コロナ禍になってから外に出れないので、英語でやったゲームのプレイ日記を書くことにしました。
実は私は元々某大手ゲーム会社で長いことゲームのローカライズをやっていたので、その目線でゲームの英語やローカライズについてボキャブラリー解説付きで日記にしていこうと思います。
最初にやるゲームは、チェコのWarhorse StudiosによるKingdom Come: Deliverance(キングダムカム・デリバランス)です!第一日目の今日は、オープニングから故郷のSkalitzを出るところまでです。
なお、重大なネタバレは書きませんが(ネタバレ感想は一番下に文字の色を白にして書いています)このゲームは序盤から急展開なので、その辺のことは普通に日記にしています。また、英語のストーリーを日本語で解説しているので、どうしてもある程度のネタバレは避けられません。気になる方は閲覧にご注意ください。
KCD (Kingdom Come: Deliverance)は実は今2週目なのですが(1週目はスクショを撮っていなかったので)、1週目の体で感想を書いていきたいと思います。
黒字はストーリー解説、青字は英語解説です。
ではどうぞ〜!
1日目:オープニング〜Skalitz出発まで
時は15世紀のボヘミア。Charles IVが倒れたことにより無秩序になった乱世が物語の舞台です。今はWenceslasが王ですが、腹違いの兄弟であるハンガリーのSigismudが秩序を正すためという名目で過激な手段に出ることになります。
↑物語の背景説明。”Fall into disarray” は無秩序に陥るという意味です。主人公もその無秩序な乱世で冒険に出かけるわけですね・・・。
物語の背景が説明された後は活気のある街並みとお城が映り、タイトル画面が!さあ、物語の始まりです!!
音楽も華やかで、演出も作り込まれていそう。
正直、事前に画面キャプチャを見た時はあんまりキャラクターの感情表現や演出はなくて、MMORPGやElder Scrollsのように淡々と進んで行く系のゲームだと思っていたので、この時点でいい意味で予想が裏切られる予感で心がざわつきます。
そして、最初に主人公Henryの両親と思われる人が出てきます。本当ならもうとっくに起きて手伝いをしているはずの息子がまだ全然起きないとご立腹。
“Where on earth is Henry? I need him to run some errands.”(一体ヘンリーはどこにいるんだ?使い走りをさせないといけないのに)
【英語解説】”Where on earth” というのは「一体」、errandsというのは「用事」とか「使い走り」という意味です。
“The blue-blooded idler.”(怠け者のボンボンが)
お母さんによると、ヘンリー君はどうやら昨日は一晩中飲んでいたんだそうです。
当のヘンリー君はというと、恐らく朝10時ごろと思われる現時点でまだベッドでゴロゴロ↓
“Get up or I’ll come and get you up, you slugabed!”(起きなさい、そうじゃないと起こしに行くわよこの寝坊助)
この後一体何時まで寝てるの?何その怪我また剣の稽古したの?一体昨日は何やってたの?とお母さんにこってり怒られます。お母さんとはいつの世もどこの国でも同じなのですね。
【英語解説】上の画像のSlugabedというのは古い言葉で「寝坊助」という意味です。
ゲームは、お母さんに昨日何をやっていたのか言い訳をするところで、初めて操作可能になります。
最初の speech check(会話スキルチェック)。この日記は言語目線なのでシステムについては割愛します。
お母さんとの話の途中でHenry君の彼女Biancaの話が出てきますが、Henryのお父さんはBiancaが酒場で働いていていつかビールの作り方の秘密を聞き出せると思っているから気に入ってるらしいですね(笑)。
お母さんと話した後は、ヘンリーに頼みたいことがあるというお父さんのところへ行きます。
“I’m running out of charcoal. Run to the market and buy a bag from the charcoal burner.”(木炭が切れそうなんだ。市場に行って木炭燃やしのところで一袋買ってきてくれ)
どうやら鍛冶屋のお父さんが鍛冶場で使う木炭が切れそうなんですね。
【英語解説】Charcoal burnerというのは木を燃やして木炭を作る仕事をしている人のことのようです。このゲームで初めて聞きましたが、昔はそういう専門の職業の人が木炭を作っていたのですね。このゲームでは常に出てくる言葉です。”Run out of” は「〜が切れる」という意味です。
買い物に行くにはお金がいりますが、前にハンマーや釘を売ったKuneshという飲んだくれ(drunkard)からまだその代金を受け取っていないので、取り立ててそのお金で木炭を買ってきてくれということだそうです。
更に、町の領主であるSir Radzigのために作っている剣の部品(cross-guard)を城の執事(Chamberlain)からもらってきてほしいとのことなので、まとめて済ませてしまいましょう。
いざ、初めてのお使いに出発!
