英辞郎で有名なアルクの「1000時間ヒアリングマラソン」って聞いたことあるでしょうか?簡単に言うと1000時間英語を聞いて英語耳を鍛えよう!という教材なのですが、私の「英語とは経験値の積み重ねである」という理論を極めて効率的に実践できる教材のようなので前から気になっていました。
最近、私が自分の会社で開催している英語教室でその話をしたところ、何とたまたま参加者の1人が実際に使っていたとのことだったので、ちょっと教材をお借りしてレビューしてみました!
アルク1000時間ヒアリングマラソンとは?
1000時間ヒアリングマラソンとは、1年間で英語を1000時間聞いて全方面からリスニング能力を鍛えるのが目的の教材で、注文すると毎月教材とCDが届きます。進捗を管理するための便利なサイトもあるので、飽きづらく続けやすい作りになっています。
1000時間とにかく英語に触れることが目的
この講座の目的はとにかく英語に触れること。冒頭でお話しした経験値の積み重ねというのはここに尽きます。語学の習得には基本的には早道というものはなく、結局は地道な経験の積み重ねです。1000時間ヒアリングマラソンは、この経験値の積み重ねを余計な回り道をすることなく効率的に行うための強力な助っ人なのです。
1000時間とは、教材ばかりを聴くのではありません。教材以外のニュースやドラマを聴いた時間もカウントされ、専用のウェブサイトに入力するとこれまでに合計何時間英語を聴いたかの集計が出てくるのです。
つまり、通勤・通学時間に英語のニュースを聴くでもよし、帰宅後のリラックスタイムにインターネットラジオを聴くでもよし、とにかくあなたが英語に触れた時間を全てカウントできるのです。
アルクの推奨としては、テキスト1時間、English Journal 1時間、その他の英語を聴くのが1時間の1日あたり合計3時間となっています。
英語は聞き流すだけでもある程度耳を慣らすことが可能。できることなら何て言ってるか理解する努力もしてみてほしいですが、頑張ろうとしすぎると続かないのでそんな時は力を抜いて聞き流すのもありですよ。それでもカウントされるので、モチベーションの維持につながります!
全方面を鍛えるリスニング教材
ヒアリングマラソンと言っても、ただただ英語を聞き続けるだけではありません。ディクテーション(聞き取り)、スピーキング、解釈など、聞こえてくる英語をあらゆる方面から解剖してあなたの力にするのがこの教材の目的です。
含まれるのはメイン教材と副教材
ヒアリングマラソンを開始すると、毎月以下の教材が送られてきます。
- マンスリーテキスト(メイン教材)1冊
- マンスリーテキスト用CD1枚
- English Journal(副教材)1冊
- English Journal用CD1枚
- マンスリーテスト用CD1枚
マンスリーテストをきちんと毎月こなせば、1年間のコースを完了した時には修了証ももらえます!特に資格になるわけではないですが、1000時間頑張った証が形になるのは嬉しいものですね。
毎月作られている使い回しじゃない教材
ヒアリングマラソンの教材は英語を教えるプロが毎月汗水流して作っています。人の手で丁寧に作っているからこそ、クオリティが高く旬な内容になっているんです。
教材の内容は、最近の社会現象や流行りの話題、最新映画の主演俳優インタビューなどなど、常に新しいものになっています。誰でも馴染みのあるニュースなどの話題なので、とっつきやすく頭にも入りやすいんです。
例えば、2011年1月号の English Journal では、当時話題になっていた映画「インセプション」の主役レオナルド・ディカプリオのインタビューが掲載されていました。
ちょっと古い教材しかなかったので数年前のものですが、当時はとても話題になっていましたね。
会社で英語を教える私の身からすると、教材を作るのって本当に大変なので頭が下がります。もうね、毎回作るのに時間がかかるのなんのって・・・。
最初、私自身も「通信講座って何であんなに高いんだろ・・・」と思っていましたが(ごめんなさい)中身を見て納得です。これだけ手間暇かけていれば相応の対価がかかるのは当然と理解できました。
分からないところは学習コーチに質問可能!
