「英語を使う仕事」というと翻訳や通訳を想像する人がとても多いですが、世の中には人の数だけ仕事があるというように、英語を使った仕事も英語を使う人の数だけあると言っても過言ではないほど多彩です。
とはいっても、英語を使う仕事には何があるのでしょうか?
今回は、私が実際にその職種に携わった実際の経験や周りで実際にその仕事に就いている人の生の声を元に、英語を使った仕事50種類を徹底的にまとめてみました。
職種は、分野別にそれぞれ英語の難易度、就職難易度、グローバル度、世界を飛び回れる度の5段階評価と文理区分を付けてあり、その仕事を目指すのに必要なものについても解説しています。
凡例
- 英語難易度:その仕事で使う英語のレベルです。★が多いほど難しいことを示します。
- 就職難易度:その仕事に就職・転職する難易度です。一般的な倍率(人気)の高さ、求人の多さなどから考慮しています。
- グローバル度:その仕事がどれだけ国際的で外国人と関わることができるかを示します。英語を使う仕事でも外国人と接するとは限らないので、その場合星は1つです。
- 世界を飛び回れる度:その仕事に就くことでどれだけ海外出張や出向のチャンスがあるかを示します。
- 文理区分:その職種が文系、理系のどちらに向いているかを示します。文系が圧倒的に多いですが、文系が多いというだけで理系だと無理というわけではありません。
5段階評価については、職種によってはピンキリなので、その場合3(★★★☆☆)にしています。場合によっては星1、場合によっては星5になります。
翻訳・通訳
通訳
英語を使った仕事の代表が通訳です。ニュースの同時通訳、イベントなどでの通訳、国際シンポジウムでの通訳、企業のミーティングの通訳などその種類は実に多彩で、通訳の種類にも同時通訳、逐次通訳、ウィスパリング通訳の3種類があります。
英語の難易度は最高峰と言え、TOEICならどんなに低くても950点は必要なのではないかと思います。以前、700点台で通訳をしているという人の話を聞いたことがありますが、正直真偽のほどは疑わしいと思います(専業のプロではなくアルバイトやボランティアだったのかもしれません)。
常に外国人を相手にするため、国際度も高いですね。国内の仕事が大半だと思いますが、場合によっては海外に同伴することもあると思います。
通訳になるのに必要なもの
プロの通訳になるには、意外にも必要な資格はありません。
ただし、これは医師免許のように国が定めているものではないというだけで、雇う側の企業は独自の基準や必要資格を定めているはずなので、応募先が決まったら確認しましょう。
一般的に企業が基準としているのは以下のような資格です。
- TOEIC、実用英語技能検定、国連英検などの英語の資格
- ビジネス通訳検定(TOBIS)などの通訳の資格
- 通訳としての実績
なお、「英語ができること」と「通訳ができること」は全くの別物です。英語が得意だから通訳になろう!と思い立って簡単になれるものではないのでご注意ください。
管理人の私もTOEIC970点で企業内では通訳をしていますが、通訳のトレーニングは受けたことがないので逐次通訳に限られ、同時通訳はできません。
ミーティングの通訳の場合、ファシリテーション能力なども求められます。
通訳案内士
通訳の中でも観光に特化したのが通訳案内士です。外国人の観光客に対して、観光案内をしたり日本の文化について説明する仕事です。
「通訳」という名前は付いていますが、通訳のように人の言っていることを正確に相手に伝える業務ではないので、求められる英語力は通訳ほど高くはないのではないかと思います。
一つ参考になる指標として、全国通訳案内士の試験では、2017年度まではTOEIC840点以上だと英語の筆記試験が免除されていたそうです。これは、当時は840点以上なら英語力については問題ないという判断だったのではないかと思います(私の想像ですが)。
ただし、筆記試験の免除条件は2018年度からは900点に引き上げられたそうです。これも純粋に私の想像ですが、試験を運用する中で840点では筆記試験を免除するには足りないということがわかり、900点になったということなのかもしれません。つまり、2020年現在は900点くらいあれば一応は務まる業務だと言えると思います。
一般的にも、高度な英語力が必要な業務の最低限ギリギリのラインは900点程度だと思います。
通訳案内士になるのに必要なもの
普通の通訳ガイドなら無資格でも雇い主の基準に見合えばなることができますが、「全国通訳案内士」と名乗って仕事ができるのは国家資格の全国通訳案内士の試験に合格した上で、都道府県に通訳案内士として登録した人のみです。
通訳案内士になるには、一般的に以下の資格があると有利です。
- TOEIC、実用英語技能検定、国連英検などの英語の資格
- ビジネス通訳検定(TOBIS)などの通訳の資格
- 全国通訳案内士の資格、自治体への登録(「全国通訳案内士」を名乗るには必須)
- 日本の文化や歴史に関する知識
- 通訳としての実績
翻訳家
翻訳家とは、そのまま文字を翻訳する人のことです。翻訳の対象は、書籍、絵本、映画、ソフトウェア、ゲーム、ホームページ、マニュアル、ニュース記事などなど、その分野は通訳と同様非常に多岐に渡ります。
高い英語の読解力が必要なので求められる英語力は高いですが、読み書きしか必要ないので英会話が苦手な日本人でも比較的目指しやすい職種だと言えるでしょう。
グローバル度、世界を飛び回れる度はここではともに星2つにしていますが、翻訳家でも場合によっては毎日世界中の人と話したり海外出張に行くこともあります(私は以前そういう翻訳家と一緒に仕事をしており、毎日いろんな国の翻訳家と話したり彼らと仕事をしに海外出張していました)。ただし、そういう働き方ができる翻訳家はかなりレアだと思います。
収入については、IT翻訳や産業翻訳は高い傾向にありますが、書籍の翻訳はそうでもないと聞いたことがあります。フリーランスの場合、報酬は分野ごとに文字短歌が決まっていることが多いです。
翻訳家になるのに必要なもの
翻訳家も特になければならない資格はありませんが、やはり英語の資格や翻訳家としての資格は必要になるでしょう。
- TOEIC、実用英語技能検定、国連英検などの英語の資格
- 翻訳家としての実績
- 企業ごとの試験に合格すること
翻訳家になるには、ほとんどの場合雇用主側の翻訳試験に合格する必要があります。業務形態としては、企業の社員として専属の翻訳家になる場合もありますが、フリーランスの翻訳家として企業に登録するという方法もあります(実は、私も少しだけ登録翻訳者として仕事をしたことがあります)。
試験は避けて通ることができませんが、合格した場合採用を有利に進めるためのキーは翻訳家としての実績です。
もし本気で翻訳家を目指す場合、「Coconala」(ココナラ)や「アメリア」で仕事を受けて実績を積むことをおすすめします。
Coconalaは、ウェブサイト上に「○○をXXX円で翻訳します!」といった広告を自由に掲載して、検索した人がそのサービスを購入できるサイトです。今すぐ何の元手もなく始められる代わりに、試験の合格も資格も何も無しで個人相手に翻訳の提供ができるものなので、プロとしての実績としては少し弱いという特徴があります。
アメリアは登録費用が必要ですが、一流の翻訳家も登録しているサービスなので、掲載されている求人広告もハイクラスなものが多くなっています。ここで見つかる仕事はどれも個人相手ではなく企業相手のプロとしての仕事なので、ここで実績を積めばいざ企業に応募する時は非常に強力な武器になります。多分、日本人の腕のある翻訳者はほとんど登録しているのではないかと思います。本気で翻訳家を目指すなら是非登録しましょう!
