしまいます。

エンドゥー:ごもっとも。たとえ現場が評価してても会社が評価してくれないことには現場マネージャーにはそれ以上どうにもできませんからね。私もV君の上司だった時V君のことは評価していたのですがなかなか査定に反映させることができず悔しかったですし、そういうことが重なったので結局あの会社も辞めました。そんな会社だったからV君も私が辞めた後しばらくして辞めたんですよね(笑)。自分たちが扱いやすい人ばかり評価するようでは優秀なグローバル人材がどんどん流出するのに・・・。

Vさん:はい(笑)。あの会社にいても僕が活躍することはできないなと思って。日本では今でも転職は欧米ほど一般的ではなくて、まだまだ社員は君主と生涯を共にする「家来」みたいな人が多いですが、欧米人は「家来」というよりは「傭兵」なので、今の環境が悪いと思ったらすぐに場所を変えます。

エンドゥー:本来その方が人材市場が活性化していいと思うんですけどね。でも、特定の種類の人が評価されやすいというのはもしかすると日本にある外資系企業でも起こるかもしれませんよね。海外本社にとって働きやすい人が評価されやすいみたいな。

Vさん:日本ほどのレベルではないですが、なくはないかもしれませんね。あとは、あの会社だけじゃないですが日本人って資料がないと会議できない人が多いし、会議すること自体が目的になっていませんか?相談内容を口頭で説明しようとして会議設定すると、「え、資料もないのに会議するんですか?じゃあ資料が準備できたら再招集してください」みたいに言われることもあります。そして、会議すること自体が仕事みたいになって何も決まっていないのに進んだ気になる。よくわかりません(笑)。

エンドゥー:おっしゃる通りです(笑)それこを日本人特有のワークスタイルでありクセなんですが、日本人は自分たちは世界のスタンダードだと思っている人が多いですね。

Vさん:そうなんです!!日本にいると、外国人はクセがあって常識が通用しないみたいな言い方をされることが辛いです。日本人の「常識」は外国人にとっては必ずしも常識ではないのに、僕たちの方が非常識みたいに言われる。もちろん日本にいる以上日本人に合わせる努力はしていますが、どうしても限界があって難しいだけなのに・・・。あと、世界には何百ヶ国もあるのに、日本以外の国は全部「外国人」として一緒にされるんです。僕はカナダ人であって、イギリス人とかイタリア人とは全然違うのに・・・。

エンドゥー:まあそうですよね・・・。あまり多様性がないですからね。欧米は欧米で自分たちがスタンダードだと思っている節があるので同じことではあるんですが、それにしても日本は不寛容なところがあるかもしれません。この手の話はいくらしてもネタが尽きませんね(笑)。

日本人には、世界の多様性を知った上で違いを認めてほしい

エンドゥー:これからグローバルに活躍したいと思っている日本人に何かメッセージはありますか?

さん:そうですね、まずは世界は広くて自分達とは全然考え方もやり方も違う人がたくさんいることを知ってほしいです。こうやって話すと「そんなこと知ってる!」って言われるんですが、それなら外国人が違うのは当たり前なんだから「だから外国人は・・・」みたいに言われることはないと思うんです。僕も日本に合わせることは最大限努力していますが、多様性を受け入れてもらえたらもっと住みやすい国になるんじゃないかと思います。

エンドゥー:今ようやく外国人が増え始めたところなのでまだまだこれからかもしれませんが、少しずつでもいい方向に変化していくといいですよね。今日はどうもありがとうございました!

■グローバル社員インタビュー記事

英語ジョブ管理人が国際的な仕事をする元同僚や友人に行ったインタビューの記事です。

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なお、上の写真は海外出張中に現地の提携会社の仲間達と撮影した写真です。赤い服が私です。