まずはお金を取り立てないといけませんが、Kuneshは購入代金を踏み倒そうとするような悪い飲んだくれなので一筋縄では行きません。ヘンリーが行くといきなり追い払おうとしますが、金を払えと食い下がると下の speech check が出てきます。
“I’d like to see him try! Fuck off, you bastard, or your old man will be pulling those nails out of you!”(やれるものならやってみろ!失せろこのクソったれ!でないとその釘はてめぇのジジィがてめぇの体から抜くことになるぞ)
上のはKuneshのセリフですが、これの前にヘンリーが “Father says if you don’t pay up, he’ll come here himself and hammer those nails into your hairy arse!” (父さんが、払わないと自分でここに来て(お前が買った)その釘をお前の毛深いケツにハンマーで打ち込むって言ってたぞ!)となかなか挑発的なことを言っているので、Kuneshから上のように言い返されてしまっているのです(笑)。
ヘンリーのお父さんがKuneshに釘を打つ前に、Kuneshがヘンリーに打つから後でお父さんが抜かないといけなくなるということですね。野蛮です(笑)。
これに対して、”You can expect a visit from Father”(父さんが来るのを待っとけよ)、”Debt must be paid!”(借金は返さないとダメだろ!)、 “Pay, you drunkard”(払えこの飲んだくれ)の3択が出ますが、話術と脅しのアイコンが出ている下2つはまだヘンリーが弱すぎてどっちも失敗するので(ボコられました)一旦引き下がります・・・。
一筋縄では行かない方は置いておいて、すぐにもらえそうなcross-guardからやることにしました。というわけで執事がいるSkalitzのお城に向かいます。
お城の入り口にいる兵士に話かけ、さっそくcross-guardくださいなとお願いします。
“Father sent me. We’re forging a sword for Sir Radzig and the Chamberlain has the cross-guard and pommel. Father had them engraved in Sasau.”(父さんに言われて来たよ。今Sir Radzigに剣を作ってるんだけど、執事が cross-guard と剣の柄を持ってるんだ。父さんがSasau(地名)で彫ってもらったやつだよ)
【英語解説】Engraveは刻む、彫刻するという意味で、ゲームでは武器の強化などでよく使われる言葉です。Sasauは実在の地名です。チェコ語ではSasavaというそうで、Sasauはドイツ語読みですね。Sasauに限らず、このゲームの地名はほぼ全て実在です。マップも現実そのままです。英語解説とはズレましたが(笑)。
兵士は2人とも顔見知りなので雑談の後すぐに執事から預かったというcross-guardと柄を渡してくれます。すんなり行って一安心。
では次の用事を済ませましょう。
Tavern(酒場)に行くと、何やら言い争っている声が聞こえます。
“The Empire is falling asunder in his hands! The German Counts elected Ruprecht of the Palatinate as King, because your Wenceslas would not go to their Diets even!”(帝国は奴の手の中でバラバラになってるんだぞ!お前らのWenceslasが議会にも行こうとしないからドイツの伯爵はプファルツのRubrechtを王に選出したんだ!)