旅行関連
ツアーコンダクター
外国人はあまりパッケージツアー(航空券、宿泊、現地ツアーがパックになったもの)には参加しない傾向にあるので、滞在中外国人につきっきりになるようなサービスはあまりないと思いますが、特定の観光地を日帰りで案内するようなツアーであれば外国人にも人気があり、日本の企業でも催行しているところがあるので、そういうところでツアーコンダクターになることもできると思います。ツアーコンダクターとは、日本で外国人向けに観光地を案内したり、海外で日本人を案内したりする仕事です。通訳案内士と似ているように感じるかもしれませんが、求められる英語力が通訳案内士ほど高くないのと、ツアーコンダクターは通訳案内士と違って企業に所属している場合が多いことが違いと言えます。
また、場合によっては海外に駐在して到着する日本人のお世話をしたり観光地を案内する仕事をすることもできます。海外に駐在する場合、高い英語力が必要そうに思いますが、私が海外で現地駐在のツアーコンダクターを見た印象だと、カタコトでもできるようです。
グローバル度については、毎日日本で外国人を相手にするような仕事が見つかれば高いと思いますが、日本人を相手にする場合外国人と関わることはほとんどないという意味で星は2つにしています。
ツアーコンダクターになるのに必要なもの
ツアーコンダクターになるには、最低限の英語の資格があればいいと思います。もし通訳案内士の資格があれば非常に強力ですが、そういう資格がある人は通訳案内士になるのではないかと思います。
必須ではないですが、あると有利なのは以下の資格です。
- TOEIC(500〜600点くらい?)や実用英語技能検定試験など
- 通訳案内士
ホテルのフロントスタッフ
ホテルのフロントはホテルのグレードによって難易度も求められる英語のレベルもピンキリです。安めのビジネスホテルでは外国人相手でもほとんど英語が話せないスタッフが多いですが、世界中で展開している一流ホテルチェーンであればある程度は流暢な英語が話せる人が大半です。
実際、私の知り合い(日本人)はコンラッドで働いていますが、かなり流暢な英語とスペイン語を話します(私はスペイン語がわかりませんがスペイン人がそう言っていました)。
日本で働く場合、職場は常にホテルになるので、ホテルのグレードに関わらず世界を飛び回ることはないのではないかと思います。グローバル度についてはホテルのグレード次第で高くも低くもなります。
ホテルのフロントスタッフになるのに必要なもの
ホテルのフロントで英語を使うに必要なのは、やはり英語力を示す資格と接客業の経験があるといいと思います。
- TOEIC(ホテルのグレードによって500〜900点くらい)や実用英語技能検定試験など
- ホテルなどでの接客経験
他には、手話や筆談ができるとより有利になるのではないかと思います。
ツアープランナー
ツアープランナーとは、「パリの美術館巡り4日間」といったツアーを企画する仕事です。接客するわけではないので英語力はあまり求められませんが、海外旅行の企画の場合現地の調査は必須になるので、インターネットを英語で調べたり場合によっては現地の美術館などに電話で問い合わせるといった対応が必要になります。
また、実際に現地に行って視察する人もいるので、場合によっては海外出張も期待できるでしょう。難易度がさほど高くない割には海外出張も望めるという意味では狙い目の職種かもしれません。
運が良ければ海外拠点の駐在社員になれる可能性もあります。
ツアープランナーになるのに必要なもの
ツアープランナーには特に資格はありませんが、以下の資格や経験があると有利です。
- TOEICや実用英語技能検定試験など
- 旅行・観光業界での経験
- 特定の国や地域に関する経験や知識
航空・交通系
国際線フライトアテンダント(CA)
英語を使うグローバルな仕事で、かつ世界を飛び回ると言えば一番人気なのが国際線の客室乗務員(和製英語で言うキャビンアテンダント)ではないでしょうか。
ただし、英語を使った仕事のあらゆる憧れ要素を満たしている代わりに、難易度もピカイチです。今はほとんどが契約社員だと聞きますが、その割には難易度は群を抜いて最高レベルです。
日本(と韓国も?)の航空会社では、CAは女性しかなることができないという不思議なシステムになっていますが、海外の航空会社では客による危険行為などがあった場合女性だけでは太刀打ちできないため、安全面を考えても男性のCAは必ずどのフライトにも搭乗しています。このため、男性でCAになりたい場合は外資系の航空会社を狙ってみてはいかがでしょうか。
フライトアテンダントになるのに必要なもの
フライトアテンダントになるには、日本の航空会社か海外の航空会社かによってもかなり基準は違うと思います。日本では至高のサービスが求められるため、海外の航空会社よりも一段と高いマナーや秘書的なスキルが求められるのではないかと思います。
一般的には、以下のような資格や経験があると有利なのではないかと思います。
- TOEIC(800点前後)や実用英語技能検定試験などの英語の資格
- 秘書検定
- ホテル業界などでの接客経験
- 旅行に関する知識
- 応急手当てに関する知識
私の知人は昔日本の某航空会社のCAの採用面接を受けたことがあるそうですが、面接の控え室の雰囲気ですでに圧倒されたと言っていました。みんな家を出た瞬間から面接モードに入っているのか、控え室でも微動だにせず笑顔を保って完璧すぎる態度を崩さないし、受験者同士ですらお客様に対して話すような話し方をするのだそうです。個人的な感想は控えますが、日本のCA業界ってすごいんですね。アメリカの航空会社のCAなんて、客のカバンが床に置いてあったら通路にはみ出ていなくても蹴ってどけますよ(笑)。
空港の地上係員
空港には様々なスタッフがいますが、航空会社の地上係員であれば英語を使うことも多く、国際的な仕事だと言えると思います。チェックインカウンターで荷物を預けたり紙の搭乗券を発行してくれる係のことですね。
ただし、勤務地はその空港のみなので、特別な海外研修でもない限りは海外出張はまずないのではないかと思います。
空港の地上係員になるのに必要なもの
地上係員(グラウンドスタッフ)は、客室乗務員ほどではないですがそこそこ難易度は高いと思います。特別な資格は必要ありませんが、英語力を証明するものや接客の経験があるといいでしょう。
- TOEIC(600点程度)または英検2級程度
- 接客経験
駅員
鉄道会社(電車)の駅員です。最近はインバウンド観光者も多いので、車内アナウンスも英語で流している会社は圧倒的に多いですし(録音だけでなくスタッフがその場で読む場合も)、駅で英語で電車の乗り方を聞かれることも飛躍的に増えています。
そんな駅員も、英語を使う仕事だと言っていいと思います。
特に文系・理系の区分はなく、どんな学部を出ていてもなることはできると思います。
駅員になるのに必要なもの
通常、駅員になるには英語は必須ではありませんが、英語を使って働きたい場合、英語力を証明するものがあれば外国人が多い駅に配属される可能性は上がります。
英語を使うという視点で言うと、駅員になるには以下のものがあると有利です。
- TOEIC(500点以上)または英検
- 格闘技や護身術の経験
最近マナーの良くない乗客が増えており、暴力沙汰になることもあることから、格闘技や護身術の訓練をしている鉄道会社もあります。そんな時、最初からその経験があると会社としても即戦力として配属しやすいですね。
観光タクシー運転手
タクシーの運転手も、最近では英語を使う機会が増えたと思います。もし英語を使ってタクシー運転手になりたい場合、普通のタクシーでもいいですが、観光タクシーを狙う手があります。
観光タクシーとは、客を乗せて観光地を巡ったり飲食店に連れていくサービスで、決まったプランやツアーに従って貸切で運行するものです。運転中は乗せている客にこれから連れて行く観光地のことを説明する必要があるので、もし客が外国人の場合英語は必須になります。
英語対応の観光タクシーの運転手になれば、英語対応ツアーを予約してくる外国人をメインで相手にできるので、グローバルですし給与も普通の運転手より上がります。
タクシー運転手になるのに必要なもの
英語対応観光タクシーは、観光客にいろいろと説明しなければならないので高度な英語力が求められるように思いますが、実際にはそうでもありません。
毎日行く観光地はある程度決まっているので、その場所の説明はほとんど暗記に近く、毎日同じだいたいセリフを言うことになるからです。
もちろん、客から英語で質問が来ることもあるので基本的な英語は理解できる必要がありますが、ネイティブと対等なほどのレベルは求められないと思います。
観光タクシー運転手になるには、以下のものがあると便利です。
- 普通免許(必須)
- TOEIC500点程度、または英検準2級程度
- 大型免許(あると大口の客も乗せられる)
- 全国通訳案内士
- 歴史や文化に関する知識
教育系
中学・高校の英語教師
英語を使う仕事と言えば代表的なものの一つが、中学や高校の英語教師です。基本的には教科書をベースに文法を教えるのであまり生きた英語を使うことはありませんが、教育に興味があるなら目指してみるといいと思います。
英語力はそこそこ必要ですが、グローバル度や世界を飛び回れる度はさほど高くないと言えるでしょう。まず、海外出張については海外に修学旅行に行ったり学会にでも所属していない限りほぼありませんし、普段接するのは日本人の職員や生徒です。
たまに外国人のAET(assistant English teacher)が来ることもあるのでグローバルな局面もなくはないですが、それは一時的なものだと思います。(海外出身の生徒がいる場合は別ですが)。
中学・高校の英語教師になるのに必要なもの
学校の英語教師になるには、まずは英語力が必要ですね。ただし、教員の英語力は実は意外と低いです。
ある統計によると、英検準1級以上の資格を持っている教師は中学教師で約33%、高校で約65%だそうなので、英語教師全体の半分くらいは英検準1級未満の英語力だということになりますね(受けていないだけの人もいるかもしれませんが)。
それで英語を教えられる国だと考えるといろいろ思うところはありますが、それはさておき・・・。
上記を踏まえると、英語教師に必要なものは以下の通りです。
- TOEIC600点以上、英検2級以上
- 教員免許
子供向けアシスタント英語講師
学校の英語教師よりハードルがぐっと低いのが保育園や幼稚園などのアシスタント英語講師です。これはよくアルバイトとしても募集されており、何の資格もいらないのですぐに始めることができます。
保育園でアシスタント講師として働くなら特別な資格もいりませんし、メインの講師は外国人であることが多いので日頃から外国人と接することもできます。自分自身の英語力を磨く目的で目指してみてもいいかもしれませんね。
業務内容は、職場にもよると思いますがメインの教師の授業の準備を手伝ったり、授業中のサポートをすることが中心になります。子供に直接英語を話すこともありますが、高い英語力も資格も求められないアシスタントが直接教えることはあまりないと思います。
正規職員よりは、パートタイムやアルバイトが多い印象です。長いこと続けられる仕事を見つけるのは難しいかもしれません。
子供向けアシスタント英語講師になるのに必要なもの
アシスタント講師であれば、必須な資格は特にありません。ただし、以下の資格があるとより有利でしょう。
- TOEIC500点前後、または英検準2級前後
- 保育士の免許(あれば可)
- 幼稚園教諭の資格(あれば可)
日本語講師
日本語講師も、英語を使うことができる仕事の1つです。基本的には生徒とは日本語で会話するので英語を使うことはそんなにないですが、初級クラスでは英語で説明したり、上級クラスでも生徒がどうしてもわからない時は英語で説明することもあり得ます。
外国人相手の仕事なので当然グローバル度は最大ですが、世界を飛び回れるかというと職場によります。駅前の日本語学校のようなところだとその職場でしか仕事をする機会はありませんが、そもそも海外の日本語学校で仕事が見つかった場合は海外に行けることになります。最初は、日本にある日本語学校で実績を積むといいですね。
採用には条件があるので、難易度は高い部類になります。
日本語講師になるのに必要なもの
日本語講師になるには、以下のいずれかを満たしていることが必須です。
- 日本語教育能力検定試験に合格
- 大学で日本語を主専攻または副専攻として専攻し、修了する
- 4年制大学を卒業しており、日本語教師養成コースの420時間コースを受講している(日本にある法務省告示校で講師になるには文化庁の届出も必要)
これに加えて、基本的な英語力があると有利というわけですね。語学講座で有名なアルクではNAFL(日本語教師養成プログラム)という日本語教育能力検定試験の合格を目的とするコースを展開しています。日本語講師になる条件はかなり厳しいので、通信講座の助けを借りてみてはいかがでしょうか?
