当サイト管理人は実は元々某大手ゲーム会社でゲームのローカライズをしていたため、ゲームとは深い関わりのある人生を歩んでいます。今でも洋ゲーを英語でプレイすることが多いので、英語のゲーム(主にRPG)でよく使われる表現をまとめてみました。
ここでは、一般名詞(人の名前のような固有名詞でないもの)は全て頭文字を小文字で記載しています(説明の中で文頭に来る場合は大文字にしています)。
英語のゲーム内で使われる言葉
stats(能力値)
Statsというのは元々 statistics (統計)の略だと思いますが、ゲームではキャラクターの能力値という意味で使われています。 “Character stats” のような使い方をし、メニュー画面でも stats と書くが多いので覚えておきましょう。
health(HP)
海外のゲームではHPのことは health のようにHPとは別の言い方をすることが多いです。HPというのは恐らく和製英語ではないかと思います。海外のゲームでも日本に影響されているものはHPと言うかもしれませんが、それ以外でHPということはないと思います。
Elder Scrolls、Ghost of Tsushima、Witcher、Kingdom Come: Deliveranceのような有名なゲームもみんなHPのことは英語では “Health” と言います。
codex(データベース)
キャラクターやストーリーに関するデータベースのことです。歴史に関するゲームや、シリーズでたくさんゲームが出ている場合などに過去の背景説明、世界観、歴史、登場人物などについて説明していることが多いです。Asassins CreedシリーズやKingdom Come: Deliveranceで出てきますね。
journal(クエストログ)
Journalは日記、日誌という意味ですが、ゲームで使うとクエストログのことを意味します。単純に Quests とメニュー項目に表記しているゲームも多いですが、Journal と書いてある場合はクエストログのことを指していると思っていいでしょう。
siege(砲火)
砲火すること。城に向かって大砲を打つ場合などに使います。最近だと「レインボーシックスシージ」というゲームがありますが、この「シージ」も siege のことですね。個人的には「シージ」よりも「シージュ」と書いた方がしっくり来ますが、カタカナは英語の発音を100%再現することができず正解はないので、どちらでもいいと思います。
unlock(解放)
レベルが上がったりスキルポイントがたまることで新しいアイテムやスキルを解放して使える状態にすること。最近は日本語でもカタカナでそのまま「アンロック」と言うことが増えましたね。
claim(取りに行く、獲得する)
Claimという言葉は日本語ではもっぱら顧客による「クレーム」という意味で使われますが、英語のゲームで出てくる claim は全く違う意味です。Claimには元々主張、要求、獲得という意味がありますが、苦情という意味はありません。では何故日本語ではクレームが苦情という意味で使われるかというと、顧客の主張の中には苦情が多いから主張→苦情という意味に変わったのではないかと思います(私の推測ですが)。
さて、ではこれがゲームで使われるとどういう意味になるかというと、アイテムや報酬などを「取りに行く」、「獲得する」という意味になります。獲得するといっても、自分が権利を有するものを人から受け取る意味合いが強いので、単純に宝箱から何かを手に入れた時は “obtain” など別の単語になります。
unleash(発動)
技など発動すること。Unleash a skill のように使います。
detonate(爆発させる)
爆発すること、またはさせること。Explode が爆発そのもののことであるのに対して、ゲームでdetonate という場合爆発させるという他動詞で使うことが多い気がします。アクセントは “de” に付きます。他の母音を強く発音しないよう注意しましょう。
level(レベル、平面)
英語のゲームで level と言った場合いくつか意味があります。1つは皆さんもよく知っているキャラクターやアイテムのレベル。もう1つは、マップの平面のことを指します。Hack & slash(詳しくは次項)やオープンワールド系ではマップの地形のことを level と言ったりします。
inventory(アイテム)
持ち物のこと。日本語でいう「アイテム」リストです。最近では海外のゲームの日本語版でもそのままカタカナで「インベントリ」ということが増えましたね。
invincible(無敵)
ゲーム中で無敵状態を表すのに使われる言葉。Invincible とは、英語でそのまま「無敵の」という意味です。日本のゲームでもたまーにカタカナでインビンシブルという言葉(というか船の名前(笑))が出てきて、これを「インビジブル(invisible)」と間違える人がいますが、インビンシブル (invincible=無敵) とインビジブル (invisible=見えない) は全く違う単語なのでご注意ください。
カタカナだとぱっと見同じに見えて混乱しますが、並べてみると違いが分かります。
- インビンシブル (invincible=無敵)
- インビジブル (invisible=見えない)
文字数が違うのと、点々の位置が違いますね。
てか船のインビンシブルって普通に見えてるからインビジブル(見えない)だとおかしいしね・・・(笑)。
perk(特典、パーク)
キャラクターなどに付加する特殊スキルのこと。直訳するなら「特技」とか「特典」でしょうか。スキルと似ていますが技などというよりはもう少しキャラクターの本質的な能力に使うことが多いような気がします。最近は日本語でもカタカナで「パーク」というゲームがありますね(ドラゴンエイジ:インクイジションとか。早く4出ないかな・・・)。
wraith(レイス、幽鬼)
幽鬼を意味するレイスのことです。日本語のゲームでも昔から敵などでよく出てきますが、カタカナで「レイス」と言われても一体どんなつづりなのか分かりませんよね(発音も、カタカナだとLで始まるのかRで始まるのか分かりませんし)。
私も以前から race とも lace とも違うしどう綴るのかずっと疑問に思っていましたが、最近 Shadow of War を英語でプレイして謎が解けました。英語では wraith と書くので知っておくと洋ゲーをやる時に便利です。
海外のゲーマーがよく使うゲーム用語
hack & slash(ハックアンドスラッシュ)
