アルク社の通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」は有名ですが、ヒアリングマラソンには他にもたくさん種類があるということをご存知でしょうか?
全種類の比較は以前別の記事でまとめましたが、今回はその中でも質問をいただくことが多かったヒアリングマラソン中級コースをレビューしてみたいと思います。
ヒアリングマラソンに興味があるけど英語力に自信がない、1000時間の方とどう違うのか分からないという方は是非最後までお読みください。
アルクヒアリングマラソン中級コースとは?
ヒアリングマラソン中級は、1000時間ヒアリングマラソンと名前こそ似ていますが中身は全く違います。
ものすごく簡単に言うと、1000時間ヒアリングが中上級者向けの生きた英語のシャワーだとすると、ヒアリング中級は初心者向け座学です。
では、もう少し詳しくヒアリング中級の特徴を見ていきましょう。
多少の英語は聞き取れる人が本場の英語に慣れるための教材
ヒアリングマラソン中級コースは、多少英語が分かるようになった人が英語圏での実生活にも対応できるリスニングスキルを身につけることを目的としています。
旅行中、道案内などの短い英語なら何とか聞き取れるものの、ネイティブ同士の会話や長い英語は全然分からないという人が、ネイティブの会話にも対応できるよう徹底的に耳を慣らすための講座です。
現在TOEIC400〜450点くらいの人向け
アルクの公式サイトには特に記述がありませんが、ヒアリング1000時間がTOEIC550点の人向けということや、実際私が音声を聞いてみた感覚で言うと、ヒアリング中級は現在TOEIC400〜450点の人向けではないかと思います。
音声の速度はネイティブの日常会話よりかなりゆっくりではありますが、それでも450点レベルの人には難しいと感じられるくらい十分やりごたえがあると思います(ナチュラルスピードだと書かれていますが、実際のネイティブの発音はもっと早くて聞き取りにくい省エネ発音であることが多いです)。
今TOEIC500点に満たない人がいきなり1000ヒアリングマラソンをやると挫折する可能性が高いので、1000時間の方に興味がある方はまずは中級を受講するかNHKラジオ講座などの別の方法でリスニング力を鍛えてから1000時間を受講することをおすすめします。
TOEIC対策シリーズのような座学型
ヒアリングマラソン中級コースは、TOEIC対策コースと同様テキストを見て音声を聞き、決められた課題をこなすスタイルです。
TOEIC対策コースがTOEIC受験対策に特化している一方、ヒアリングマラソン中級コースはヒアリング能力全体を高めるための講座になっています。 TOEIC形式のリスニング問題もあるので、TOEICリスニングパートの対策にもなりますよ。
3ラウンド・システムという、同じ音をいろんな角度から繰り返し聞いて確実に聞き取れるようにする方法を採用しているのが特徴です。私も、昔家庭教師をしていた時代に繰り返し同じ問題を生徒に解かせることでテストの点数を何十点もアップさせた経験があるので、繰り返し勉強法が非常に効果があることは肌で知っています。
アルク1000時間ヒアリングマラソンとの違いは?
さて、では次は1000時間ヒアリングマラソンとの違いを見ていきましょう。
冒頭でも書きましたが、1000時間ヒアリングとヒアリング中級の中身は全く別物です。
1000時間は毎月手作り、ヒアリング中級は固定のもの
これが1000時間と中級コースの一番大きな違いになりますが、1000時間ヒアリングマラソンの教材は毎月プロが手作りで旬の話題を取り入れて新しく作っているので、2つとしてと同じものはありません。一方で、ヒアリングマラソン中級の教材は毎月新しく作っているわけではないので、内容の新鮮さや作る手間で考えると1000時間ヒアリングには劣ると思います。
更に、ボリュームも全く違います。1000時間ヒアリングは毎月の想定学習時間が83時間程度であるのに対して、ヒアリング中級は10時間ちょっとなので学習量が全く違うことがわかります。
もちろん、ヒアリング中級は少ない負担で英語耳を鍛えることができるという点では挫折しがちな人にはありがたいのですが、1000時間ヒアリングは主教材+副教材で毎月300ページくらいのボリュームがあるのに対してヒアリング中級では75ページ程度なので、お金を出して購入すると考えるとボリュームの違いは圧倒的ですね。もちろん、月あたりの単価も1000時間の方が安いです。
このことを考えると、今1000時間ヒアリングをやるレベルにはなっていない人は、ヒアリングマラソン中級コースよりもTOEIC500点コースの方がリスニング力も英語力も鍛えられるのでおすすめかもしれません。
TOEIC500点コースはこちらで詳細にレビューしているので見てみてください。
難易度は1000時間の方が高い
ヒアリング中級の難易度は1000時間と変わらないと言っている人も見たことがありますが、私はそうは思いません。
ヒアリングマラソン中級コースは全体的にネイティブの中でもゆっくりはっきりした話し方の音声が多いのに対して、1000時間ヒアリングマラソンはめちゃくちゃ難易度の高い音声も混じっているので、体感的な難易度は1000時間ヒアリングマラソンの方が全然上でした。アルクの公式では1000時間の方はTOEIC550点もしくは英検2級が推奨だとのことですが、それでも難しいように思います。
正直、毎日英語でネイティブ相手にガッツリ議論しまくってる私が聴いてもかなりの聞き応えがあるくらいなので、現在TOEIC500点に満たない人はいきなり1000時間ヒアリングマラソンをやっても挫折してしまう可能性があります。
ヒアリングマラソン中級はこんな人におすすめ