大学の英語講師
英語を使った仕事には、大学の英語講師もあります。大学生に対して授業を教えるだけではなく、英文学、英語学、比較言語学、社会言語学など、英語に関連する研究を行うこともできるので、もし学問として英語を研究してみたい場合はおすすめの職種です(後で研究職の部分でも触れます)。
英語の難易度も就職難易度もともに高いですが、グローバル度と世界を飛び回れる度については研究テーマや就職する大学次第だと思います。学会に所属してバリバリ研究するようなら、学会で海外に行く機会もありますし、海外の研究者と一緒に仕事をすることもあります。
ただ、研究者というより講師というくくりだと、基本は日本人学生が相手なので国際度は下がり、世界を飛び回る機会も少なくなります。
大学の英語講師になるのに必要なもの
大学の英語講師になるのに特別な資格は必要ありませんが、大学ともなれば何かしら専門分野の知識は必要になると思います。高校までのようにただ単に文法を教えるだけでなく、授業の内容ももう少し踏み込んだものになるはずなので(英語を教えるといっても語用論や意味論なのか、発音学なのかなど)、高校までの英語教師とは一味違います。
専門分野にもよりますが、以下のものがあることがおすすめです。
- TOEIC(700点以上が目安)、英検、国連英検など
- 教員免許
- 英語に関連する専門分野の知識
研究職
大学の英語講師よりも更に専門的なのが研究職です。学生に対して講義することもあるかもしれませんが、自分の専門分野の研究が主な仕事です。
職場は大学だけでなく、企業の研究部門に就職するという方法もあります。
就職するための難易度は最高レベルですが、分野によっては世界中を飛び回ったり常に海外の研究者と共同研究する機会もあります。「研究」と一言で言っても世の中のありとあらゆるものが研究対象になり得るので、文系でも理系でも目指すことができる仕事です。
私の家族も国立大学の教授(理系)ですが、やはり海外の研究者と一緒に論文を書いたり共同研究で海外に長期出張することが頻繁にあります。
海外の研究者と共同研究をするということは英語力は必須ですし、学会に向けて論文を書く場合もほとんどが英語なので高度な英語が求められます。
ただし、分野や職場によって英語の難易度、グローバル度、世界を飛び回れる度は大きく変わると思います。
研究職をするのに必要なもの
「研究職」という職種は「会社員」のように幅広い分野を含むので、一言でこれが必要とは言えません。あると有利を思われるものを以下に並べますが、分野や就職先にも寄るので自分が目指す研究職には何が必要か調べてみていただければと思います。
- TOEIC、英検など基本的な英語力を証明するもの
- 卒論など、自分の研究テーマに関して自分が執筆したもの
- 危険物取扱者、情報処理技術者など、分野に応じた資格
- 自分の専門分野に関する知識や経験
塾・予備校の英語講師
教育関係だと、塾や予備校で英語を教えることもできます。学校の英語教師と似ていますが、学校よりも競争が強く働くため求められるスキルは高いと思います(いい講師が揃っていないと入学してもらえないから)。塾や予備校と言ってもピンキリだとは思いますが、塾は比較的門戸が広いのに対して、予備校はより難しいです。私が昔予備校に行っていた感触だと、予備校の英語講師は本当に英語のプロが揃っている印象があります。実際、プロの通訳をする傍予備校でも教えているという人もいました。
塾講師なら、そこまでのレベルでなくても目指しやすいですよ。
塾・予備校の英語教師になるのに必要なもの
塾や予備校で働くには特に必要な資格はありませんが、やはり英語力を証明するものや経験がなければ難しいと思います。あると有利な資格は以下のようなものが考えられます
- TOEIC(800点以上が目安)、英検準1級以上、国連英検など
- 教員免許
- 塾講師の経験(学生時代のアルバイトなど)
保育士
意外にも最近英語が求められつつあるのが保育士です。先ほど子供向け英語学校のアシスタント講師をご紹介しましたが、今度はそもそも普段子供のお世話をする保育士の話です。
何で保育士に英語?と思われるかもしれませんが、最近では外国人の子供も増えており、親とのコミュニケーションに英語が必要になってくるのです。ネットでも、保育士向け英語講座の案内を見かけることもありますよ。
外国人の子供がいない保育園であれば英語を使う機会はなく国際度も低いですが、外国人が多い地域の保育園を探せばそういった機会にも恵まれると思います。
保育士になるのに必要なもの
保育士は無資格でも採用している場所もありますが、基本的にはきちんとした資格があることが推奨されます。
- TOEIC(500点前後)、英検準2級程度など基本的な英語力
- 保育士の資格
- 幼稚園教諭の資格
事務系
英文秘書
あまり知られていない英文秘書ですが、難易度もグローバル度も最高レベルな仕事です。これは、単に英語で書類をまとめたりするのではなく、外資系企業などで外国人上司の秘書として働く仕事を指します。
秘書としてのスキルが必須なのはもちろんのこと、かなり高い英語力も求められるのでかなり難易度の高い仕事と言えるでしょう。
求められる英語力は外国人上司の英語力にもよりますが、日本語がほとんど話せない上司だったり海外の会社と会議の調整が頻繁に入る職場の場合、高い英語力が必要です。運良く(運悪く?)日本語ができる上司だった場合、日頃の会話は日本語でもできるかもしれませんが、通常はかなり高度な英語力が必要だと思いましょう。
英文秘書になるのに必要なもの
英文秘書は国が定める資格のようなものはありませんが、高い英語力を示す資格と秘書検定があった方が有利です。
- TOEIC(800点以上が目安)、英検準1級以上、国連英検B級以上
- 秘書検定
英文事務
英文秘書に続いて英語を使った事務系で代表的なのが英文事務です。主な仕事内容は英語による電話対応やメール業務、通訳、資料の翻訳、英語の資料作成などで、英語ができる人には比較的人気の高い仕事だと思います。
職場によっては、簡単な英語の資料の作成や翻訳が発生する以外は普通の事務と変わらないところもあるようなので、求められる英語力やグローバル度はピンキリです。このため、難易度とグローバル度の星は全て3つにしています。
英文事務になるのに必要なもの
英文事務は、英語力には特に必要な資格はありません。以下のスキルがあると有利でしょう。
- TOEIC(600点以上が目安)、英検2級以上、国連英検など
- エクセルなどMicrosoft Officeの資格
- タイピングの速さを示すもの
比較的未経験でも目指しやすい職種ではありますが、事務職の経験やオフィススキルの資格があると有利になります。
英語学校事務
意外にも英語を使う機会が多いのが、駅前留学などの英語学校の事務職です。学校で英語を使うのは何も先生だけではなくて、そこで働く事務職などのスタッフにも当然必要になり得るわけですね。
何故英語学校で英語が必要になるかというと、英語学校で働くスタッフの大半が外国人の英語講師で、彼らとスケジュール調整をしたり社内的な事務の話をする時や、場合によっては授業の準備の手伝いなどで英語を話す機会があるためです。
私の同僚も前職が英語学校の事務だったそうで、毎日外国人講師に囲まれて楽しかったと言っていました。グローバル度は星4つでもいいのかもしれませんね。
英語学校事務になるのに必要なもの
英語学校事務も、基本的に必要なものは英文事務と同じです。ただし、外国人講師と対面でやり取りすることが多い以上、英語の読み書きよりも会話能力はより求められると思います。つまり、英語は読み書きだけできるけど一言も話せないというレベルだと難しいかもしれません。ただし、会話のレベル自体はさほど高くなくても大丈夫です(カタコトでもシフト調整などが問題なくできればOK)。
以下の資格があると有利です。
- TOEIC(500点以上が目安)、英検準2級以上、国連英検など
- エクセルなどMicrosoft Officeの資格
- タイピングの速さを示すもの
基本的には普通の事務なので、求められる英語力は英文事務よりは低いのではないかと思います(雇用主にもよります)。
大学事務
英語学校の事務に似ているのが大学の事務です。大きな大学では留学生も多いですが、そういった学生の入学書類や通知書を準備したり、本人に手渡したり、場合によっては書類の修正を求めたり内容について質問するのに会話が必要になる場合もあります。
留学生がいなければあまり英語を使う機会は少ないですが、国際的な大学を目指せば使う機会もあるでしょう。
また、事務の中でも上を目指せば一般企業と協業で留学生向けのサービスを企画したり、学生に聞き取りをして大学のシステムを改善するような役割に就くことができたりと、可能性は広がります。私も以前実際そういう人と協業したことがあります(私はもちろん企業側)。