なんでも、Deutsch(ドイツ人)と呼ばれる上の画像のおじさんが今のボヘミアの王であるWenceslasについて物申しているようです。議会にすら行かないケシカラン王だということのようですが、 “Diets”(議会)とか思いっきりドイツ語訛りになっとる(笑)。
【ドイツ語解説】この “deutsch”(頭文字は小文字)はドイツ語で「ドイツの」という意味ですが、ここでは「ドイツ人」という意味で使われています。ドイツ人という単語は正しいドイツ語ではDeutschではなくDeutscher(男性の場合。女性はDeutsche)と言います。恐らく、ここにいるのはDeutsch以外全員チェコ人なので、間違ったドイツ語を使ってドイツ人のことを呼んでいるという設定だと思われます(笑)。それか単に翻訳した人が正しいドイツ語を知らなかったか。ちなみに、チェコはドイツの隣にあってドイツの影響をかなり大きく受けているらしく、ゲーム中でもドイツ語の地名や人がものすごくたくさん出てきます。ドイツ人の役には本物のドイツ人の声優を使っていてたまにドイツ語を話すこともあります。ドイツ語も話す私にとってはその点もかなり面白かったり。ちなみに、上のセリフのPalatinateというのはドイツのPfalz(プファルツ)という地名の英語つづりのようです。Pfalzは英語でもPfalzだと思っていたのでPalatinateということは今回初めて知りました。
一通りDeutschの話を聞いたあと、Henryの悪仲間のMatthewとFritzが現れ、自分たちの王を侮辱したDeutschをとっちめてやろうということを話し始めます。
“Deutsch was talking such shit, it made me think of that huge pile of manure…”(Deutschのあんなクソみたいな話聞かされたら山積みのバフン(肥料)のこと思い出しちゃうよ)
いやMatthew君、クソみたいな話聞かされたからってバフンのことなんて思いつかないからw
そして、何とDeutsch(本名はHansというらしい)の家の壁にバフン(manure)を投げつけてやろうぜというのです(笑)。
Henry君はお父さんのお使いがあるので断ろうとしますが、前世(1週目)でKuneshにボコボコにされた恩があるので、Kuneshに仕返しするのを手伝ってくれることを条件に受け入れます(断ることもできます)。
“Kunesh owes money to Father and doesn’t want to pay. I tried talking to him but he wouldn’t listen. I need more than words to get coin out of him and I can’t handle it on my own.”(Kuneshが父さんに借金があるのに払おうとしないんだ。奴に話そうとしたけど全然聞かないんだよ。あいつから金を出させるには言葉だけじゃ足りないけど一人じゃできないんだ)
MatthewとFritzが楽しそうな香りのする悪巧みを断るわけはないので、二つ返事で同意してくれます。ついでにもう1人のMatthiasも。
さあ今日はお祭りだ〜!まずはバフン投げ、その後は飲んだくれとのケンカ!
それ〜!塗り替えたばっかり (freshly whitewashed) の白い壁に大量のバフンを投げちゃえー!(素手で)
“What are you waiting for, soldier? Fire that trebuchet! For King and country!”(何してる?投石器を発射だー!我らの王と国のために!!)
素手で馬のウンコを投げつけるまあまあいい歳の男達。
【英語解説】”What are you waiting for?” は直訳すると「何を待っているんだ?」ですが、躊躇している相手やなかなか行動に移さない相手などに対して「何やってるんだ?」という時に使います。Trebuchet は「投石器」という意味です。フランス語だと思いますが、英語でも一般的に使われているようです。ゲーム後半でも出てくるので覚えておきましょう。「トリビュシェイ」のような発音です。
この後ウンコ投げすぎてDeutschに見つかるので、適当に戦って逃げましょう。
↓ウェーイ、逃げろ〜!と一目散に逃げる男達。小学生かwww
【英語解説】画面に出ている catchpole というのは元々中世の税金の取り立てのことですが、転じて法律を取り締まる人という意味になったようです。ここではウンコ投げてる男達を取り締まるために来た人たちのことですね。
さあ、逃げたら次はそのままKuneshのところでケンカタイムですよ!
仲間と一緒にKuneshをボコボコにしましょう!ヘンリー1人では倒せませんが、仲間がいればすぐです。
Kuneshは勝つといさぎよく諦めてくれます。家の鍵をくれるので、家探しして売れそうなものを全部もらっていきましょう。
“Enough, enough! I give up… Take what you want. It’s not much, but it’s all I have, you understand?”(分かった、分かった!降参するよ・・・欲しいものを持ってけよ。たくさんはないけど、これが全部なんだ。いいな?)