私は今回実際にヒアリングマラソンを見てみて、この教材の真の価値は学習コーチに質問できるところにあるのではないかと思いました。アルクの通信講座には、分からないところを学習コーチに聞けるサービスがあるのです(他人には非公開なので安心!)。
教材に関わる質問や、リスニング力が向上しないといった英語に関する悩みをあなただけのために答えてくれます。これは本当に役に立つサービスです。何故なら、語学を勉強していると必ず分からないところにぶつかりますが、周りにすぐに教えてくれる人がいないと非常にもどかしいからです。
私も、英語を勉強していた時何度も分からないところを教えてくれる人がいればと切望しました。正しい英語を教えてくれる人がいないと、分からない部分がそのままになって間違った英語を使い続けてしまうこともあります。これが独学で勉強する上でもっとも怖いところですが、コーチ質問サービスはそんな学習者の非常に心強い味方なのです。
無料で聴けるNHKラジオ講座ももちろん非常に品質は良くて私も大活用しましたが、当然自分の質問に答えてくれるサービスはないので、ここは大きな違いですね。
コーナーごとに難易度があるのでレベルに合わせて学習可能
ヒアリングマラソンの教材には、コーナーごとに難易度が設定されていて自分のレベルに合わせて学習できるようになっています。
難易度の他に、所要時間やどんな能力が身につくのかも分かりやすく記載されているので、テキストの全てを勉強しなくても自分に合ったものだけやればいいという作りになっています。
対象者はTOEIC550点以上/英検2級以上
上記で、ヒアリングマラソンはレベルに合わせて学習できると書きましたが、それでもある程度基礎的な英語力は必要になります。アルクが対象者としているのはTOEICで言えば550点、英検だと2級レベルとのことで、中学や高校で習う基本的な英語はわかっていることが前提となります。英語はからっきし、中学レベルの単語も全然わからない!という人は残念ながらもう少し基礎力を磨いた方がいいでしょう。
というのも、全く英語ができない人にそこそこのレベルの英語を聞かせてもあまり上達が見込めないのです。例えば、中学生に高校生の数学の問題を教えた場合時間をかければできるようになりますが、幼稚園児に高校生の数学を教えるのは無理に近いですよね。それと同じです。
ヒアリングマラソンの難易度は決して高くないですが、やはりある程度のレベルの語彙は使っているので、全く英語ができない人が1000時間聞いたとしても元々基礎があった人よりも修了時の上達度が期待できないのです。
是非、基礎力を高めてからチャレンジしてみましょう!
サービスの流れ(注文と毎月の学習)
ヒアリングマラソンを購入すると、毎月9日までに最新の教材が届きます。そして、翌月までに毎月のテストをウェブから提出。この流れを12ヶ月間続けることになります。例えば、4月から学習を始める場合、毎月の流れは以下のようなスケジュールになります。
- 3月25日まで:注文!
- 4月9日まで:初回教材到着(4月号)
- 4月10日以降:学習開始!1日の目安はテキスト1時間、English Journal 1時間、その他の英語1時間の1日3時間です。
- 5月9日まで:5月号教材到着
- 5月9日:4月号マンスリーテスト提出(修了証発行にはこれの提出が必須です)。テストの所要時間はだいたい20分ほどなのでさほど苦にならずにできる長さです。
- 5月10日:5月号学習開始
修了証が必要なければ、毎月頑張りすぎて燃え尽きないよう、ゆっくり学習する方法もあると思います。無理せずあなたのペースで続けましょう。
続けるコツ
アルク1000時間ヒアリングマラソンは飽きにくい作りになっていますが、それでもやはり1000時間と聞くと尻込みしてしまう人もいるかもしれません。
でも、そんな方でも力を抜いてできるようになっているのでご安心ください!忙しい人でも続けるコツは・・・
- 全てを理解しようとしない。普段日本語の生活でもニュースやテレビは聞き流しているのと同じ感覚で。
- 時間がない時は、思い切って毎月締め切りまでにやらずにゆっくりやる勇気も必要。テストは受けられなくなりますが、1月分のテキストを2ヶ月かけてやることも一つの方法です。ラジオのように聞き逃したらもう聞けないものとは違い、テキストとCDは手元に残るので、いつでも再挑戦が可能です。