大学事務になるのに必要なもの
こちらも、基本的には英語学校の事務と同じです。基本的には事務のスキルがあればOKです。英語のレベルは留学生の数や業務の内容にもよりますが、高度な英語は求められないと考えて大丈夫です。
以下の資格が推奨です。
- TOEIC(500点以上が目安)、英検準2級以上、国連英検など
- エクセルなどMicrosoft Officeの資格
- タイピングの速さを示すもの
人事
人事で英語というのは少し意外かもしれませんが、外資系企業やインターナショナルな日本企業では、当然外国人の社員も多くいます。その人たち向けに入社の手続きをしたり様々な社内規則などを案内するのは誰でしょうか?人事ですね。
人事と言ってもいろんな領域があって、給与の処理など事務的な業務をする人、会社の方針に従って採用計画を練ったり実際に面接に参加する人事企画などその業務は多岐に渡ります。人事の分野で英語を使うのは、主に人事企画になると思います。
私が以前勤めていたグローバル企業でも、人事企画は英語をバリバリ使って外国人の採用活動を行っており、海外に出張することもあったようです。あまり詳しいことは知りませんが、もしかすると海外で採用活動をしていたのかもしれません。
難易度とグローバル度は一律3としていますが、これもやはりピンキリで企業によっては難易度は最高レベルにもなり得ます。
人事になるのに必要なもの
人事は総務の一貫として募集されることが多く、最初から人事として採用されることはあまりありませんが、人事を目指しているなら面接でそのことを伝えると人事に配属されやすいと思います。
業務の性質上、法律の知識などがあると好ましいです。必須ではないですが、以下の資格があれば有利です。
- TOEIC600点以上、英検2級以上など(いずれも英語が必要な場合のみ)
- 社会保険労務士
- 法律の知識(労働法など)
- エクセルなどMicrosoft Officeの資格
ここでは英語のレベルを低めにしていますが、それは人事で何かしらの形で英語を使う場合の最低レベルです。私の前職の人事企画社員はTOEIC900点レベルの英語力があったと思います。
大使館スタッフ
英語が使える事務はまだまだあります。大使館のスタッフ(事務職)もこの一つです。もちろん、「事務」と一括りにしてしまえばそれまでですが、大使館という職場はかなり特殊なため、1つの職種として扱ってみました。
業務内容は普通の事務とさほど変わりませんが、大使の資料の整理や会議の準備、各種事務作業を行うことになります。大使館には外国人(その国の人)が多いので、グローバルな環境でもあります。
英語の難易度はさほど高くありませんが、大使館の募集自体が少ないため、就職難易度は高いのではないかと思います。もちろん、大使館といっても英語圏の国だけではないですが、日本語よりは英語の方がコミュニケーションしやすいので採用されやすくなります。
大使館スタッフになるのに必要なもの
大使館スタッフは、正規雇用よりもアルバイトやパートの募集の方が多いように思います。その分求められるスキルは高くないですが、一般的な事務職のスキルがあると有利です。
- TOEIC(500点以上が目安)、英検準2級以上、国連英検など
- エクセルなどMicrosoft Officeの資格
- タイピングの速さを示すもの
- 目指す大使館の国に関する知識
- 秘書検定
大使館スタッフは秘書ではないですが、場合によっては大使のスケジュール管理をすることもあるかもしれませんので、秘書の知識があれば抜擢されやすいと思います。
留学コーディネーター
留学を目指す人のため学生と一緒に留学計画を練ったり、留学先の大学の入学手続きをするのが留学コーディネータです。事務に分類しましたが、企画職に近いかもしれません。
渡航準備や入学手続きがあるので、留学先の大学や滞在先と話すため英語力が必要になります。
留学コーディネーターになるのに必要なもの
留学コーディネーターには特に資格は必要ありませんが、英語ができると有利なのはもちろんのこと、旅行業の経験や留学経験があると強みになります。
留学経験があれば留学を目指す学生により具体的なアドバイスができますし、学生も安心して任せることができます。
あると有利なのは主に以下の資格や経験です。
- TOEIC600点以上、英検2級など
- 旅行代理店での業務経験
- 留学経験
IT関連
プロジェクトマネージャー
ソフトウェアやサービスを開発するプロジェクトの工程を管理するのがプロジェクトマネージャーです。あまり英語を使うとは思われていない職種ですが、業態や開発する商品によってはガッツリ英語を使うこともあります。私の職種がまさにこれ。
非常に幅の広い職種で、英語のレベルや難易度は一概には言えないので全部3にしていますが、私がやっている仕事で言えば上から5、4、4、4です。ただし、これもおもしろいもので、同じ職場の同じ職種であっても役割によって求められるレベルが違う場合もあります。
プロジェクトマネージャーがどういう状況で英語を使うかというと、海外の会社と協業で商品を開発する場合や、国内向けの商品であっても海外の会社に外注する場合などです(外資系などで外国人の多い職場ももちろん同様です)。この場合、協業している海外の会社と開発の進め方について議論したり契約交渉をするために海外出張をすることはよくあることです。私もこれで世界を飛び回っています。
世界を飛び回る仕事の種類に関する記事でも書いていますが、海外の会社と商品を共同開発ことが多い会社や、海外向けのサービスを作っているような会社を狙って転職すれば、スキルと経歴次第では国際的なプロジェクトに抜擢されやすくなります。プロジェクトマネジメント経験と英語力があれば、そういう会社ではほぼかならずグローバル案件にアサインされることでしょう。
プロジェクトマネージャーになるのに必要なもの
プロジェクトマネージャーになるのにはコレが必要というものはありませんが、英語を使うプロジェクトマネージャーになりたい場合以下の資格や経験があると有利です。
- TOEIC700点以上、英検準1級以上など
- ワード、エクセル、パワーポイントなどMicrosoft Office全般のスキル
- PMBOCなどプロジェクトマネジメントの資格
- 自分が携わりたい商品やサービスの開発に関する知識と経験
TOEICが600点程度だったり経験が浅い場合、プロジェクトマネージャーとしては難しいのでプロジェクトのメンバーになることならできると思いますが、海外出張に行くのはたいてい英語に秀でているかプロジェクトでリーダー以上の役割を担っている人になるので、世界を飛び回りたい場合はどちらかのスキルは必ず磨きましょう。
SE・プログラマー
SE・プログラマーにも最近では英語が求められることが増えています。オフショア開発という言葉を聞いたことがないでしょうか?海外の人件費が安い国の会社にプログラミングを外注することですね。この場合でも、日本側でエンジニアが作業工程を管理したり納品されたプログラムをテストすることになるので、海外の会社とのやり取りは必須になります。そんな時、英語が必須になってくるのです。
もちろん、工程管理はリーダーが行うので現場レベルのSEやプログラマーにはあまり高い英語力は求められない場合が多いですが、場合によっては現場のプログラマーが直接海外の外注先とやり取りをする必要がある場合もあります。
そんな時は、電話で話せる程度の英語ができるか、最低でもメールレベルの英語力が必要になります。
私の周りにも社内SEや外注のプログラマーがたくさんいますが、メールならば割と英語ができる人が多く、私が翻訳しなくていいので助かっています。ただし、電話会議となると話せない人が多いので私が通訳しなければなりませんが(笑)。
エンジニアは理系だというイメージがありますが、SEやプログラマーは文系でもなることができます。私の知り合いのSEによると、彼の会社のSEは6:4くらいの割合で理系と文系がいるそうです(6が理系)。
SE・プログラマーになるのに必要なもの
SEやプログラマーに重要なのはやはりプログラミングの知識です。英語を使いたい場合TOEIC600点くらいはあった方がいいでしょう。
一般的にあると有利なのは以下の資格です。就職先によっては必須になります。
- TOEIC600点以上、英検2級以上など
- 情報処理技術者の資格
- プログラミング言語の知識(C、Visual Basic、JAVAなど開発対象によって変化)
- エクセルなどMicrosoft Officeのスキル(マクロが組めればなお可)
- オラクル認定資格
ローカライズコーディネーター
一般にはあまり聞いたことがない人が多いローカライズコーディネーター。これは、ソフトウェアやゲーム、マニュアルなどのローカライズ(簡単に言うと翻訳)をするためのもろもろの調整をする人のことです。