【英語解説】Enoughは直訳「もうたくさんだ」、「もう十分だ」という意味です。ここでは “enough, enough” と2回繰り返していますが、日本語で「十分だ」とか「たくさんだ」を2回繰り返したら変なので上では「分かった」と訳しました。
なんかちょっとだけ温○洋一さんに似てる・・・😂
Kuneshから手に入れたものを売って、代わりにcharcoalを1袋分買います。
他には最近町に来たという剣術の先生に少しだけ稽古を付けてもらうことができるので、稽古してもらいましょう。その後もう一度 tavern に行ってBiancaにお父さんに頼まれたビールをもらって家に帰ります。
家に帰るとお父さんが待っているので、手に入れたものを渡してSir Radzigのための剣を一緒に完成させます。
Charcoalを燃やして炉に火をつけ・・・。
お父さんが作ってあった刃の部分にもらってきたcross-guardとpommelを取り付けたら完成!
“Now file it down so it sits well in the hand. I’ll prepare the guard.”(ちょうど手に収まるくらいに削るんだ。俺はガードを用意する)
【英語解説】上のセリフの直前に、剣の持ち手を剣にはめるための穴を開けていたので、今度はその持ち手を削るようヘンリーに指示しています。ここで言う file は、削る、やすりをかけるという意味です。File down は(ちょうどいいサイズまで)削って小さくするという意味ですね。お父さんが用意すると言っているガードは cross-guard のことです。持つところと刃の間にある横向きの部品のことですね。手をガードする十字型の部品なのでこの名前だと思われます。
世間話をしながら作業を進める2人。
そしていよいよ完成!
“It’s magnificent!”(なんてきれいなんだ!)
【英語解説】Magnificentというのは壮大なとか優秀なという意味ですが、この剣のように何かが荘厳で美しい時にも使います。言葉の強さの順番としては、beautiful < excellent < magnificent のような感じでしょうか。Magnificentは美しさや高貴さを表す言葉の最上級だと思います。「壮大だ!」とか「素晴らしい!」と訳すと何か不自然なので、上では「なんてきれいなんだ!」と訳しています。お父さんが写っていますがヘンリーのセリフです。
すると、お父さんに釘を頼んでいたというTheressaが登場。
“The Lord be with you. My father sent me for those nails.”(こんにちは。お父さんに言われて釘を取りに来たの)
【英語解説】”The Lord be with you” というのは挨拶ですね。直訳すると「主が共にありますように」という意味ですが、ゲーム内では人に会った時にも別れる時にも使われます。他にも “Jesus Christ be praised”、”God be with you”、”may the Lord watch over you” など同様の表現がゲーム中ではたくさん登場します。さっきケンカしてボコボコにした相手(Kuneshとか)も別れ際に言ってくるのでみんな礼儀正しいなあと思います。特に、”Jesus Christ be praised” はスカイリムの「膝に矢を受けてな」のようにインターネットmeme化していて、海外ファンがことあるごとに使っています(笑)。ゲームの舞台になった実際のチェコの街のホテルに泊まった人やその従業員もレビューやその返信でこのセリフを書いていたりします(笑)。ただ、こういう宗教っぽい挨拶は英語圏では現代はあまり使わないと思います(ドイツだと南部で使いますが)。このゲームが好きな人とネタ的に使うのはいいですが、普通の会話で使うのはやめた方がいいかもしれません。少なくともキリスト教信者じゃない日本人が言うとちょっと違和感があるんじゃないかと思います。
さて、釘をTheressaに渡して完成した剣で試し切りをしていると、依頼主本人が登場!