- 即効性を求めて焦らないこと。英語の理解度はすぐに上がるものではありません。何週間かやって効果が出ないからと諦めず、最低3ヶ月は続けましょう。英語は、一部の単語や文法だけを覚えればできるものではないので、上達を実感するには最低3ヶ月以上はかかるものです(本当は半年と言いたいところです)。
- 学習進捗確認サイト「テストコ」を活用する!テストコでは現在の進捗を記録してどこまでできたかしっかり確認できるので、今の進捗や目標を見失わずに済みます。
実際に使った人の感想と上達度
冒頭で、私の会社で実際に1000時間ヒアリングマラソンを受講していた人がいたとお話ししましたが、その社員は1年間頑張った結果飛躍的に耳が慣れたと言っていました。
その社員は私の後輩で毎日英語を使う私のプロジェクトに配属されたのですが、最初はなかなか相手の言っていることが分からず私の通訳が必要でしたし、相手と直接話すことなんてことはもってのほかでした。危機感を感じてヒアリングマラソンを受講し始めたところ(後で聞きました笑)、修了する頃にはもうほとんど通訳も必要なくなっており、それどころか私が通訳してあげなくてもたまに相手と直接話せるまでになっていました。
私と同じで留学経験は無し、ヒアリングマラソン修了時のTOEICの点数は730点だったと聞いています。開始時にはTOEICを受けていなかったそうで点数は分かりませんが、受けていてももっとずっと低かったのではないかと思います。私の印象では600点くらいかな?
後輩は、ヒアリングマラソンは今話題のトピックや旬の海外セレブのインタビューなどが満載で内容にも興味が持てるし、ウェブで進捗管理ができるので飽きずに続けることができると言っていました。また、教材を全て読破しなければならないわけではなく、自分のレベルに合った部分だけ学習することができ、自由時間に聞いた教材以外の英語も1000時間にカウントできるのがモチベーションキープにつながってとても良かったそうです。
気になる費用は?
ちゃんとしたところが出している通信講座の教材となると、高いのではないかという意識があると思います。ですが、アルクの1000時間ヒアリングマラソンは受講料税込53,784円。これを1年365日で割ると1日あたり147円!毎日おやつやジュースを買うのと変わりませんね。
上記で説明した通り、1000時間ヒアリングマラソンは毎月英語を教えるプロが時間をかけて作っている教材を使っています。毎月手間暇かけて新しく作っている教材に、更にプロが自分だけの質問に答えてくれるサービスが付いてこの値段であることを考えると、正直ものすごく安いのではないかと思います。
昨今、漫画やイラストはネットでタダで手に入れるものという考え方もあるようですが、著作物には多くの人件費がかかっているのでいいコンテンツには対価がかかります。もちろん英語にもタダの教材はありますが、無料の教材には品質の保証もありませんし、効率的に最短距離で習得できるように作られていなくて結局遠回りになったりします。
私自身も国内外のインターネット上の多数の無料教材を利用したことがありますが、やはり分かりやすく体系的になっているものは少なく、続けること自体が難しかったため続いたことはありませんでした。これは私自身が身をもって経験したことです。
本気で英語を勉強したいなら、1日150円もしない投資は喜んですべきだと私は思います。
まとめ:毎回手作りの良質な教材。本気なら買い!
今回後輩から教材を借りてみて、思っていた以上に高品質な作りであることが分かりました。上述の通り毎月旬な話題をふんだんに取り入れて新しく作っている教材ですし、説明もとても丁寧です。英語は飽きて続かない人が多いことも熟知した上で飽きない工夫をしてあるのは本当にすごいので、これで1年5万円なら安いと思います。
もちろん、ある程度の基礎力は必要ですし全くやる気がない人には向いていませんが(それは何でも同じですね)、逆に言うと基礎力とやる気のある人には非常に効果的な教材と言えます。
思い立ったが吉日、今すぐ耳の強化を始めましょう!
53,784円(税込) ※3,240円(税込)以上購入で国内送料無料 |
■アルクのヒアリングマラソンシリーズ当サイトレビュー
■アルクのTOEIC対策シリーズ当サイトレビュー