翻訳者の選定、契約締結、翻訳進捗管理に始まり、ソフトウェアの場合テスティングの工程や予算を管理するなど、ローカライズプロジェクト全般の工程管理をする仕事です。実は私もローカライズのプロジェクトマネジメントをしたことがあります。
ローカライズコーディネーターとローカライズプロジェクトマネージャーの厳密な違いはありませんが、プロジェクトマネージャーの方がより管理する領域が広く、責任も大きくなります。
ローカライズコーディネーターは、外国語から日本語へのローカライズの場合あまり英語を使うことはありませんが(マトモな翻訳会社の場合日本語ネイティブの翻訳者を使うので)、日本語から外国語へのローカライズの場合は毎日外国人の翻訳者とのやり取りが発生します。場合によっては電話会議も頻繁に発生するので、その場合求められる英語力はかなり高度になります。
ローカライズコーディネーターになるのに必要なもの
英語を使うローカライズコーディネーターの場合、低くてもTOEIC700点はないと厳しいと思います。その他に、工程管理にはエクセルを使いますし、契約の締結にはワードを使うので、Microsoft Office系ソフトは一通り使いこなせる必要があります。また、ローカライズではテキストの扱い方が特殊なので(半角と全角を間違えると大きなバグにつながったり、テキストを収めることができるウィンドウの幅が厳密に決まっていたりするので)、ローカライズ工程に関する理解も必要です。
- TOEIC700点以上、英検準1級以上など
- ワード、エクセル、パワーポイントなどMicrosoft Office全般のスキル
- ローカライズ工程の理解
プロジェクト管理スキルがあれば、ローカライズの経験は必ずしもなくても採用してもらえることがあります。
ゲームプランナー
今グローバルな仕事として密かに注目を浴びているのがゲームプランナーです。これもプログラマーやSEと同じで、主にスマホゲームアプリの開発をオフショアで行う会社が非常に多いためです。
海外に開発業務を委託しているゲーム会社の場合、委託先は主にベトナムやマレーシアなどとなり、英語圏ではないですがコミュニケーションの主要言語は当然英語となります。
海外に開発を委託しているゲーム会社で働くゲームプランナーは、海外の会社と日頃からやり取りをすることになるので、ビジネスレベルの英語力が求められます。
ゲームプランナーになるのに必要なもの
ゲームプランナーになるには、基本的なプロジェクト管理スキルの他に神話やファンタジーの知識など、ゲームの構想を練るのに必要なスキルが求められます。
英語については、毎日がっつり英語を話す必要があるならTOEIC800点くらいは必須になりますが、メールでのコミュニケーションでも大丈夫な場合は600点程度でも不可能ではないでしょう。
あるといいのは以下のスキルや経験です。
- TOEIC600点以上、英検2級以上など
- ワード、エクセル、パワーポイントなどMicrosoft Office全般のスキル
- 神話やファンタジー用語の知識があると可
大手ゲーム会社は採用も相当の難易度ですが、スマホのゲーム会社は最近どんどん増えているので、転職するのはさほど大変ではないと思います。
貿易関連
通関士
税関に対して企業の輸入物を国内に搬入する許可を求めるために申請するのが通関士です。運送業者などに所属して輸入元企業の通関業務の代行をすることもあれば、商社に所属して自分で通関処理を行うこともあります。
基本的な業務は輸入物の金額や内容を確認して税関に申請するというものですが、他にもきちんと税金を徴収したり、輸入禁止品目が入っていないかチェックしたり、密輸を食い止める役割もあるので、非常に重要な仕事と言えます。よく、ニュースでXXの輸入高はいくらいくらという話を聞くと思いますが、あれも通関士の日頃の努力の結晶です。
税関への申請書を書く際、英語で記載する項目があるので、英語の貿易用語を知っている必要があります。
通関士になるのに必要なもの
通関士になるには国家資格が必要です。必要なもの、あると有利なものは以下の通りです。
- 通関士の資格(必須。国家資格です)
- TOEIC500点程度、または英検準2級程度(あれば可)
- 基本的なオフィススキル
英語力については、書類を書く際に使う程度なので、高度な読解力や会話能力までは必要ないと考えて問題ありません。
輸入企画
輸入企画とは、輸入商社などで自社の事業計画に基づいていつの時期に何をどれだけ輸入するかを企画する仕事です。小さな会社だと、それをどのように売るかマーケティングプランを練ったり、何かまだ日本では売っていない新しい商品が海外にないかネットなどでリサーチする場合もあります。
難易度やグローバル度は、会社にもよるので一概には言えませんが、一般的には海外の会社に直接発注したり納期の調整をするので、英語力は必要になります。やり取りはメールが多いですが、急ぎの場合は電話をすることもよくあります。
基本的には日本国内の会社での内勤になりますが、会社によってはバイヤーのように海外に買い付けに行ったり、発注先の会社の招待で海外のイベントなどに行くこともあり得ます。
輸入企画をするのに必要なもの
輸入企画をするのに必須な資格はありませんが、以下のスキルや経験があると有利です。
- TOEIC600点程度、英検2級程度など
- ワード、エクセルなどの基本的なオフィススキル
- 貿易実務検定試験
- 自分が扱う商材の知識(冷蔵なのか常温なのか、どのように梱包するのかなどの知識が必要なため)
貿易の知識は仕事をしながら覚えることもできます。
貿易事務
輸入企画の業務の中でも輸出入に関わる業務に特化したのが貿易事務です。輸入企画のように発注計画を練ったりマーケティングに携わるというよりは、いつどの船に何をどれだけ乗せて輸出・輸入するのか、荷物が届いたらいつ荷下ろしを行うのか、どこの倉庫に入れるのかなど貿易に関わる業務全般を行います。
輸入企画でも貿易事務を行うことがあるので厳密な区別はありませんが、貿易事務の方がより貿易のスペシャリストだと言えます。
輸入企画のように企画段階から海外の輸出・輸入先と英語で話すことは少ないですが、実際に貿易の手続きをする時にパートナーと英語で調整することはあります。このため、書類作成のための英語力に加えて、会話ができると有利です。
貿易事務になるのに必要なもの
貿易事務も、基本的には輸入企画と同様です。以下の資格や経験があるといいでしょう。
- TOEIC600点程度、英検2級程度など
- ワード、エクセルなどの基本的なオフィススキル
- 貿易実務検定試験
- 自分が扱う商材の知識(冷蔵なのか常温なのか、どのように梱包するのかなどの知識が必要なため)
バイヤー
最近NHKの「世界はほしいモノにあふれてる」でもよく登場するのが、海外にお目当ての商品を買い付けに行くバイヤーです。素敵な商品を海外のおしゃれな街に買い付けに行く様子が放映されているので、最近人気が上がっているのではないかと思います。私も世界を飛び回ってはいますが、あの番組を見ているとついうっとりします(笑)。華やかな面だけではないことは自分も散々海外出張をして知ってるんですけどね。
バイヤーの主な仕事は、商品を海外に買い付けに行くのはもちろんですが、海外の工房などと新しい商品を共同開発をしたり、こんな商品を入れてほしいと注文交渉をしたり、今年はどんな商品をどれだけ買い付けるのか事業計画を練ることもあります。
いざ買い付けが決まったら、どのようにそれを輸入するのかの段取りも必要になりますね。
バイヤーになるのに必要なもの
バイヤーになるのに特別な資格は必要ありませんが、語学力や日本商工会議所が主催している販売士の資格があると有利です。
あとは、自分が買い付けをする商品の知識や経験は必須だと思っていいでしょう。とにかく自分自身がその商品を大好きで、情熱を持っていることが大切です。その気持ちがなければ、日本の消費者が買いたくなるようないい商品を見つけるのは難しいと思います。
バイヤーは以下の資格や経験を身につけてから挑むのがおすすめです。
- TOEIC600点、または英検2級
- 販売士検定試験
- 自分が扱う商品の知識と経験
英語力はもちろんあった方がいいですが、買い付けに行く国は英語が通じる場所とは限らないので、買い付けに行く国の言葉ができた方がより有利になります。ただし、凄腕バイヤーになれば通販同伴で行けることもあるので、必ずしも外国語ができる必要があるわけではないようです。
海外営業
自社製品を海外企業に対して売り込むのが海外営業です。日本国内の外国人や電話による海外への営業もなくはないので世界を飛び回れるとは限りませんが、海外に売り込みに行くことが多い企業に入れれば世界中を飛び回ることができる確率はぐんと上がります。