“I would expect nothing less from such a renowned swordsmith.”(名高い刀鍛冶としては当然の出来だな)
左の後ろ姿の人がお父さんに剣を作らせたSir Radzig本人です。
【英語解説】上のセリフは、直前にお父さんが言っていた “We did a fine job”(いい仕事をしたな)というお父さんのセリフに対するSir Radzigのセリフで、”I would expect nothing less” というのは直訳すると「私はそれ以下のものは何も期待しない」という意味になりますが、それだと日本語として意味が分からないので、「期待通り」といった翻訳にするのが適切だと思います。その後に続く “from such a renowned swordsmith” にくっつけると、「高名な刀鍛冶としては当然の出来だ」あたりが自然な翻訳ということになると思います。
Radzigは自分が試し切りをした後ヘンリーにも試させてくれますが、まだまだ少年(?)のヘンリーはへっぴり越しのダメっぷりw
そして、なぜかRadzigと一緒にいたおっさんに父親からよく学べよと言われてしまうのでした・・・。
“Learn from your father. He truly is a master of his craft.”(父親から学べよ。彼は本当にその道の達人だ)
このおっさん、お父さんのことを知っているんでしょうか。そしてこの後 “I’m sure our paths will cross again”(必ずまた会うだろう)とも・・・。
【英語解説】”Our paths will cross again” というのは「また会うだろう」という意味です。直訳すると「我々の道はまた交わるだろう」という意味ですが、ゲームに限らずいろんな時に使える表現なので是非覚えておきましょう。
それにしても、ヘンリーのお父さん只者じゃなさそうですね・・・。
Radzigとおっさんが帰った後、今2人が言っていたことを話すお父さんとヘンリーですが、その時何やら大慌ての様子で1人の騎士が馬を走らせてきます。
一体なにごと・・・?
しかし、馬が来た方向を見ると、町のすぐ向こうにはすでに火の手が上がっていて、大軍の影が見えます。
襲撃です!
↓法螺貝を鳴らす謎の軍の兵士・・・。
↓そして、信じられないほどの大軍が押し寄せてきます。こんな大軍が来たらSkalitzみたいな小さな町はひとたまりもない・・・!
でも、そんな時でもお父さんは冷静にヘンリーに指示を出します。
Take the sword, go into the house and grab anything else important from the trunk. Go to the castle. Hurry!”(剣を持って家に行け。トランクから他に大事な物は全部持って城に行くんだ。急げ!)
そして、Sir Radzigのための剣をヘンリーに渡し、自分はもう一本の剣を持って村にいるお母さんを助けに行くと言います・・・。
お父さん、只者じゃなさそうだけどそれでも剣1本だけで大丈夫・・・?
“Your mother is in the village. I’ll fetch her and we’ll follow right behind.”(母さんがまだ村にいる。母さんを連れてすぐ行く)
↓しかし、無情にもどんどん町に攻め込む謎の大軍・・・。
ヘンリーは急いで家からお金の入った袋を取って外に出ると、お城の入り口では先ほどcross-guardをくれた兵士たちが門を閉じようとしています。
“Oh, Henry! Thank God! Get inside quick, we have to shut the gates.”(ああヘンリー、良かった!早く中に入れ。門を閉じるぞ!)
【英語解説】”Thank God” というのは安堵を示す時によく使う表現です。これも “God” が入っていて宗教っぽい表現ですが、現代でも普通に使います。ネイティブも私もみんなよく使うので安心して使いましょう。
ですが、両親のことが気になるヘンリーは城へは入らず何と町に戻ってしまいます。そして、ギリギリのところでお母さんを助けたお父さんを発見!
しかし・・・。
鬼神のごとく敵兵と戦うお父さんを、馬に乗った位の高そうな騎兵が攻撃し・・・。
“Martin! Oh no… Oh God!”(Martin! ああ、そんな・・・神よ!)
父Martinは、母とヘンリーの目の前で倒れてしまうのです・・・。
そして、お母さんまでも・・・。
自分の目の前で両親が倒れても、立ち尽くしてしまい何もできないヘンリー。
“Hal! Don’t be a fool! Run to us!”(ハル(ヘンリーの愛称)!バカなことしないで来い!)