いわゆる爽快アクションというか、バサバサ斬りまくる系ゲームのことです。私は海外で使われる英語しか知りませんでしたが、最近は日本でもカタカナでそのまま「ハックアンドスラッシュ」とか「ハクスラ」と言うらしいですね。Hack = 切り刻む、slash = 斬りつけるという英語を組み合わせ、斬って斬って斬りまくるという意味合いの言葉になったんだと思います。
walkthrough(攻略方法)
攻略方法のこと。海外ゲームをやっていて攻略法を英語で検索したい時は、ゲーム名+walkthroughで検索すると見つかりやすいです。
英語で walk someone through (someone に何かを一通り説明する)という言葉があり、一つ一つステップごとに説明することを意味するので、ゲームでもクエストなどを一つ一つ説明するという意味で walkthrough という言葉が使われるようになったものと思われます。
playthrough(通しプレイ)
よく walkthrough と勘違いされますが、 walkthrough は攻略方法であるのに対して、 playthrough は単純にゲームプレイのことを指すことが多いです。日本語だと通しプレイとか周回プレイといった訳になるでしょうか。ただ、ゲームの一部というよりは、ゲーム全体やクエスト全体のプレイを指すことが多いです。
I’m on my second playthrough(今2周目やってる)みたいな使い方をします。
max out(最強化)
最強にすることです。日本風に言えばレベル99、全アビリティマスターのような状態にすることを max out と言います。動詞です。すでに最強にした状態なら maxed out になります。
respawn(リスポーン)
消えたり亡くなったりしたアイテムやキャラクターが時間が経つと復活することで、カタカナだと「リスポーン」になります。
日本では、アイテムが復活する場合だけでなく時間経過で消滅することもリスポーンと言うようですが、英語では「リスポーン」は復活する時だけに使い、消滅する時には使いません。Spawn という元の英語が「生まれる、生じる」という意味であり、消滅するという意味はないことを考えれば納得ですね。
英語のオンライン辞書にも載っていました。
(of a character in a video game) reappear after having been killed.
‘if someone dies—and they probably will—they simply respawn’
‘once an operative is downed, he’ll respawn as a Hunter’
with object ‘If an enemy defender gets destroyed, he will be respawned after 20 seconds’
一番最初の行に、「(ゲームのキャラについて)、亡くなった後に再登場する」と書かれています。消滅という意味は英語にはないので記載されていません。
cutscene(イベントシーン)
キャラクターがセリフをしゃべったりするイベントシーンのこと。プリレンダー(事前にレンダリングされていてそれを再生するだけの動画)の場合もあればリアルタイムレンダリング(その場でプログラムによってレンダリングして生成する映像)のこともありますが、よく考えたら洋ゲーってイベントもほとんどリアルタイムですよね。プリレンダームービーって日本の(元を正せばエニックスと合併する前のスクウェアの)お家芸のような気がします。
final boss(ラスボス)
ラスボスのこと。日本語だと「ファイナルボス」ではなく「ラスト(last)ボス」の略の「ラスボス」ですが、英語で last boss と言うと前回の(直近の)ボスのように聞こえるのでラスボスのことは final boss と言います。
spoiler(ネタバレ)
ゲームに限ったことではないですが、映画やゲーム全般でネタバレのことを spoiler と言います。
英語でゲームの情報を検索している時、”spoiler alert” とか “SPOILER!” という見出しが付いている記事はネタバレを含むので注意しましょう。Spoilは元々「ダメにする」とか「甘やかす」という意味なので、「(楽しみを)ダメにするもの」ということでネタバレを意味するようになったんですね。
port(移植版)
他のプラットフォームから移植されたゲームのこと。リメイクではなく、ほぼそのまま完全に移植されたゲームのことを指します。名詞にも動詞にもなります。
collision detect(アタり判定)
アタり判定のこと。グラフィックのポリゴンは、そのままではただの絵ですり抜けてしまうので、そこに見えない壁を設定してキャラクターが壁などを通り抜けてしまわないようにします。
これを日本語だと「アタり」と言い、 英語だと collision と言いますが、これの設定ミスで崖の裏側にすり抜けてしまって戻れなくなる「アタり抜け」というバグに何度遭遇したことか・・・。ちなみに、アタり抜けはどんなに小さな穴からでも起こるので、設定する開発の人とテスターは本当に大変だと思います。
見えない壁があって行けない場所があるゲームが多いのは、アタりの設定とQA(デバッグ)が大変だからです。
ゲーム用語というよりはゲーム業界用語かな?(笑)
***
いかがでしょうか?最近の洋ゲーは日本で発売しているものでも言語を自由に切り替えることができるので、英語にしてやってみると楽しいですよ。UIも含め全て英語にして英語圏の人と同じようにゲームするのがおすすめですが、それだとハードルが高い場合はキャラクターの音声だけを英語にして英語か日本語の字幕を付けるのもおすすめです。ゲームで楽しみながら英語を覚えましょう!
***
英語ゲームプレイ日記一覧
キングダムカム・デリバランス英語版プレイ日記
大手ゲーム会社でゲームのローカライズをやっていた運営者が、プロの目線で英語版ゲームをプレイしてボキャブラリーやローカライズの解説をします。
- キングダムカム:デリバランスその5:Neuhof襲撃〜手がかりを求めてUzhitzへ
- キングダムカム:デリバランスその4:Rattay見回り〜Hansと狩りデート
- キングダムカム:デリバランスその3:目覚め〜Rattayへ
- キングダムカム:デリバランスその2:Talmberg到着〜Skalitz帰還
- キングダムカム:デリバランスその1:オープニング〜Skalitz出発
英語のゲーム用語解説
■独学でTOEIC970点を取った管理人おすすめの英語勉強法