内勤や日本人相手に仕事をすることもありますが、相手は海外の企業なので外国人をコミュニケーションを取る機会はとても多いと思います。
海外営業になるのに必要なもの
成約するかどうかはあなたの説得力次第なので、ニュアンスのレベルで間違わずに適切な言葉を選ぶことができる高度な英語力が必要です。
以下の資格や経験で武装して挑みましょう。
- TOEIC800点以上、英検準1級以上など
- 基本的なオフィススキル
- 対象商材の知識と経験
ここではTOEIC800点以上としましたが、それは商品のプレゼンだけすれば後は交渉担当が話を進めてくれるなど、関わる部分が少ない場合に限ります。800点ではニュアンスまで間違わずにコミュニケーションを取ることは難しいので、条件交渉まで含めて全て担当する場合は900点以上は必要なのではないかと思います。
製造・建築系
インフラ整備
水道管、ガス管、インターネット配線、電気関係など、インフラ周りの整備をする仕事です(ひとまとめにしてしまっていますが、本当は非常に様々な職種があります)。
日本国内でも普通に募集されている仕事ですが、実は海外こそ非常に需要のある分野です。というのも、東南アジアやアフリカなどの途上国ではまだまだインフラがきちんと整備されていないところがたくさんあり、日本企業による技術支援はとても求められているためです。
途上国に長期滞在して水道管やガス管を整備したり道路を建設することになるので非常にハードですが、自分の仕事がその国の発展に役立っているという実感は他の仕事よりも一層高いのではないかと思います。
インフラ整備をするのに必要なもの
ここではひとまとめにインフラとしていますが、分野によって様々な資格や経験が求められます。全てはカバーできませんが、以下のような資格があると便利です。
- TOEIC700点以上、英検2級以上など
- 建築整備士の資格
- 配管工の資格
- 対象の職種の経験
英語については、現場レベルであればTOEIC500点レベルでも問題ないかもしれませんが、海外に派遣されるのはほとんどの場合責任者レベルの技術や経験がある人なので、現地のスタッフを取りまとめるのに700〜800点程度は求められると考えた方がいいでしょう。ただ、出向先が英語が通じる国とは限らないので、英語力はあまり求められない場合もあるかもしれません。それでも、日本語しかできないよりは全然マシだと思いますが。
工場管理者
海外に工場を持っている日本企業に就職し、海外の工場に出向するという方法です。食品加工会社、部品会社、衣服メーカーなど、海外に工場を持っている会社は非常にたくさんありますよね。そういう会社で海外工場に出向し、現場を取りまとめる仕事です。
難易度はとても高いですが、もし海外に出向できればグローバル度は非常に高いと思います。会社によってはその工場に缶詰になるのであまり日本と行ったり来たりすることはないかもしれませんが、それでも非常に国際的な職場と言えると思います。
唯一、出向先は多くが途上国なので、生活は日本より少し大変かもしれないという点があります。
工場管理者になるのに必要なもの
工場管理者になるには、分野によって安全管理や衛生管理の資格が求められます。また、未経験でいきなり海外に派遣されることはないので、国内で工場の工程管理などをした経験は必須になるでしょう。現地のスタッフとコミュニケーションをとって取りまとめる必要があるので、英語力やその土地の言葉は必須になります。
以下のような資格や経験が考えられます。
- TOEIC700点以上、英検2級以上など
- 安全管理や衛生管理の資格
- 国内の工場管理の経験
建設関係
これもインフラ整備と似ていますが、途上国で日本の建設技術を提供し、建物などを建設したり現地のスタッフを育成する仕事です。
滞在場所は多くの場合途上国になりますが、耐震技術を持っている場合、先進国でも耐震構造を持つ建物の建設について指導者として赴任することができるかもしれません。
建設関係の仕事に必要なもの
建設関係と一口に言っても、現場レベルなのか指導者レベルなのかによっても求められる英語力は全く変わります。ただ、海外に派遣されるのは責任者レベルが圧倒的に多いことを考えると、そこそこ高度な英語力はあった方がいいと思います。
海外で建設関係の仕事をするのにおすすめな資格と経験は以下の通りです。
- TOEIC700点以上、英検2級以上など
- 建築士の資格
自動車会社品質管理部門
自動車会社で開発した車の耐久試験などを行う仕事です。専用の施設で実際に車を走らせ、障害物にぶつけた時にどの程度耐えられるかを見た上で、改善策を練ります。なぜこの仕事で英語を使うかというと、日本は平野が少ないせいで施設を作るのに十分な土地がなく、海外に行かないと試験できないためです。
自動車会社というと有名な会社ばかりなので就職するのはとても大変ですが、もしうまく品質管理部門に入ることができればかなりの頻度で世界を飛び回ることができます。私の友人も実際にこの仕事をしていますが、渡航先は車大国のドイツや、意外にもロシアが多いと言っていました。
文系でもなれる仕事なのかもしれませんが、私の友人でこの仕事をしている人は全員理系です。そのうちの1人にインタビューしてみたことがあるので、興味がある方はご覧ください。
自動車会社品質管理部門に入るのに必要なもの
自動車メーカーの品質管理部門では通常通訳は付かないので、自分自身で英語でコミュニケーションを取る必要があります。ただ、海外の仕事相手も同じ分野の人なので、言葉が通じなくても専門用語だけ覚えていれば案外話が通じるんだそうです。
とはいえそれはたまたま経験などを買われて配属された人の話なので、最初から目指す場合は英語は身につけてから臨みましょう。
以下の資格や経験が必要です。
- TOEIC600点程度、英検準2級など
- 会社ごとの品質管理の資格
- 自動車開発に関する知識と経験
特に国や資格団体による資格というものはありませんが、自動車メーカーでは会社ごとに独自の品質管理部門の資格を設けていることが多いので、その会社で試験に合格する必要があります(少し前に、某大手自動車メーカーで無資格の社員に品質管理をさせていたことが問題になりましたね)。
また、この仕事もよほど英語力と自動車に関する知識や情熱に秀でていない限り、未経験でいきなり海外に派遣されることはないので、まずは普通に自動車メーカーに入社して実績を積む必要があります。
接客関連
携帯電話販売店のスタッフ
日本の携帯ショップで携帯電話の販売をするスタッフです。最近はインバウンド観光客や外国人の日本在住者が増えているので、東京の都心部や外国人の多い地域では非常に重宝されるのが英語が話せるスタッフです。
正直なところ、英語対応スタッフと言っても携帯ショップではそんなに英語力は高くないのでは・・・?と思っていたことがあるのですが、以前六本木の携帯ショップでネイティブレベルの店員(日本人)を見たことがあります。それだけ外国人の客が多いのでしょうね。ということは、需要もあるということです。
基本的には日本人の客の方が多いので日頃からグローバル度が高いわけではないですが、英語が得意なら必ず役に立つ仕事ですよ。
携帯電話販売店のスタッフになるのに必要なもの
携帯ショップの英語対応スタッフになるには、特別な資格は必要ありませんが高い英語力は必要になります。また、会社ごとに試験があったり、必要なスキルがあるので目指している会社(または代理店)が求めるものを調べてから臨みましょう。
あると有利なのは以下のスキルです。
- TOEIC700点以上、または英検2級以上
- 携帯電話のトレンド、操作方法、世の中で使われているアプリに関する知識
- 接客経験
飲食店スタッフ
飲食店のホールスタッフです。地域にもよりますが、都市部では外国人の客も増えているため、英語ができると接客でとても役に立ちます。
普段はあくまで日本人の客が相手なのでさほどグローバル度は高くないですが、東京の外国人の多い地域などで仕事を見つけることができれば、客の半分は外国人ということもなくはないですよ。
飲食店スタッフになるのに必要なもの
飲食店スタッフと言ってもレベルは様々ですが、比較的ハードルは低い職種です。外国人が多い店舗の場合、英語はある程度できた方が採用の確率は上がりますが、そうでない場合はメニューを英語で暗記するだけでも問題ありません。
あると望ましいのは以下のスキルです。
- TOEIC500点以、または英検準2級以上など
- 接客の経験
企業の受付
企業のロビーなどで受付として来訪者を受け入れる仕事です。国際的かどうかは就職先にどれだけ外国人が来るかにもよりますが、外資系などであれば毎日外国人と接することができると思います。
女性の方がなりやすい仕事ではありますが、難易度自体はさほど高くないと思います。また、企業の受付が職場なので、海外に行ける機会はほとんどないと考えていいでしょう。