後ろでは、門を閉じようとしている兵士の 声が聞こえます。いや、ヘンリーには聞こえていないのかもしれません。
そして、やっと我に返って城へと走るヘンリー。
しかし、門はすでに閉まるところ。
“Find a horse, ride to Talmberg! Tell them what’s coming! Warn them!” (馬を見つけてTalmbergに行け!彼らに危険が迫っていることを伝えろ!警告するんだ!)
兵士に言われた通り、町の外で馬を見つけて飛び乗るヘンリー。
必死にTalmbergに向かって馬を走らせていると、押し寄せてきた大軍の兵士が意味のわからない言葉で何か言っているのが聞こえます。
“@*#$&©!”(@$%&ふじこ!)
一体これは何語なのでしょうか・・・。チェコ語なら英語字幕になるはずなのでチェコ語ではありませんし、私にもさっぱりわかりません。
謎の外国人軍団はすぐ目の前まで迫っています。ヘンリーは太腿に敵の矢を受けながらも馬を走らせ(膝ではありませんw)、Talmbergに向かって駆け抜けるのでした。
ヘンリーは無事Talmbergに着くのか?敵に攻撃されて倒れたお父さんとお母さんはどうなったのか・・・。
続きはまた次回!
Kingdom Come Deliverance Royal Edition (輸入版:北米) – PS4 新品価格 |
私がやっているのはキンダムカム・デリバランスロイヤルエディション(Kingdom Come: Deliverance Royal Edition)の英語版です。北米版なら日本版より安いし英語でできるのでいいですよ!ロイヤルエディションには全てのDLCが入っているので通常盤より絶対におすすめです。
今日のボキャブラリー
今日のプレイで出てきたボキャブラリーの振り返りです。ここでは、日記の中で書いたもの以外にゲーム中で繰り返し出てくる言葉や背景説明が必要だと思われるものをピックアップしています。その他の辞書で調べれば簡単に出てくる一般の単語は取り上げていませんので各自調べてみてください。
- kingdom come:この世の終わり、天国、来世。物語のしょっぱなから過酷な運命に振り回されるHenry君や15世紀ボヘミアの運命のことを表しているのでしょうか。
- deliverance:救出、開放。このゲームは乱世に陥ったボヘミアを開放していく話、ということですね。
- Skalitz:チェコに実在する街の名前。Skalitzというのはドイツ語つづりで、チェコ語ではStříbrná Skaliceとつづるらしいです「銀のスカリッツ」という意味だそうで、ドイツ語でも正しくはSilberskalitzというつづりで同じく「銀のSkalitz」という意味になります。ゲーム内でもSkalitzには銀鉱山がありますし、実際銀の発掘が盛んに行われていた場所だそうです。
- tavern:酒場。このゲームでは散々出てくるので覚えておきましょう。ゲーム中ではAlehouseとも言いますが、古い表現なので現代社会では使わないのが吉。
- charcoal burner:Charcoalというのは炭、burnerは燃やす人のことです。Charcoal burnerは木を燃やして木炭を作る職業で、鍛治技術が発達した当時高い温度を出すためには普通の木ではなく木炭が必須だったので charcoal burnersはとても大事な仕事だったそうです。ゲーム内のcodexにも書いてあります。
- pommel:剣の柄。英語で中世RPGをやるならよく出てくるので覚えておいた方がいいです。
- cross-guard:剣の持つところにある上の金属の部分。相手の剣を受ける(guard)ことができる十字(cross)型の部品なのでこの名前だと思われます。ゲーム中では今回くらいしか出ない言葉ですが中世の世界観が好きな人は覚えておいてもいいと思います。
- arse:ケツ、尻。Assと同じ意味ですが、このゲームでは arse が多用されます。Arseはイギリス英語ですが、このゲームはイギリス英語を使っているからだと思います。
今日はまだ1日目なので取り立てて書くことはありませんが、イギリス人ネイティブが翻訳しているちゃんとした英語ですし、恐らくファイルの管理やローカライズの工程管理もしっかりしていると思いますので文句無しのクオリティです(ゲームの翻訳はネイティブなら誰でもできるわけではありません)。