では、ヒアリングマラソン中級はどんな人におすすめなのでしょうか?私がおすすめするのはこんな人です。
- 現在TOEIC400〜450点の人
- 1000時間ヒアリングマラソンをやってみたいけど難しすぎると感じる人
- 旅行会話はある程度分かるけどネイティブの日常会話にはついていけない初中級者
- 学生時代ある程度英語が得意だったけど今は全然忘れてしまった人
- 留学などで今すぐ生きた英語のリスニング力を向上させる必要がある人
私が一番重要だと思うのは、太字にした最後の点。もし今すぐ耳を鍛える必要はないという人は、TOEIC500点コースのような総合的な講座で総合力を上げてから1000時間ヒアリングを受講するのでもいいと思います。
教材の内容
次は、教材の中身について。アルクヒアリングマラソン中級コースの教材は以下のような構成になっています。
ヒアリング中級の学習期間は6ヶ月なので、月に1冊のテキストブックを使うことになりますね。
- テキストブック:6冊
- CD(CD版のみ):6枚
- ランナーズエイド:6冊
- コースガイド:1冊
- マンスリーテスト:6回
教材は宅配便でまとめて届く
ヒアリングマラソン中級コースを注文すると、宅配便でアルクのロゴマーク入りのダンボールが届きます。教材は一括発送なので、全ての教材が一度に届きます。
同じヒアリングマラソンでも1000時間ヒアリングマラソンは毎月届くので勘違いしがちですが、ヒアリングマラソン中級コースは一度に届くので覚えておいてくださいね。
↑こんなダンボールに入ってきます。
学習の進め方
アルクヒアリングマラソン中級コースは、テキストブックを毎日40分で2〜3ページ、1週間に4回勉強することになります。毎日たった2〜3ページと考えると非常に楽ですね。もちろん、週末にまとめてやることもできます。
これが1ヶ月分のカリキュラム↓毎週違うテーマを扱っていることがわかります。
毎日のテキストはこんな感じ↓これなら毎日続きそうじゃありませんか?
上の画像2枚で1日分です。
1ヶ月の勉強が終わると、TOEIC形式のマンスリーテストを解いて学習者向けのオンラインポータル「テストコ」か郵送でテストを送り、採点してもらうことができます。
このテストは修了証を出してもらうためには必須なので頑張って解きましょう。TOEIC本番よりは問題数もずっと少ないのでリラックスして取り組めますよ。
気になる費用は?
アルクヒアリングマラソン中級コースは38,880円です。1日あたり405円になる計算ですね。
アルクの他の講座と比べると、お得度は少し低めかもしれません。
それでも、今すぐ英語のリスニング力を鍛える必要がある!でも1000時間ヒアリングマラソンなんて全然分かりそうにない・・・という人には短時間で成果を出せる強力な味方になることは間違いありません。
私は、教材やその価値は結局今自分に何が必要なのかとその成果が望めるかどうかに大きく依存すると考えているので、今はまだ旅行の単純な会話くらいしか分からないけど数ヶ月で英語力を上げざるを得ないという人には非常に大きな価値がある教材だと思います。
例えば、半年後や1年後にTOEICを受けないといけないとか留学・海外出向が決まったという人が、今からのんびりNHKのラジオ講座やネイティブとのメール交換を始めて間に合いますか?間に合わないですよね。
そう考えると、今すぐに必要という人には必然的に最善な選択肢になると思います。
アルクヒアリングマラソン中級コースQ&A
Q1:本当に英語が聞き取れるようになるの?
A1:はい。最低限1セットの3ラウンド学習を期間を開けすぎずにこなせば必ず聞き取れるようになります。これは自信を持って言えます。英語は同じ音を繰り返し聞くと最後には必ず聞き取れるようになるので、1セットだけは間を開けずに終わらせるようにすることを心がけてください。2セット目で少し間が開いても1セット目で聞いた音は耳に定着するはずなので、セット同士の間が開いてしまっても半年続ければ必ず力になります。
Q2:マンスリーテストは毎月遅れずに提出しないといけないの?
A2:はい、マンスリーテストは決まった締切までに提出する必要があり、間に合わなかった場合は別途オンラインの問い合わせフォームから解答と解説のみ受け取ることになります。毎日の勉強は多少遅れても週末などに取り返すことができますが、毎月のテストだけは必ず期日を守るようにしましょう。
Q3:マンスリーテストを提出しないとどうなるの?
A3:毎月のテストを提出できなかった場合、修了書が発行されないことになります。また、テストを提出できなければ当然採点もされないので、自分の実力を確認することができず、大きな損となってしまいます。テストは毎回提出するようにしましょう。テストは会員専用サイトから簡単に提出できるので、郵送のわずらわしさは一切ありません(郵送することも可能です)。
まとめ:今すぐリスニング力を上げる必要がある人には買い
アルクヒアリングマラソン中級コースの特徴をまとめると、以下の通りです。
- TOEIC受験や留学が決まっていてリスニング力を上げることが急務な人にはこれ以上ない選択肢
- 時間に余裕がある初中級者ならTOEIC500点コースの方がお得感は大きい
- 同じヒアリングマラソンでも1000時間ヒアリングとは全く別物
時間のない初中級者には最適だけど、時間がある人なら必ずしもそうではないということですね。
今の自分のレベルと必要度を鑑みて総合的に判断していただければと思います。
ただ、学習時間が短く挫折しにくい作りになっているので、時間があっても自力で英語を上達させる自信がない人にももちろん適していますね。
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