企業の受付になるのに必要なもの
受付に求められる英語力は企業によってもまちまちですが、よほど来訪者のほとんどが外国人という企業でもない限り高い英語力は必要ないと考えて問題ありません。
以下の資格があると便利です。
- TOEIC500点以上、英検準2級以上など
- 秘書検定
- 接客の経験
その他専門職
外資系転職エージェントのリクルーター
転職エージェントで働くリクルーター(ヘッドハンター)です。とはいっても、ここで言う転職エージェントとは、日本の一般的なエージェントではなく外資系のエージェントです。転職関連のキーワードで検索しても上位には出てこないのであまり一般的ではないですが、マイケルページ、ロバートウォルターズ、モーガン・マッキンリーなどが外資系のグローバル転職サービスとしては有名です。実は私も普段お世話になるのはこういったガチの外資系転職エージェントばかりで、これまでの転職ではほとんど彼らに求人を紹介してもらいました。
日本の転職エージェントと何が違うのかというと、まずこういった会社で働いている人はほとんどが外国人か外国育ちの日本人だということです。日本育ちの人もいるのかもしれませんが、私はまだ会ったことがありません。つまり、職場は非常にインターナショナルで、使う英語のレベルもかなり高くなります。
相当な英語力がないと外資系転職エージェントに入るのは難しいかもしれませんが、英語に自信がある人は目指してみてはいかがでしょうか?私の知り合いでも、日本在住の外国人や帰国子女でリクルーターとして働いている人はとてもたくさんいます。それだけ、外国人や帰国子女にとっては目指しやすい仕事なのだと思います。
外資系転職エージェントのリクルーターになるのに必要なもの
リクルーターになるには特に必要な資格はありませんが、外資系であれば高い英語力は必須だと考えていいでしょう。外国人の転職希望者や日本語があまり話せない他のリクルーターとも英語で話す必要があるので、普段日本語で仕事をするのと同じレベルの英語力が求められます。
以下の資格や経験が推奨です。
- TOEIC900点、英検1級、国連英検A級など
- 日本の転職エージェントでの経験
- 他の企業での面接官や営業としての経験があれば可
一般的に、転職エージェントは未経験でも比較的目指しやすいと言われています。更に、外資系であれば日本語が多少苦手でも問題ないので、こういった背景も手伝って外国人や帰国子女が多いのでしょうね。
新聞記者
国際関連記事などを執筆する新聞記者です。新聞記事にもいろいろありますが、国際関連の時事問題や海外ニュースを国内で取り上げる担当になることができれば、海外で今起こっていることをネットで調べるのはもちろんのこと、実際海外の企業や政治家に取材することもあるでしょう。レベルが上がれば、海外に取材に行くこともあります。
分野もレベルも幅が広すぎるので一概にグローバル度はこう、世界を飛び回れる度はこうと言うことはできませんが、国際的な記事を書く部門に行くことができれば、英語難易度もグローバル度も海外出張頻度も最高レベルになるでしょう。
新聞記者になるのに必要なもの
新聞記者に必要な資格は特にありません。ただし、新聞記者の採用試験は出題範囲が非常に広く難しいので、日頃から一般常識や時事問題に目を光らせるだけでなく、スポーツや経済の知識も必要になります。
これに国際記事に携わることを考えると、以下の資格や知識が推奨ということになります。
- TOEIC700点以上、英検準1級以上、国連英検B級以上など
- 一般常識、時事問題などに精通していること
- ネットのライターとしての経験
ただし、新聞記者と言っても本当にその領域は様々なので、求められる能力や経験も分野によって違います。特に英語力に関しては、上で書いている点数や級は国際記事を書くなら必要最低レベルであるということを念頭に置いていただければと思います。
英文速記者
速記という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、これはそれを英語でやる職業です。速記とは、人が話す内容を話す速度と同じくらいの速度で書き取って文書化する仕事です。とても文字には見えない丸や波線などの記号を使って目にも留まらぬ速さで言われた内容を紙に書き、あとできちんとした書類にします。
最近はレコーダーで録音したものを自動的に文章として書き起こすソフトもありますが、シンポジウムや国会などでは発言者がたくさんいて機械では聞き取れないことも多々あるので、現在でもまだまだ需要はある仕事です。
ただ、英文速記者となると日本では求人が非常に少ないので、就職難易度は最高レベルとなります。もちろん、英語力も最高レベルです。
英文速記者になるのに必要なもの
英文速記者になるのは、単に求人の数が少ないからという理由だけでなく、スキルの面でも非常に難しいです。まず、英語の理解力についてはネイティブの英語を完璧に聞き取れるレベルでなければなりませんし、速記についても日本では検定がないので本場アメリカの試験を受ける必要があります。
以上のことを考えると、以下のものは必須と考えて問題ないでしょう。
- TOEIC950点以上、英検1級以上、国連英検A級以上など
- 英文速記検定(80W/分以上)
検定については、アメリカの「グレッグ式英文速記公式検定」という検定で80W/分以上を取得する必要があります。80Wとは何ぞやとお思いだと思いますが、これは1分間に速記できる文字数のことで、試験には120W、100W、80W、60Wの4段階あります。仕事として認められるのは80W以上だそうです。
日本でどの程度英文速記者の需要があるかは分かりませんが、将来海外で働くための土台にもなるかもしれませんね。
国際弁護士
弁護士という憧れの職業の中でも更にエリートと言っても過言ではないのが国際弁護士です。とは言っても、国際弁護士というのは専門の資格があるわけではなく、日本の弁護士資格と海外の弁護士資格を両方持っている弁護士か、どちらか片方しか持っていないけど国際案件を多く扱っている弁護士のことを指します。どちらにしても途方もなく難しい職業であることには変わりません(笑)。
私の職場にも国際弁護士はたくさんいますが、私の職場の場合はアメリカの弁護士資格(あと、日本の資格も?)を持っている人が多いです。他の国の弁護士資格であっても「国際」であることは変わらないと思います。
難易度については星20個と言っても大げさではないほど難しく、当然ですがどの弁護士も何歩先を行っているのか分からないほど頭が切れます。そして、英語も全員飾り物ではなくガチで使える英語で、一般人は(ネイティブでも)普段使わない難しい言葉をふんだんに織り交ぜながらそのまま契約書になりそうな英語を理路整然と話します(笑)。日本人が日本で弁護士資格を取るのも難しいのに、日本人が海外でその国の人たちと対等に弁護士試験を受けなければならないわけですから、どれだけ難しいのかは想像もできません。
ひとたび国際弁護士になれれば、引き受ける案件によっては常に英語を使うことになりますし、海外出張をすることも可能です。私の知っている国際弁護士は海外案件しか受けていない人もいますし、普段は普通に日本国内の案件を引き受けているという人もいます(でも英語力は全然鈍ってないから不思議)。
国際弁護士になるのに必要なもの
上の方でも書いた通り、「国際弁護士」という言葉には明確な定義があるわけではありませんが、弁護士と名乗る以上何かしらの弁護士資格は必須です。国際弁護士と名乗るからには国際案件も当然引き受けられる必要があるので、日本語以外の言語がネイティブ並みにできることも不可欠です。
また、契約書を作成したりするので、Microsoftワードは最低限使いこなせる必要がありますね。
まとめると、以下のものが必要になります。
- TOEIC950点以上、英検1級、国連英検特A級など
- 弁護士資格(日本または海外のいずれか、もしくは両方)
- 弁護士としての海外案件経験(日本の弁護士資格しか持っていない場合)
- Microsoftワードの基本的なスキル(修正履歴の管理やファイル同士のマージなど)
大学はやはり法学部を出るのが有利ではありますが、一般の学部でも弁護士になることはできます(日本の場合)。
マーケティングリサーチ、分析
海外の商材を日本に仕入れている会社や、日本の商材を海外で売る会社などで、海外の市場調査をする仕事です。海外→日本であれば、海外で何が流行っているのかを調べてどれを日本に展開すればいいか分析しますし、日本→海外であればやはりどんなものがターゲット層に受け入れられるか競合調査などを英語ですることになります。
その英語でリサーチする能力と自分が扱う商品の知識があるのはもちろんのことですが、集めた情報を定量的に(数字で)分析する必要があるので、分析のスキルも必要になります。