ちなみに、このゲームは中世ヨーロッパの話なので、当然ですが近代以降に発展したアメリカ英語ではなくイギリス英語が使われています。中世が舞台なので古い言葉もたくさん出てきますが、古文や賢者の話し方ほど全体的に古すぎるわけではないので、古い単語さえ除外できれば実生活に採り入れることも十分できます。
今後も可能な範囲でボキャブラリーの解説は入れていきますので、是非新しい表現を採り入れてみてくださいね。
ネタバレ感想
ここからは1週目を終えた視点でのネタバレ感想です。文字は白くしており、選択すると出てくるので見たい方はハイライトしてご覧ください(PCやスマホでゲームプレイ日記を見る世代の人が分からないことはないと思いますが、分からない方はぐぐってください)。
1週目を後半までプレイすると分かるとおり、我らが主人公ヘンリー君は実は Skalitz の領主である Radzig Kobyla と庶民であるお母さん(鍛冶屋Martinの妻)の間に出来たいわゆる「庶子」なわけですが、なんと実はしょっぱなからそのことを示すヒントがザクザク出てたわけですね〜。
まず、育ての父Martinが最初の方でヘンリーについて言っていたBlue bloodというのは貴族の血筋とか高貴なという意味なので、 “The blue-blooded idler”(貴族の怠け者)というのは冗談ではなく本当にヘンリーが貴族だからだったのですね。
私は1週目の時には単純に朝寝坊のヘンリーのことを貴族のボンボンみたいに怠け者だという意味で皮肉で言っているだけだと思っていたので、2週目で初めて壮大なネタバレヒントだったことに気付いて驚愕しました。そして、その直後にお母さんも “Well, it looks like he was out all evening drinking like a lord.” (昨日は一晩中外で領主みたいに飲んでたみたいよ)と言っているので、ここですでにヘンリーがMartinの実の子供ではないことに気付いた人は気付いたみたいですね。
更に、城で門番をしている兵士のJanekも冗談っぽくではありますがヘンリーに対して “Your Lordship” (閣下)と言っているので、実は町中が知っている感じもします。海外の掲示板では「明らかにヘンリーが貴族の息子だってみんな知ってるのに、ヘンリーだけ知らなくてVranikで捕まった時Istvanから聞いて驚いてるのウケた」と言っている人もけっこういました。私がニブいんだろうか・・・(笑)。ちなみに私は “The die is Cast” の前かSasau修道院に入る前あたりでRadzigが一人でぼそっと “good luck, son…” にみたいにつぶやいていたのを聞いて初めて気付きました。
そして、Sigismundに町が襲撃された時も、育ての父Martinが “If anything happens, he’ll take care of you. He owes me.”(もし何かあったら彼(Radzig)がお前の面倒を見てくれる。彼は俺に借りがあるからな)と言いますが、これもRadzigは自分の息子であるヘンリーを引き取ったMartinに対して借りがあるからということですね。でもその「何かあったら」というのが事実になってしまうとは切ない・・・。あと、細かいですがお母さん(名前がなくてかわいそう)も、「Radzigは昔から嵐の前は膝が痛む」とか、やたらRadzigのことをよく知っているのもそういうことだったんだなという感じです(笑)。
ネタバレボキャブラリー
- blue blood:貴族、高貴な血筋
- A owes B:AはBに借りがある
英語ゲームプレイ日記一覧
キングダムカム・デリバランス英語版プレイ日記
大手ゲーム会社でゲームのローカライズをやっていた運営者が、プロの目線で英語版ゲームをプレイしてボキャブラリーやローカライズの解説をします。
- キングダムカム:デリバランスその5:Neuhof襲撃〜手がかりを求めてUzhitzへ
- キングダムカム:デリバランスその4:Rattay見回り〜Hansと狩りデート
- キングダムカム:デリバランスその3:目覚め〜Rattayへ
- キングダムカム:デリバランスその2:Talmberg到着〜Skalitz帰還
- キングダムカム:デリバランスその1:オープニング〜Skalitz出発
英語のゲーム用語解説