英語は話す機会はあまりありませんが、ネイティブが書く英語を正確に理解する読解力が求められます。グローバル度はさほど高くありませんが、場合によっては職場に外国人がいたり海外の協業先と電話会議をすることもあるかもしれません。
マーケティングリサーチ、分析の仕事をするのに必要なもの
英語を使うとはいってもマーケティング分析が本業なので、そちらのスキルは必須になります。数値分析に強いこと、エクセルを使いこなせることは必須で、英語力はその延長と考えましょう。
必要なのは以下のスキルです。
- TOEIC700点以上、英検準1級以上など
- エクセル中級以上
- 数値分析のスキル(競合のサービス利用者数、類似分野の関心層など断片的な情報から見込み顧客数を導き出すなど)
プロダクトマネージャーや、プロジェクトマネージャーの仕事でもマーケティング分析やリサーチをすることはよくあります。
NPOスタッフ
青年海外協力隊などとして海外でボランティア活動をするものです。NPOというのは単純に非営利団体の総称に過ぎず、「会社」という言葉と同じくらい幅が広いので難易度や仕事内容については一概には言えませんが、国際関係のNPOで働くことができればグローバル度や出張頻度は最高位と言えるでしょう。
求められる英語力や難易度についても、目指すNPOの業務内容や職種によると思います。
なお、青年海外協力隊の場合20〜39歳という年齢制限があるので注意しましょう。
NPOスタッフになるのに必要なもの
NPOスタッフになると言っても、「会社員になるのに必要なものは何か」と言っているくらい幅が広過ぎるので、ここでは海外に行くということだけに焦点を置いて見てみましょう。
仕事内容や行き先にもよりますが、行き先が海外ということもあるので、以下のものは最低限ないと厳しいのではないかと思います。
- TOEIC500点以上、英検準2級以上など
- サバイバル能力
あまり説明になっていませんね(笑)。あとは、目指すNPOの業務などに応じて必要なスキルを準備していただければと思います。
総合商社
人気企業で常に上位に入るのが総合商社です。インフラ、エナジー、金属、工業など幅広い分野において海外の企業に投資したり、投資した事業の経営をしたりパートナーと取引をしたりするのが主な事業です。
国際取引が基本になるので高い英語力が必要な他、体力やストレス体制も大切です。私の知り合いのハーフや帰国子女も総合商社で働いている人がたくさんいます。国際取引がメインになるので、ただ単に英語ができるだけでなく、海外の文化に対する理解や国際感覚が求められるのですね。
総合商社に入るのに必要なもの
総合商社は入社の条件が非常に厳しいことで知られています。全ての総合商社に共通の必須資格のようなものはありませんが、英語力に加えて幅広い分野の教養があること、言論能力が高いことなどが必要です。
箇条書きにすると以下のような感じです。
- TOEIC800点以上、英検準1級以上、国連英検B級以上など
- 言論能力(日本語、英語)
- 一般教養の知識
- ストレス耐性
- 英語以外の外国語があるとより有利
- 基本的なオフィススキル
ここでは最低限必要な英語力としてTOEIC800点としましたが、実務は800点では厳しいと思います。入社時の足切りもあるので最低900点はあった方がいいでしょう。どこかの総合商社は中途のTOEICの点数は900点以上が必須だった気がします。
デザイナー
海外市場向け商品のデザインを作るのに海外のサイトを英語で検索したり、顧客自体が外国人である場合もあります。最近は日本の文化が海外でも高い関心を集めているので、和風なデザインができるデザイナーは重宝されています。ここで英語ができれば世界で活躍する機会もぐんと増えるでしょう。
デザイナーと一口に言っても何のデザインをするのかにもよりますが、海外市場を相手にしている分野であればグローバルな仕事を見つけやすいと思いますよ。
デザイナーになるのに必要なもの
英語を使うデザイナーになるなら、デザインスキルに加えてどんなに最低でも中学レベルの読み書きができる英語力は必要でしょう。デザインスキルにしては、カラーコーディネーターやAdobeのソフトを使いこなす資格など、目指す分野に合わせて以下のような資格があると有利です。
- TOEIC500点以上、英検準2級以上など
- カラーコーディネーターの資格
- インテリアコーディネーターの資格
- Illustratorクリエイター能力検定
- Photoshopクリエイター能力検定
- 実際に企業向けにデザインした実績
ただ、私がこれまで会ったデザイナーを見た限りだと、一番モノを言うのは実績のように思います。実績に加えて英語力があれば国際案件に必要とされる確率は格段に上がるでしょう。
投資銀行
投資銀行とは、財政難の企業に投資したり、事業売却(M&A)のための取引をしたりする会社のことです。ここで取り上げるのは外資系投資銀行で、有名なところだとモーガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなどがあります。名前は聞いたことがありますよね。
外資系の投資銀行では、海外の企業を相手にM&Aの調整をしたり、お金に困っている企業に対して投資を打診し、その企業の将来性を試算したり投資の商談を進めていくことになるので、英語などの外国語は高いレベルであることが求められます。
難易度はもちろん最高レベルで、外資系に入ることができればグローバル度もとても高いでしょう。場合によっては、投資先企業の視察などで海外出張することも期待できます。
投資銀行に入るのに必要なもの
投資銀行に入るには、やはり経済・金融関係の資格があると強いです。外資系であれば、TOEICでも高い点数が必須であることを視野に、以下の資格を準備しましょう。
- TOEIC800点以上、英検準1級以上、国連英検B級以上など
- 簿記検定1級
- 公認会計士
- MBA
いずれもなければなることができない国が定める資格というわけではないですが、外資系投資銀行ともなれば無資格では難しいと考えましょう。日本の銀行でよほど経験があれば例外的に無資格でも英語力次第では入れるかもしれませんが、いくら英語力が高くても未経験でいきなり外資系投資銀行に入るのは限りなく無理に近いと思います。
トレーダー
トレーダーとは、株式や為替の売買をする仕事です。証券会社などで、世の中の金融取引を仲介する業務で、日々数億円もの金額を動かすため非常に重要な仕事です。
そのトレーダーで何故英語が必要かというと、海外関連の株式売買に関わる部門であれば、海外のニュースなどをチェックして日々の動向を把握する必要があるためです。
基本的には決まった勤務地で仕事をするのであまり世界を飛び回ることはありませんが、職場によってはまずまずのグローバル度は期待できるでしょう。グローバルな環境であれば、当然求められる英語力も上がるのでご注意ください。
トレーダーになるのに必要なもの
トレーダーとして証券取引をするにはいくつかのカテゴリーがありますが、有価証券の取引をするには証券外務員の資格は必須になります。
どのカテゴリの取引をするのかにもよりますが、トレーダーになるのに必要な資格は一般的には以下のものがあるので、今から必要なものを調べて準備するといいでしょう。
- TOEIC600点以上、英検2級以上など
- 証券外務員
- 証券アナリスト
まとめ:英語を使う仕事は人の数ほどあると言っても過言ではない
さて、今回は数ある英語を使う仕事の中のほんの一部をご紹介しましたが、世の中には何百・何千という英語を使う仕事があります。この記事でも今後もっと数を増やしていこうと思っていますが、みなさんが少しでもこの記事を参考に英語を使った仕事を見つけてくださるなら当サイトとしては喜ばしい限りです。
では、どうやって実際に英語を使った仕事に就くのかというと、やはりグローバル案件に強い転職エージェントを味方につけることではないかと思います。
転職エージェントとは転職希望者に対して無料で仕事を紹介し、履歴書の書き方や面接の受け方を指導してくれた上に企業に対して転職希望者を売り込んでくれる非常に強力な味方です。何で無料なのかというと、転職希望者が無事採用された場合、採用した企業から成功報酬を受け取るからなんですね。
グローバル転職したい場合、圧倒的におすすめなのは英語転職.comとハイクラス向けのビズリーチです。英語転職.comは日本の会社なので、多少英語が苦手でも親身に相談に乗ってくれますし、ビズリーチは転職サービスでは珍しく有料な代わりに転職希望者目線で本当に質の高いサービスを提供してくれるという特徴があります。どちらも、
本気で英語を使った仕事を見つけたい人には欠かせないサービスなので、是非登録してみてください。